隠れファンだった皆さん、お待たせしました。ここに復活です。
若干の手直しがあるのをご容赦ください。
独断と偏見、勝手気侭なリヴュ-のページです。
Nummer Kymmenen(10) dec. 2011
フィンランドの指揮者で、今年いっぱいフィンランドはトゥルク・フィルハーモニー(トゥルク市管弦楽団)のシェフ
Petri Sakari さん。今年いっぱいでその席をサンタクロース、あるいは(外見的に)ブラームスさんことReif Segerstam さんに
その席を譲ります。Sakari さんが何年か前にBBC Music Magazin のインタヴューで言っていた
ブルックナーの全交響曲の計画は、頓挫してしまうのでしょうか。
ファンの方々も、そうじゃぁない方々も、いずれにせよ、もう少し待ってみなきゃぁいけないみたいですね。
Numero ni(9) aug. 2011
En Saga 七重奏版!!!
そういう“お話”があってもいいじゃぁないですか。
コンサート・シーズンが始まる前のウォーミング・アップに。
暑い夜に。
物足りない感じもまた七重奏版ならでは。
くわしくはこちら。
Nummer kähdeksän(8) apr. 2011
シベリウスの交響曲集の2つの新しいレコーディング。
小生はまだ食指が動かないんですが・・・
ひとつは、ラハティ交響楽団、オッコ・カム(Okko Kamu)指揮による録音。
セッションはもう終わっています。
もうひとつは、ミネソタ管弦楽団、オスモ・ヴァンスカ(Osmo Vänskä)による録音。
どういう響きがするんだろうなぁ・・・・
手元には置かないかもしれないけど、聴いてはみたいなぁ。
Nummer syv(7) feb. 2011
あれは、こっちの学校の3年目でしたか。レコーディングセッションに参加しました。
学校の演奏系の学部と、音楽、音響技術の学部による、総合音楽学部みたいなのが広報宣伝用のCD作成のためのセッションでした。
その1年後、2005年9月、小生が、コペンハーゲンのデンマーク王立音楽院に交換留学中に発売になりました。
当時、10€ だったそうですが、今は、5€ だそうです。在庫がなくなったら、廃盤です。再プレスしませんから。
シベリウスの有名どころを押さえたディスクになっていて、何曲か、オルガンと一緒に演奏されています。
お問い合わせ、お求めは、コンタクトContactのページからどうぞ。
PSCD - 05
Potentia Sinfonica(orchestar of Fuculty of Music of Lahti Polytechnic) dir. Esa Heikkilä
J. Sibelius : Finlandia, Karelia Suite, Spring Song, etc...
Numero kuusi(6) jun.2004
Moi!
フィンランドから発信する「光通信」の第2弾も欲張り企画です。前回 (Newsletter No.52) はCD2枚の紹介でしたが、今回は2部構成にして、CDの紹介と、得がたい経験のことをお話しします。
まずは、筆者近況……これについては、2003年10月19日付の "in brief" をご覧ください。
というところで第1部。
今回のおすすめは、レイフ・セーゲルスタムがデンマーク国立交響楽団 (DR) を指揮したマーラーの交響曲第5番です (Chandos CHAN9403)。--- 現在は、オンライン販売だけみたいですねぇ・・・ ---
え? マーラー? 小生の中で何が起きたのか、どんな変化があったのかについては調査中。ま、とにかく今回はグスタフ・マーラーです。
セーゲルスタムのマーラーというと、第10番 (デリック・クック版) を、以前、ヘルシンキ・フィルのコンサートで聴いたことがあります。オーケストラは違いますが、そのときの演奏と DR のこの録音には、ある共通点があると思っています。つまり、マーラーのシンフォニーを北欧のプレーヤーたちが演奏すると、何とも言えない透明感、浮遊感が あることです。どこか、さわやか。そういう感じがするマーラーの演奏や録音って、“フリーク”には好まれないかもしれませんが。
どうしてこんなことになるのか。指揮がセーゲルスタムだからか? 指揮者の感覚ということもあるでしょう。でも、北欧のオーケストラ、プレーヤーたちの音感の要素のほうが大きいと、小生は思います。ひとつの例として、tuubisti 的に言うと、(録音当時の)DR の tuubisti、イェンス・ビョアン=ラーセン Jens Bjørn-Larsen の音のことが挙げられます。イェンスは、ジュネーブ・コンクール (1991年) のテューバ部門で第1位になった、デンマーク指折りの tuubisti です。R・ヴィルヘルムのテューバ小協奏曲 (Rondo RCD8331) やヴァウン・ホルムボーのテューバ協奏曲 (BIS CD802) など、イェンスのソロが聴けるディスクがあるので、「ああ、あの人?」という方がいらっしゃれば嬉しいのですが。
イェンスのテューバのように、金管楽器が、強烈な、といっても聴き手を殴るのではなく、包み込む感じの音をもっている北欧のオケのマーラー。この感じを味わってみてください。
ここまでが第1部です。
"in brief" は、もうお読みになりましたか? 第2部が、いっそうお楽しみいただけます。
