ご挨拶

本研究会の目的は、低侵襲治療法として将来の発展が期待されている超音波治療に関して、基礎的、臨床的研究をすすめ、もって国民の健康増進と福祉の増進に寄与することであります。日本超音波治療研究会は、福岡で第2回国際超音波治療学会が開催されたのをきっかけに、平成13年4月に、福岡大学立花教授、東京大学松本教授、東北大学梅村教授らが中心となって基礎系の研究者を中心に結成されました。この日本超音波治療研究会の結成により、日本の超音波治療に関する基礎研究は飛躍的に発展し、世界をリードするレベルに達してきました。一方臨床面でも、超音波治療装置が先駆的施設に導入されはじめ、乳腺、子宮、肝臓、前立腺などでの臨床応用が始まりました。2006年8月にOxfordで開催された第6回国際超音波治療学会では170演題中25題が日本からの演題で、そのうち9演題が臨床からのものでした。超音波治療に関して基礎と臨床の研究者が一堂に会して、日本の優れた基礎研究を臨床に繋ぎ、日本から世界に向けて発信していきたいとの機運が盛り上がってきました。そのような中、2007年11月10日に千葉県がんセンターが主催した、千葉国際がんシンポジウム・New Era of Innovative Cancer Treatmentの中で特別講演をしていただいた、世界的超音波治療研究の第一人者であり第6回国際超音波治療学会の会長であったRoyal Marsden Hospital のGail ter Harr先生の来日を機に、基礎研究者と臨床研究者を一堂に会する新たな研究会として発展を遂げようという気運が高まりました。

2007年11月17日に、日本超音波治療研究会会長の福岡大学の立花克郎教授と千葉県がんセンターの竜 崇正が協力して、超音波治療推進研究会を開催し、基礎と臨床の研究者10数名による学術発表を含めた学術会議を主催し、80名の参加を得ました。この時の日本超音波治療研究会世話人役員会に臨床側の研究者も世話人としての参加が認められ、この世話人会において、超音波治療推進研究会を第6回日本超音波治療研究会とすること、また日本超音波治療研究会の英語表記をJapanese Society for Therapeutic Ultrasound (JSTU)と改めることが決定されました。国際超音波治療学会International Society for Therapeutic Ultrasound (ISTU)と連携を強めていく組織として新たな発展を遂げることとなったのです。

第7回日本超音波治療研究会は「超音波治療の基礎と臨床への展開」をテーマとして開催いたします。基礎と臨床が力を結集し超音波治療を日本から世界標準にすべく発展を遂げるスタートなる大事な研究会であります。

第7回日本超音波治療研究会

当番世話人 竜 崇正(千葉県がんセンター長)