この数学用フォントを作る理由になったメインのフォントです。
中学数学の計算プリントをMicrosoft Wordで作成するのに便利なフォントになるようにデザインしました。
フォント名:Fujiwara Math ROMAN-italic
1)フォント名の「ROMAN」が,大文字がRoman体であることを意味しています。
2)フォント名の「italic」が,小文字がItalic体であることを意味しています。
基本的なデザインの考えとしては,次のようになっています。
・アルファベットの大文字(A,B,C,…)はRoman体です。
→中学数学では,大文字はRoman体で用いられていることが多いので,Roman体にしました。
また,弧の記号⌒と組み合わせて使用しやすいように,I,M,W以外は,文字幅を揃えています。
・アルファベットの小文字(a,b,c,…)はItalic体です。
→中学数学では,小文字は変数として用いられることが多いので,Italic体にしました。
なお,g,l,x,yは,教科書で使われるようなフォントを意識してデザインしました。
もちろん,単位のmm,cm,m,g,kgなどのRoman体への変換は,手作業でしてください。
(「Fujiwara Math Roman フォント」をご利用ください。)
・数字はRoman体です。
→当たり前ですがItalic体で使用するケースは皆無でしょう。
なお,ルート√との組み合わせを考えて,文字幅は「半角分」で統一しています。
・ギリシャ文字はプロポーショナルフォントです。
→プロポーショナルフォントとは,文字ごとに文字幅が異なるフォントのことです。
例えば,「MS 明朝」が等幅フォントなのに対して,「MS P 明朝」がプロポーショナルフォントです。
(等幅フォントとは,すべての文字の文字幅が同じフォントのことです。)
とはいえ,MS P 明朝であっても,ギリシャ文字については等幅です。
中学数学では「パイπ」を用いることがありますが,全角送りなのでバランスが悪いですよね。
というわけで,プロポーショナルデザインのギリシャ文字を用意しました。
しかし,欧文フォントとして入力できないので,和文で入力したあと,フォントを変更してください。
(「π」を入力したあと,「π」を選択して,フォントを変更してください。)
・算用記号は全角の文字幅です。
→計算式中の算用記号は,全角の文字幅のほうがバランスのよい計算式に仕上がります。
そこで,全角の文字幅になるようにデザインしました。
また,欧文フォントは,ベースラインがアルファベットに合わせて下がり気味になっています。
そこで,和文中に入れてもバランスのよい位置にしました。
+(プラス):半角入力すると下がり気味になるので,バランスよくしました。
-(マイナス):半角入力するとハイフンになるマイナスも,全角の文字幅になるようにしました。
±(プラスマイナス):半角入力できないので,和文入力したあとフォントを変更してください。
=(イコール):半角入力すると下がり気味になるので,バランスよくしました。
×,÷(掛ける,割る):半角入力できないので,和文入力したあとフォントを変更してください。
≒(ニアリーイコール):半角入力できないので,和文入力したあとフォントを変更してください。
≠(ノットイコール):半角入力できないので,和文入力したあとフォントを変更してください。
また,教科書で用いられるような,打ち消し線が左上から右下にくる「キ」のデザインにしました。
:,;(コロン,セミコロン):半角入力すると下がり気味になるので,バランスよくしました。
<,>(より大きい,より小さい):半角入力すると下がり気味になるので,バランスよくしました。
≦,≧(以上,以下):半角入力できないので,和文入力したあとフォントを変更してください。
・括弧類はバランスよく。
→括弧類は,計算式中に入れたときに,数字や算用記号とバランスがよいようにデザインしました。
・ルート「√」,弧「⌒」,アンダーバー「_」,スペース「 」は特別。
→√(ルート)2桁のとき
√(ルート)1桁のとき:スペースを組み合わせください。
全角の文字幅を「1」としたとき,スペースは「4分の1」の幅に設定してあります。
また,数字が「2分の1」の幅に設定してあり,ルート内が全角「1」の幅に設定してあるので,
綺麗な1桁ルートが入力できます。
√(ルート)3桁以上のとき:アンダーバーを組み合わせてください。
4桁目以降は,この操作を繰り返してください。
なお,ルートの中に計算式を入れる場合までは対応していないので,その際は数式エディタを
ご利用ください。
⌒(弧)について
大文字のアルファベットは,⌒(弧)に対応できるような文字幅にしています。
ただし,I,M,Wは⌒と一緒に使うことは少ないと思うので,文字デザインを優先しました。
・その他の記号もバランスよく。
→',"(プライム,ダブルプライム):日本では「ダッシュ」「ツーダッシュ」などと言いますね。
A',A"というように使いますが,もう少し斜めだったらなと思っていたので,斜めにしました。
°(度):半角入力できないので,和文入力したあと変換してください。
和文の「° 」ように,記号の後ろにスペースができないデザインにしています。
/(スラッシュ):欧文のスラッシュよりも,上下に少し飛び出したデザインにしています。
~:(チルダ):日本語で「から」と用いるイメージで,和文デザインにしました。
|(縦線):絶対値の記号としての使用できるように,プロポーショナルフォントにしました。
また,バランスがよいように,少し上下に飛び出させました。
⊥,≡,∽,∠,△(垂直,合同,相似,角,三角):半角入力できないので,和文入力したあとフォント
を変更してください。
平行四辺形:平行四辺形の記号は□(四角)を割り当てています。和文で□を入力してフォントを変更
すると,平行四辺形の記号になります。
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