数式エディタでの分数の調整

Wordに搭載されている数式エディタ(Microsoft数式3.0)で「分数」を作成したことがある方は不満に思ったことがあるかもしれませんが,この数式エディタで分数を入力すると,分数の中央の位置が下がり気味で,バランスがとても悪くなります。

例えば,次の式は,数式エディタでFujiwara Mathファミリーを利用した場合です。

なぜこのようになるかというと,欧文中での利用が前提となっているからだと思います。

欧文フォントのプラス(+)やマイナス(-),イコール(=)は,英語圏における欧文フォントのみでの文書において,下がり気味の位置がバランスがよいとされています。

詳しいことは定かではありませんが,掛ける(×)の代わりに小文字のエックス(x)を利用しているケースがあることも含めて考ても,下がり気味のほうがよいでしょう。

例えば,Timesを利用すると,次のようにバランスよく表現されます。

「Fujiwara Math ファミリー」を作るときにも迷いましたが,やはり日本語圏で使用するフォントとしては,和文とのバランスがよいデザインのほうがよいと考えました。

とはいえ,バランスの悪いままもしっくりこないので,数式エディタ内で微調整させます。

まず,左の図のように分数全体を範囲選択した上で,Ctrlキーを押したままカーソルキーの上(↑)を3回押します。すると,分数全体が,上に移動します。(注意:Macの場合は,Ctrlキーではなくcommandキーです。)

分数を保存してWord文書に戻ると,次の図のように,ちょうどよい位置に来ます。

もし,上カーソル3回だとバランスが合わない場合は,2回ないしは4回にしてみてください。また,上カーソルキー(↑)と同様に,下(↓),右(→),左(←)にも動きますので,好きな位置に調整してください。

さらに,分数の中央線から分子・分母の数字までの距離が,やや離れすぎに感じます。

これも,アルファベットの y などのように,ベースラインより下に飛び出すフォントが入力されることを考慮してだと思います。

とはいえ,数字だけの場合だとバランスが悪い気がします。

そんなときは,次のように調整してください。

分子の位置を下げたいときは,左の図のように分子を範囲選択した上で,Ctrlキーを押したままカーソルキーの下(↓)を4回押します。すると,分小が下に移動します。

同様に,分母の位置を上げたいときは,分母を範囲選択した上で,Ctrlキーを押したままカーソルキーの上(↑)を3回押します。すると,分母が上に移動します。

すると,次のようにバランスよくなります。

私は分子は4回,分母は3回の移動にしましたが,好みに合わせて回数を調整していただくとよいかと思います。

そのほか,細かいWordのテクニックはありますが,中学数学においては,まずは分数の微調整を覚えておくとよいでしょう。

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