第2部は、ラハティ交響楽団 Sinfonia Lahti 出演リポートです。演奏会評ではなく、あくまで出演報告ですから。
リハーサル初日。「オハヨーゴザイマス」。オケの最後列 (トランペット、トロンボーン、テューバ) で日本語のあいさつが交わされ、リハーサルに入ります。《幻想》の全体を通してから、第4楽章、第5楽章、第1楽章の練習というスケジュール。小生は、まず第2テューバを吹き、“通し”が終わった後は第1テューバです。何を緊張したのか、まわりの音が聞こえない。耳が悪いのか? 隣から、友人のハッリ・リドスレ Harri Lidsle が細かくダメ出しをしてきます。
日本では教えてくれない“セクションルール”。理屈ではわかっていても、実践となると……。こういうことを外国語でズバっと言われるとへこんでしまうけど、そんなヒマはありません。このダメ出しは今後の糧になります。いや、糧にします。
翌日は出番なし。リハーサル会場にも行きませんでした。
3日目、このリハでも第1テューバ。こんどは、まわりの音も聞こえるようになりました。けど、1回通したら、もう第2テューバ……ちなみに、本番では第2を吹きました。
こんなことを言っちゃいけないんだろうけど、個人的には、これまでのリハーサルのほうが楽しかったっていうのがあります。だって、たくさん吹けたから。
演奏会当日は、プログラム順に練習が進められます。前日までと同じく、空き時間は開場の客席から見学です。
そんなときに思ったのは、「Sinfonia Lahti って、いいオケだなァ」ということでした。そりゃ、毎回のリハーサルがコンサートと同じ会場でできれば、オーケストラも上達しますって。このシベリウスホール、音響のよさはフィンランドでも有名です。
おもしろいのは、このホールは、客席でコンサートを聴いているときと、プレーヤーとしてステージにいるとき、それもリハーサルと、客席が聴衆で埋まった本番とでは、ぜんぶ違った表情の響きがすることです。そんなホールなんです。ヴァイオリン・セクションで演奏した友人 (学友) も、“聴くとき”と“演奏するとき”で聞こえ方が違ったって言ってたっけ。
ステージじゃなくて、客席で響いている音を聴くことができる客観的な耳が必要だ、と熱く語った素敵な先生が広島にいたよなあ、たしか。
さ、いざ本番。
Harri から frakki (燕尾服) を借りて、「馬子にも衣装」 です……。そして、しばらく待機。
第4楽章までの時間の長かったこと。その間、オケの熱気を感じたり、音楽に聴き入ったり、客席の友人を捜したり……。コンサートでステージにあがってる時って、そんなものなんです。
第5楽章、吹いている間は、とにかく楽しかった。"Dies irae" の旋律……惚れ込んだオケのメンバーとして吹いたこと、最初のフィンランド人の友人 Harri と吹いたこと、シベリウスホールに響き渡った音のこと。それを忘れることはないでしょう。
《幻想》の後はカーテンコール。オペラじゃないので“カーテン”が適切かどうかはわかりませんが、まあ、指揮者がプレーヤーを立たせる、あれです。まず、第3楽章で off-stage のコールアングレを吹いた oboisti を呼び寄せて……中略……最後は第2ヴァイオリン。
会場のほとんどの人、もちろんオケのメンバーも、「何で?」って思ったみたいです。だけど、今回のフリボー (指揮者のことです) エサ・ヘイッキラ Esa Heikkilä は、ここのオケの第2ヴァイオリン首席奏者(当時)。そのことを思い出すと、みんなの表情が、最初の“?”からスマイルに。
このコンサートは、エサにとっては大事なイベントでした。詳しく調べてないので明言できませんが、このコンサートが、シベリウス・アカデミーの指揮科で勉強するエサのディプロマ試験でもあったと思います。
コンサートの後は、風邪をひかないように、消毒をしに行きました。どこへ? 気に入りのパブがあるんです。
このコンサートが終わって2日間ほどは、ボーっとしていま した。でも、その後は、学校のオーケストラのスペインへの演奏旅行が待っています。その前に壮行演奏会。ちょっと忙しくなります。ちょうど季節の変わり目 にあたるけど、風邪をひいている暇はありません。ということで、喉の消毒に出かけることが多くなりました。ちなみにフィンランドは最近、アルコール飲料の 価格が下がりました。ラハティの街には今日も酔っぱらいがたくさん……。
Sinfonia Lahti! 心に残る演奏を約束してくれる素敵なオーケストラ。2003年10月、東京での《クッレルヴォ》コンサートのこと、各地からかけつけた聴衆のことは、Harri や、コンサートマスターのヤーコ・クーシスト、指揮者のオスモ (ヴァンスカ) も、温かい思い出として語ってくれます。
“記録よりも記憶に残る演奏”をするオーケストラ。CDしか聴いたことのないあなた、次の来日公演は2006年です。
はじめてラハティ交響楽団のステージで演奏した次の週、隣の悪友 Harri Lidsle が一言、言ってくれました。"Kiitos viimeisesta!" -- 先週は、ありがとう! これも“記憶に残る”一言……。
いかがでしたでしょうか、今回の欲張り企画? ご意見、ご感想もお待ちしています。
ではまた次の機会に。Nähdään silloin!
