Part.16

フーリエ級数

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フーリエ級数

今回は,フーリエ級数の形で表現されたものをグラフとして表示してみましょう.

細かい事は抜きにして天下り的に,周期2πを持つ周期関数 u(t) は次の級数の形でかくことができるとします(詳しくはフーリエ解析に関する参考書を見てください).

これを u(t) のフーリエ級数展開と呼びます.ここに,

であります.具体的に u(t) が与えられた場合に(2)の積分を計算し,(1)の形の級数を求める事をフーリエ級数展開するといいます.フーリエ級数展開するには,(2)の積分計算が必要となります.

ここでは具体例としてフーリエ級数展開された結果(1)を例示し,元の関数 u(t) とともに GLSC でグラフとして表示し,それを紙に印刷するという内容について演習を行います.(1)の級数は無限級数ですが実際には無限に足し合わせる事等できません.ある有限個数を足し合わせる事で u(t) を近似します.足し合わせ個数が増えるごとに近似が良くなる事を目で実感しましょう.具体的には,以下の例を実際にやってみます.

ここに示した,2枚目のスライドにある絵を実際に作成し印刷します.つまり,

を例えば,N=5 について画面に表示するプログラムを作成してください.過去に,sin関数など描いてもらいましたが,それと基本的に同じ事であることに気がついてください.

課題1

次の関数を N=5 についてグラフを表示するプログラムを作成せよ.

なお,πは,

#define  PI  (3.1415926)

のように定数として定義するとよい.グラフは,-2π<t<2π について uN(t)を太い実線描き,元の関数を細い破線で描くようにせよ.

ヒント: t に関する繰り返し文(過去に sin(t) 等のグラフを描いたのでわかるであろう.t に関して離散化が必要となる.曲線を折れ線で近似的に描くのであった.)と,Σ部分の繰り返し部が入れ子になった2重の繰り返し文が必要となる.

念のため書いておきますが,(3)は N=5 の場合,次のようになる.

作成したGLSCプログラムを実行すると大体次のようになる.これらの図は,-2π<t<2π を200等分して描いた.N=15 程度でほぼ元の関数と重なっている.

課題2

課題1で作成したプログラムで N を大きくした場合に,元の関数をより良く近似することを視覚的に確認せよ.

課題3

他の周期関数についてもフーリエ級数展開を行い,それをグラフとして表示するプログラムを作成せよ.

周期2Lを持つ周期関数 u(t) は次の級数の形でかくことができます(なぜこうなるかは各人参考書等で確認してください).

ここに,

であります.具体的に u(t) が与えられた場合に(2L)の積分を計算し,(1L)の形の級数を求める事をフーリエ級数展開するといいます.フーリエ級数展開するには,(2L)の積分計算が必要となりますが,それは皆さん得意でしょう.