【本事業の概要】

本事業の目的は、女性アスリートが競技を継続する上で重要な他者からのサポートとメンタル状態の関連を明らかにすることであった。アンケートによる主観的評価と生体データを用いた客観的評価を同時に実施することで、より詳細にアスリートのメンタル状態を可視化する。研究対象はオリンピックアスリートを含む20名の女性アスリートで、実証実験の期間は6ヶ月間であった。本事業ではアスリートのメンタル状態を記録するアプリケーションを作成し、対象となるアスリートは、簡易に日々のメンタル状態と支援者からのサポート内容を専用アプリケーション内に記録した。さらに、各アスリートにはメンタル状態を記録するための脳波計測アプリケーションが提供され、主観的・客観的に自身のメンタル状態をモニタリングできるようにした。本事業では、調査および実証実験により得られたデータを解析し、どのようなサポートがメンタル状態の安定や競技継続に寄与するかを明らかにすることを目指した。本研究で得られた結果から、家族や配偶者などから得られるサポートは日々の競技活動継続に対して、ポジティブな結果をもたらしており、またサポートの回数が多いものほど、メンタル状態が安定していることも示された。本研究により、女性アスリートが直面する競技継続におけるメンタル課題に対する即時のフィードバックが可能となり、サポート提供者にも重要な情報が提供されることが期待される。

【主観的調査の概要】

対象者：55名

年齢：33.57歳±9.48（20歳から62歳）

活動時間：1日1時間以上活動する者（8割）