Numero 5 feb. 2003
太陽が顔を出している時間が日に日に長くなっています。いかがお過ごしでしょうか?
全国 1206人の光通信ファンのみなさん、たいへん長い間お待たせしました。今回からは、海の外よりお送りします。
私事ですが、現在、音楽のためにとても素晴らしい環境で暮らしています。CDを聴いたり、コンサートに行ったりしますが、それよりも演奏や鍛錬に重点を置いています。
そこで、おすすめしたいCDを。
まず、ラハティ・ブラスクインテットの "Tango Nuovo" です (LBQCD-1)。 作曲家ルイス・パスケットにスポットをあてたアルバムになっていて、パスケット氏自身もピアニストとして演奏に参加しています。彼のピアノ演奏は、力が 入ってなくて、いい意味で灰汁が抜けて、何というか、無色透明な響きをもっています。彼の年齢を見ると、また驚きます。本当に1917年生まれ? 一度お 会いしたことがあります。
このアルバムで演奏されている曲のほとんど が、ブラスクインテットとピアノという編成のために書かれています。「金管楽器が集まったら、ただうるさいだけでしょ?」と思っている人に、ぜひこれを聴 いてもらいたい。それまで聴いたことがないくらい、繊細で、しっとりした響きで、「これが金管五重奏?」というショックを受けるはずです。そして、本物の 金管楽器のあたたかさが感じられるでしょう。
最後に収録されている曲は、ブラスクインテット、ピアノ、アルトサックスという編成で演奏されます。ご存じのとおり、サックスは木管楽器ですが、金管楽器によくなじみます (管体が金属だからかな?)。余談ですが、トランペット2、トロンボーン1、テューバ1、サックス1 (たぶんホルンの代わり) という5人組が演奏しているのをヘルシンキの街角で見たことがあります。
サックスというと、“とかく” 言われるようですが、このディスクのサックスは、素敵に裏切ってくれます。角のまったくない響きのする演奏で、ジャズでも演歌でもなく、“クラシック音楽” というジャンルのサックスです。どこか上品な感じなんです。
今回は欲張って、もう1枚。
ポテンティア・シンフォニカ、カレヴィ・キヴィニエミのオルガン、エサ・ヘイッキラ指揮、プーランクのオルガン協奏曲とサン=サーンスの交響曲第3番です (MILS 0287)。オケと指揮者の紹介は Newsletter No.51 を参照していただくとして、この演奏は、オケも指揮者も若手だからなのか、新鮮な響きがします。小生は、このオケからいろんなことを感じとっています。
このアルバムの録音はラハティ (フィンランド) の Ristinkirkko (十字架教会) で行われました。当然、そこのオルガンが使われたわけです。この録音でも、その教会の臨場感に触れること、味わうことはできます。でも、やっぱりライヴであのオルガン、聴いてほしいな。
さっき、“海の外から” って言いました。どこからなんでしょうね。1枚目に紹介した7人のプレーヤーといつでも握手できて、2つ目のディスクのオケで演奏できるという、“音楽のためにとても素晴らしい環境” です。去年は、ちょっとカゼをひいてしまいました。
最後に現地情報をひとつ。2003年6月、ラウタヴァーラの新作、“クラリネット協奏曲” が初演されます。この演奏会については、2003年春のシーズン予定として、ヘルシンキ・フィルから正式な発表がありました。詳細はヘルシンキ・フィルのウェブページにあるはずです。
ソロイストはリチャード・ストルツマン。ジャズっぽい感じになるのかな? ラウタヴァーラの Jazz? まあ、楽しみに待ちましょう。一緒に聴きに行きませんか、フィンランディアホールへ?
