Post date: Sep 1, 2018 11:09:11 PM
残暑お見舞い申し上げます。9月のKSP研究会(関西社会心理学研究会・第458回例会)は、和歌山県立医科大学保健看護学部の増田匡裕が話題提供を致します。奮ってご参会戴けましたら幸甚です。
【日時】 2018年9月29日 14時30分から17時30分
【会場】 関西大学梅田キャンパス 705教室
http://www.kansai-u.ac.jp/umeda/access/index.html
阪急「梅田駅」 茶屋町口改札口より 北へ徒歩5分。JR「大阪駅」御堂筋出口から徒歩10分、地下鉄御堂筋線「梅田駅」から徒歩7分
(関西大学社会学部心理学専攻の後援で開催させて戴いております。池内裕美先生にお礼申し上げます。)
【話題提供者】 増田匡裕 (和歌山県立医科大学保健看護学部)
【発表題目】 コミュニケーション学にBTTF(バック・トゥ・ザ・フューチャー):心理学を教えた後で、改めて学際学“コミュニケーション学”を考える。
【発表の概要】
私にとってはこれで通算4度目の発表になりますが、過去3回とも発表から9か月以内に肩書きが変わるという不可思議な体験をしております。特に2回目も3回目も、KSPで発表をさせて戴くことが決まったときには、まだ自分の次の異動先の公募さえ出ていない状況でした。さすがにこんな人生はくたびれますので、今回は、発表の後も暫くゆっくり今の職場で仕事をするつもりでおります。
今回の演題は一見ふざけているようにお感じになるかも知れませんが、今回の発表の趣旨を端的に表現してみました。実を申しますと、2001年1月27日(第259回)で発表した「社会心理学者、コミュニケーション学部に潜入す」の続編です。このときは、事実上合衆国にしか存在しないディシプリンであるコミュニケーション学なんかの学位なんて取って帰ってきて、一体どうするんだろうという不安でいっぱいでした。 さてその4年半後、日本社会への適応への念願叶い、前任の高知大学では13年ぶりの社会心理学者として認定心理士のカリキュラムを支えることになりました。しかし、役目として学部学生に教えなければならないことと自分の学際的な関心との乖離が次第に苦痛に感じるように参りましたので、12年余りの後、自分の研究フィールドである医療現場に直結した職場に移りました。ここでは、対人関係や情報伝達・合意形成の問題に取り組む人文社会科学なら、真っ当な学位でさえあればディシプリン不問で歓迎されます。看護師・助産師・保健師の教育では、私の本来の研究テーマである恋愛などの親しい対人関係の知識でも「実学」扱いにしてもらえる安心感もあります。
そんな訳で、「対人援助コミュニケーション学」なる大げさな看板を今年度から掲げ、KSPでも過去2回発表させて戴きましたグリーフケア(悲嘆ケア)を含めて、対人関係のコミュニケーションをさまざまな学問分野から考えてもらう修士課程の専門科目も始めました。今年の大学院生にいちばん印象深かったトピックを訊いてみますと、全員が社会言語学のポライトネス理論を挙げました。社会心理学では愛知学院大学の岡本真一郎先生が取り組んでいらっしゃいますが、普通の「心理学」の授業ではなかなか紹介できない理論です。学際性が歓迎される部局に移るとこういう授業ができます。
せっかく「本籍地」の心理学に「出戻った」のに、何だか居心地が悪くなってコミュニケーション学に「戻る」ということを致しましたので、対人関係の発達や対人援助の諸問題を軸に、改めて「コミュニケーション学」なる学際学とは何かを説明してみたいと思います。これはKSPの最初の発表の後にナカニシヤ出版の編集部の宍倉由高さんから戴いたまま、17年経っても未提出の宿題でもあります。いや、そんなことなら別に「心理学」のままでも十分できるだろうとか、いっそ社会学や言語学や文芸批評に移ったらどうだといった、いろんなつっこみをして戴けたら助かります。学
会ロードでお疲れでしょうから、「頭の整理体操」代わりに使って戴ければ幸いです。
【懇親会】 研究会終了後,18時頃に懇親会 (会費制) を開催する心づもりでおります。場所は会場周辺を予定しております。恐れ入りますが参加される方は9月21日までに、増田宛(masuda@wakayama-med.ac.jp)にその旨ご連絡をお願い申し上げます。
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今後のKSPの予定です。
10月27日 金政祐司先生 (追手門学院大学)
11月10日 稲葉美里先生 (関西大学)
12月8日 鹿子木康弘先生(追手門学院大学)