KSP463rd

関係者の皆様


はじめまして、2018年2月の関西社会心理学会(KSP)で話題提供を務めさせていただきます,大阪大学の高橋英之(ロボットと認知科学が研究テーマ)と申します.

下記,研究会の詳細について述べさせていただきます.少し社会心理とは違う分野ですが,分かりやすく喋るよう努力いたしますので,ご興味がある方がおられましたら是非ご参加ください!!!

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【日時】2019年2月16日(土)14:30-17:30

【場所】関西学院大学大阪梅田キャンパス K.G.ハブスクエア大阪 14階 1406号室

阪急「梅田駅」 茶屋町口改札口より 北へ徒歩5分。

【題目】”寄り添い”の構成論的実現 -ずっと一緒にいられるロボットの創成を目指して-

【発表者】高橋英之 (大阪大学大学院 基礎工学研究科)

【概要】ロボットというのは,人工物でありながら,どこか擬人性や生命性を感じさせる不思議な存在である.話題提供者は,これまで人間がロボットをどのような存在として捉えているのか,心理学的,神経科学的,情報科学的手法を組み合わせて研究してきた.本発表ではこれらの知見を概説した上で,社会にロボットがもたらす一つの大きな価値として,”メタ認知(気づき)を促進するための場づくり(寄り添い)”があるという提案をする.そしてその一つの社会実装への挑戦の形として,話題提供者が空調メーカーと共同で取り組んでいる,”人間に寄り添い続ける空気感エージェント”のデザインについて紹介をしたい.

本発表を通じて,コミュニケーションロボットの役割としてペットの代用品的な”絆”や”癒し”を志向する現代の風潮に一石を投じたいと考えている.このような短期的な充足を志向したロボットは,飽きられやすく,単なる消費物に成り下がってしまっている.またそれを使用している人間の姿もどこか物悲しい.申請者が強調する”寄り添い”は,このような孤独を埋めるための”癒し”とは全く違うコンセプトであり,むしろ人間の孤独によりポジティブな光を当てたものである.このような”寄り添い”の価値を具体化していくことで,”本当の意味で”未来の社会に貢献できるコミュニケーションロボットが創成できるのではないかと話題提供者は考えている.

今回の研究のようにロボットに実装する形で構成論的に”寄り添い”を実現することは,単なる人間とロボットの関係論を超えて,人間同士の関係性のありかたについても問い直すことにつながるかもしれない.ソーシャルネットワークサービスなどの普及により”絆”や”癒し”が商業化され昔より簡単に手に入る現代だからこそ,むしろ”孤独”とそれを支える”寄り添い”の価値についてロボット研究を通じてじっくりと考えてみたい.

【懇親会】研究会終了後、18時頃から梅田周辺で懇親会を行います。参加いただける方は、恐れ入りますが,2月9日(土)までに、高橋までご連絡ください.

【問合わせ先】高橋英之(大阪大学大学院 基礎工学研究科) takahashi[at]irl.sys.es.osaka-u.ac.jp