さあて、今日も練習して、それからコンサートに出かけよっと。
そうそう、学校の主催でプッチーニのオペラ《ジャンニ・スキッキ》の公演がありました。イタリア物の慣例どおり、バストロンボーンはテューバで演奏されました。誰が吹いたって? ご想像にまかせます。
じゃあ、みなさん、またの機会に。Moikka!
nr.4 oct. 2001
緊急タイアップ企画!
21世紀最初の芸術の秋。みなさんはどのようにお過ごしですか?
えー、小生が自分の足で探し、アポイントメントなしで Ondine Inc. を訪ねて仕入れた情報の CD、Rautavaara: Symphony No.8 - The Journey - がフィンランドで発売になったようです。
日本の28万人のラウタヴァーラ・ファンのみなさん、もう少しだけお待ちください。
小生がこの曲を live で聴いたのは、2001年5月23日のことでした。ヘルシンキ・フィルハーモニックの定期演奏会です。
その日は、Symphony No.8 のフィンランド初演ということで、会場のフィンランディアホールは騒然としていた気がします。開演前に、フィンランド語、スウェーデン語、英語で書かれたその日のパンフレット (10マルッカ) を買って読み、ちょっとだけ予備知識を入れて臨みました (ネット上のフィラデルフィア、サヴァリッシュの演奏は聴いていなかったので)。
演奏を聴いて、まず思ったのは、第7番の Symphony との違いがあまりない感じ。ということで、交響曲作家として行き詰まったかな?という印象を受けました。その前の週に聴いた、これもヘルシンキ・フィルとセーゲルスタムによるマーラーの第10番 (デリック・クック版の全曲) の、ふわっとした感じの演奏と、ラウタヴァーラ節が頭の中で入り乱れてしまって……。
そして、パンフレットに載っていた “人生の旅、云々” という言葉を思い出したためか、マーラーやブルックナーとは異なった重み……なんていうか、肩にくるというより、ダイレクトにハートにくる重たい曲に聞こえました。
パフォーマンスのクオリティはというと、作曲者が列席していたからか、少し引き締まった感じでした (ついでに言うと、その後に演奏されたフランクの Symphony も、肩の力がぬけて (?)、いい演奏でしたよ)。生ラウタヴァーラも拝むことができました。身長はセーゲルスタムよりも高いんです……。
今回のこの録音には、5月23日の live のようなクオリティを求めてはほしくないんですが、いつか live で聴ける日がくることを信じましょう。その時の予習のためにおすすめできる1枚であることは、確かです。
あー、でもラウタヴァーラの第8番の live が…学生券で20マルッカ (約400円) は安い!
追記 今回は、フィンランディアホールのショップで買った、フィンランディアホールをプリントしたTシャツを着て書きました。ちなみに、グレーとネイヴィーの2種類を売っていて、小生が買ったのはネイヴィーです。
いつもご声援をいただきありがとうございます。
nr. 3 jun. 2001
ごぶさたしておりました。久しぶりなので、言いたいことがフィンランドの湖の数のようにありますが、スペースの都合がありますので……。
先日(2001年5月)、ちょっと用事があってスオミに行ってきました。そして、色々な演奏会、オペラに浸ってきました。なかでも、エイノユハニ・ラウタヴァーラの交響曲第8番は、フィンランド初演に立ち会うことができたのはラッキーでした。ヘルシンギン・カウプンギンオルケストリ、ライフ・セーゲルスタムで録音も終わっています。
現地情報では、日本での発売は今秋、9月か10月だそうです。オンディーヌからの発売です。
この情報は、小生の足で集めた情報なので、信じて下さい。実際に Ondine Oy に (アポなしで) 行って、聞いたんですから。
ここで、前回の予告どおりに話題を変えましょう。Do you remember?
