Post date: Jan 23, 2015 11:01:46 PM
みなさま
第419回KSPでは、京都大学大学院教育学研究科の楠見が話題提供をします。
忙しい時期ではありますが、多くの方にお越しいただければ幸いです。
【日時】
2015年2月21日(土) 14:00~17:00頃まで
【発表者】
楠見 孝(京都大学大学院教育学研究科)
【場所】
京都大学吉田キャンパス 教育学部本館1F第一会議室(東側玄関から入り直進,右手)
(土曜日は玄関が施錠されています。13:30-14:00は案内の者が解錠します。14時以降お越しの際は,玄関掲示の携帯番号にお電話ください)
キャンパスマップ・アクセス http://www.educ.kyoto-u.ac.jp/visitors/acces/
【発表題目】
放射能リスク認知に及ぼす対立情報の統合過程と情報源の信頼度評価: 被災地,首都圏,関西圏の比較と時間的推移の検討
【概要】
福島第1原発事故による食品放射能リスク認知に関する2つの共同研究の成果を報告します。
研究1では,被災地,首都圏,関西圏の1700人の市民対象の半年後から3年後までの4波調査をおこないました。市民の食品放射能リスク認知は,福島第1原発からの距離(被災県>首都圏>関西圏)と時間的推移(震災6ヶ月後>1年後>2年後>3年後)による低下がありました。同様のパタンは,放射能リスクに関する批判的で能動的な情報収集や,夫婦や子どもと放射能について話す時間についても見られました。また,放射能に関する情報源の信頼性評価は,とくに被災地における行政や政府への信頼度が低く,2年後から3年後にかけて若干上昇しましたが中点のレベルには達していないことがわかりました(楠見・三浦・小倉,2011,2012ほか)。
研究2では,被災地,首都圏の1800人の市民対象のインターネット実験を震災2年後と3年後におこないました。低線量の放射能について,危険-安全の対立情報を片面,両面提示で比較しました。その結果,危険-安全の両方の情報を受け取ることは,提示方法にかかわらずリスク認知とその確信度評価が低下すること。片面危険情報は,両面情報よりも,理解しやすく,信頼度が高く,情報は統合されずに,事前態度に近い情報が利用されやすいことがわかりました(楠見・平山・嘉志摩, 2013,2014)。
以上のような結果に基づいて、放射能リスクコミュニケーションの方法,批判的思考とメディアリテラシーの重要性について考察します。
参加者の皆さんからご意見を頂ければと幸いです。
【懇親会】
研究会終了後、京おばんさい「路地もん選果:おむら家」(百万遍交差点・西北)で,懇親会を開きます(17時半から20時まで,会費4000円くらい)。
懇親会参加希望の方は、前日までにkusumi(at)educ.kyoto-u.ac.jpまでご連絡をいただけますと幸いです。
***************************************************************************
今後のKSPの予定です。
3月28日(土) 島田 貴仁先生(科学警察研究所)
4月18日(土) 小森めぐみ先生(四天王寺大学)
5月 Adam Randall Smith先生(神戸大学)
KSP(関西社会心理学研究会) https://sites.google.com/site/kansaisocpsy/
****************************************************************************