2016年8月24日
子育ての支援として
ペアレントトレーニングのご紹介
1,ペアレントトレーニング(PT)とは
子育てサークルの延長線上にあるものから、発達障害を意識したもの、さらに虐待防止(家族再生)
に至るまで、さまざまなタイプがあります。
PTとは、
「親が子供に応じた関わり方を身に着けること」で子供の不適応行動を減らし、適応行動を増やすこ
とを目的とした行動療法に基づく集団プログラムなのです。
PTは、UCLA(カルフォルニア大学ロサンゼルス校)のプログラムをもとに国立精神保健研究所と
奈良教育大学において開発されました。
<PTの特長>
・グループならではのサポート機能でストレス軽減
・グループのフォローで親の精神的負担の軽減
・ロールプレイ体験から個人的な現実への対応
2、悪循環の親子関係からプラスの親子関係へ
<例>悪循環の親子関係
・問題行動 ー>困った子だ(手に負えない感) ー>叱責(失敗感) ー>認めてもらえないー>子供の反抗
(自信喪失、意欲低下感) ー>親のイライラ感向上、落ち込むー>問題行動 ー>という流れを繰り返す
<例>プラスの親子関係
・行動の客観的観察 ー>好ましい行動に注目 ー>ほめる(達成感) ー>好ましい行動が増す(問題行動が少
なくなる) ー>子供の自信と意欲が向上する(反抗が少なくなる) ー>親の養育に自信を感じるようになる
(安定を感じる) ー>という流れを繰り返す
ここに、ご紹介するペアレントトレーニングは、この悪循環から抜け出して、プラスの親子関係を目指すプログラムなのです。
3、奈良方式PTプログラムの概要
<注意>
ここに記載する「奈良PTプログラム」は原型として理解していただき自分達に合ったように調整
することを前提と致したいと思います。
1、対象は幼児及び小学生、中学までの子供
・不注意、多動、衝動性が目立つ子供、場面を飲み込むことが苦手な子供。幼児では、未診断で
あっても発達支援が必要であると思われる子供に行われることもある。
<注意>未診断については「発達章がい者支援」にPTが使えるという視点からの考えからくるもので、
もともとは「普通の子供」のためにできたものなので「具体的な子育ての手法」として理解し
ていただければ良いと思います。
2、全体の流れ
・毎回テーマが決まっている
・概ね隔週で計10回行う
・ホームワーク(HW)が必要
3、各回の流れ
・ウォーミングアップ
・前回HWの報告
・レジュメによるテーマ学習
・次回までのHWの説明
・一回約1時間半(調整可能)
4、PTを体験するにあたって
★子供は、本能的に親をモデルとしています。決してお手本としてではありません。特に反抗期には、批判の対象になるのです。子供は、親と社会を批判して、成長していく「目的と目標」を定めるのです。そうなっている状態がうまくいっている「子育ち」といえると思います。「非難」ではありません。「批判」される方は決して楽でない状態ですが、それが普通の親子関係と言って良いと思います。
★その始まりが第一反抗期「幼児期」なのです。そんな頃(胎内)から、子供は親や周囲の人を環境として「本能的」に経験しているのです。
★親がどんな「言葉と態度」で子供と接するかが子供の成長に大きく影響していると私は考えています。親がどんな「考えや感情」で接するか。そういう親の「生き方」が環境として子供には経験させるのです。子供と親が一緒に成長すると考えています。子供は「本能的」に親の後をたどります。親が成長すると共に子供も成長していくのです。「子育ては親育ち子育ち」というのはこの思いを含んでいるのです。