KSP441st

Post date: Jan 7, 2017 10:04:23 PM

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第441回KSP(関西社会心理学研究会)/第12回KG-RCSPセミナーのお知らせ

2017年2月のKSP例会を下記のとおり開催いたします.

今回は,関西学院大学社会心理学センターKG-RCSPセミナーとの共催です.

多くの皆様にご参加いただけますよう,お願い申し上げます.

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【日時】2017年2月11日(土)14:00~17:00ごろ

【場所】関西学院大学 大阪梅田キャンパス 14階 1405教室

アクセス:http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/access/index.html

※阪急「梅田」駅の近くです.西宮キャンパスではございませんので,ご注意ください.

【講演者】山本隆博(シャープエレクトロニクスマーケティング株式会社・シャープ公式ツイッター @SHARP_JP 運営者)

【ファシリテイター】三浦麻子(関西学院大学文学部・関西学院大学社会心理学研究センター

【前説】

今回はいつものKSPとはやや趣向を変えて,企業のSNS広報の最前線にいらっしゃる山本さんから話題提供をいただき,三浦が議論のファシリテイターを務めさせていただきます.

山本さんは,シャープ公式ツイッターアカウント@SHARP_JP の運営にほぼお一人で関与して来られ,34万人近いフォロワーを獲得しています.山本さんと三浦は,毎日新聞の取材記事 に三浦がコメントを寄せたことがきっかけでツイッター上でつながり,交流が始まりました.

直接お目にかかった折に,日々どんなことを考えながら公式アカウントとしてのツイートを投稿しておられるかをあれこれと伺い,それらが優れて社会心理学的であることと,個人的には日本社会心理学会広報委員会アカウントを長年運用する中で獲得したSNSへの「広報媒体としての接し方」の肌感覚とぴったり一致したことが強く印象に残り,是非KSPでご講演いただこうと思い立ちました.

当日は,ツイッターのようなSNSコミュニケーションにおける炎上と共感の拡散という,一見正反対の,しかし「強い感情の共有」であることは通底した現象について,企業広報という切り口から,山本さんからご紹介いただく事例に三浦が適宜合いの手と混ぜっ返しを入れつつ,フロアの皆様と社会心理学的な考察を深めることができればと考えています.

【発表題目】企業コミュニケーションの現状と、ソーシャル時代の共感のつくり方

【発表概要】

ツイッターやフェイスブックなど、企業がソーシャルアカウントを持ち、自ら情報を発信することはいまや珍しいことでなくなりました。一方で、企業のソーシャルアカウントの発言、もしくは所属する個人の発言をきっかけに、社会的な注目を浴びるケースも後を絶ちません。いわゆる炎上と呼ばれる現象です。

ソーシャルメディアの普及によって、個人同士だけでなく、企業とユーザーが直接コミュニケーションが可能になったこと。それは企業のマーケティング行為においても画期的なことでした。と同時に企業は、ユーザーの声やネットという世間に直接対峙せざるをえなくなったという環境に放り込まれ、いまだ手探りが続けているのかもしれません。

また別の観点から。広告がメディアとしても、マーケティングツールとしても、もはや曲がり角であることが指摘され続けています。テレビ離れとCMが視聴されないこと、紙媒体の終焉、スマホによる情報受容の劇的な変化、一方ネットではキュレーションサイト問題をきっかけに、ウェブメディア自体の信頼性が問われ、そもそもスマホネイティブには、広告そのものが嫌悪される傾向が顕著です。そのような中、企業はいかに広告するか、いかに広告から離れるか、情報をユーザーへ届ける方法そのものに課題を抱えています。

そのような状況の中、電機メーカーのシャープはソーシャルメディア、おもにツイッターにおいて独特の存在感を発揮しています。まるで友だちのようなコミュニケーションスタイルと、企業と個人を行き来するようなふるまいで、多くのフォロワーを広告に頼ることなく、有機的に獲得してきました。そして衆知の通り、その過程には、会社の経営危機と買収という、企業ブランドにとっては一般に逆風とされる紆余曲折の中、ユーザーから共感を獲得してきたという特異な背景もあります。

今回の発表では、5年にわたるシャープのツイッターアカウントのさまざまな実例と、そこから得た知見や仮説、またネットにむきあう際の企業のふるまい方を、とかく注目されがちな炎上的ネガティブ面と、共感装置としてのポジティブ面などを概観しつつ、ていねいにお話しできればと考えています。

【発表者のプロフィール】

山本隆博 シャープエレクトロニクスマーケティング株式会社 総合プロモーション部

フォロワー数33万を越える、シャープ公式ツイッター @SHARP_JP の中の人(運営者)。長らくシャープの宣伝部門にて、アクオスなどのTVCMをはじめ、マス広告の制作を担当後、流れ流れてSNSアカウントの運営をスタート。手探りではじめたものの、時にゆるいと称されるツイートで、ニュースやまとめ記事になることが日常となる。現在もwebプロモーションの企画やユーザーとのファンベース施策と並行し、ネット上でユーザーとの交流を続けている。2014年大阪コピーライターズクラブ最高新人賞。突破クリエイティブアワード2015 審査員特別賞。中の人擬人化マンガ「シャープさんとタニタくん」コミックス2巻もまもなく発売されます。

【懇親会】

阪急「梅田」駅周辺で,18時ごろから懇親会を開きます(会費制).※懇親会の申込は締め切らせていただきました※

※研究会への参加は無料で,事前連絡の必要はありません.

【問合せ先】三浦麻子 asarin(at)kwansei.ac.jp