博士課程3年 谷口陽菜実

研究内容

・回転球殻における熱対流(線型安定性解析)

現在、地球は中心部に存在する液体鉄層"外核"が対流をすることで固有磁場を生成・維持しています。その対流の有力な駆動源として、永年冷却の中で核中の鉄が中心から固化をすることに伴う軽元素の放出による"組成対流"が考えられています。さらに現在、他の地球型惑星・衛星においてもこのようなダイナモを持っている惑星があり、具体的には水星とガニメデ(木星の衛星)が知られています。これらの天体も同じく、コア中の組成対流によってダイナモが起こっていると考えられていますが、予想されるダイナモプロセス、さらに生成される対流や磁場は各々の天体で異なっているであろうという計算機シミュレーション結果が得られています。しかし、その各々のプロセスでなぜ各々に対流・磁場が生成されるのか、物理的に説明はされていません。それを解明するため、それぞれの天体で考えられうる組成対流について基本的な理解を行うため、磁場なしの組成対流における線型安定性解析(対流が開始する点を探すような解析)を行っております。