大湊誠武会 道場訓
平成二四年四月より
自 耕
竹刀は、刀である。なので弦のある側で打っても一本とはならない。弦の張ってある方に刃はついていないからである。
ならば、竹刀を操作して行う「剣道」は、「剣道」ではなくて「刀道」で良さそうである。
なぜ、「刀道」とは言わないのか。
刀はかつて、両刃の「剣」であった。構えると、一方の刃は相手を向いているが、もう片方は必ず己の方を向いている。
相手に向いている刃を「他耕の剣」、自分に向いている刃を「自耕の剣」という。
相手との真剣勝負を通して、相手そして己が互いに高まることが、大切である。
よって、「刀道」と言わず、「剣道」という。 相手を打つことばかりになり、自らに向けられた刃を忘れてはならない。
まずは、自分の心と体を耕すことである。