ティーゲル、いやテューバの deep な世界でしたね。
まず、これ。Caprice の "Michael Lind the Virtuoso Tuba" (CAP21493) ですね。このディスクを聴けば、テューバも、歌って、踊れて、絵になる楽器だということがご理解いただけます、かならず。スウェーデンで活躍した作曲家たちの作品と、R・ヴォーン・ウィリアムズのコンチェルト。オケと指揮者は豪華な顔ぶれです。
それから、Michael Lind の演奏が聴ける Aurora "Norwegian Concertos" (ACD1976) もおすすめ。T・マドセンのコンチェルトがとても楽しいんです。このディスクでは、スタヴァンゲル交響楽団とA・ドミトリーエフの演奏で「シベリウスの “交響曲第2番”?」が聴けます。詳細はブックレットで。
それでは、また次回。
nr.2 dec. 2000
出し汁の色が麺に移るくらいの、うどんと焼きハゼのお雑煮がいとおしくなっている小生の今日このごろ。みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
さて、前回の“ハルサイ”の反響が大きかったので、今回もCDを1枚。こんどはラーシュ・ベンストープ指揮、ヨーテボリ交響楽団によるスヴェン=エーリク・ユーハンソンの《クマのプーさん》です。
「この曲は、ファゴット (プー) とテューバ (虎のティーゲル) が主役というオーケストレーションがとても奇抜です」 (ブックレットより)。“ティーゲル、森へ朝ごはんを食べに行く”というエピソードが基になっていて、曲の内容にあわせてナレーションがついています。ナ レーターのユンクヴィストが「クマのプーさん」の物語を提案して、作曲者自身がこのエピソードを選んだんだそうです。
ちなみに小生は、このお話の内容を知らないんです。ですが、ジャケットとお話のタイトルを見ると、なんとなく理解はできます。ナレーションをじっくり、注意深く聴けば、もっと理解できるでしょう。いつか日本で live で聴いたみたいと思っています。でもですね、とても困難です。多分。‘なーんでか? それはね’(←堺すすむ風に)ナレーションがスウェーデン語だから! そのうえ、ナレーターは歌える人じゃないといけないんです。ヨーテボリまで行って、子供のためのコンサートに出くわせば、この音楽に Live で触れることができるかもしれませんね。
このディスクには《魔法使いの弟子》も、ナレーション(スウェーデン語)入りとナレーションなしのヴァージョンで収録されています。どちらのヴァージョ ンも演奏のクオリティは、もちろん一緒です。ウォルト・ディズニーの「ファンタジア」をご覧になったことのある方なら、ナレーション付きのヴァージョンが より一層お楽しみになれるでしょう。
次回 (が、あれば) は、ティッゲル、いやテューバの世界 (おと) にどっぷり浸っていただく予定です。
参考ディスク
BIS CD259 クマのプーさん
スヴェン=エーリク・ユーハンソン (1919-1997) 交響的物語《熊のプーさん》
ポール・デュカース (1865-1935) 交響的スケルツォ《魔法使いの弟子》(1897) (スウェーデン語語りつき版、語りなし版)
nov. 2000
みなさん、オケと一緒にノってますか?
ノルディックサウンド広島の所属アーティスト (自称) のひかるです。興味がありましたら、最後までおつきあいください。
Tuba player という仕事ですが、みなさんはどんなイメージをお持ちですか?ホントのところ、この職業、オケの中ではとても楽しいんですよ。ドヴォルジャークの第9番の交響曲の出番の少なさはご存じでしょうか。実は、もっと凄いのがあるんです。彼の《スターバトマーテル》(悲しみの聖母)作品58 という合唱付きの曲がそれです。演奏時間は約95分、tuba の出番はというと、35分過ぎくらいから。約42秒ほど吹いて、“お疲れさまでした”という感じ。
その後、小生はどうしたか。お客様には悪いけど(実際はそんなことはまったく思っていない)、本番中に眠りました。コーラスとオケに囲まれて、ステージの上の特等席で。この曲は、大学のオケのツアー(1998年)で演(や)ったんです。広島、東京、大阪と休みなしの3日連チャンで…。東京のオーチャードホールは、よく眠れましたよ。大阪の日 - ザ・シンフォニーホール - は、35分の間が(前日までの疲れで…)とても眠くて、小生の体がピクッとなったのを見た人がいるかもしれません。
さて、今回の“私のこの一枚”。エールリングがスウェーデン放送のオケを振ったストラヴィンスキーのCDを推薦します。“ハルサイ”は、明確で鮮烈な演奏です。
ところで、“ハルサイ”の第1部 - 大地礼賛 - の6曲目“賢者の行列”の主旋律は、どの楽器を何本使っているかご存じですか? これ、tuba 2本とワーグナー・チューバセクションで演奏されているんです。演奏者たちは、ここぞとばかりにそのメロディを吹いています。このディスクでも、(特に)Tuba players 2人の奏者の熱意が、きっちりとわかります。
と、まあ、こんな角度から見ていただくと、いかに tuba player が楽しいかをわかってもらえると思うのですが…。移動は重労働ですが…(笑)。
参考ディスク BIS CD400 イーゴリ・ストラヴィンスキー (1882-1971) 詩篇交響曲 (1930 rev.1948) バレエ《春の祭典》(1913)