代表世話人ご挨拶

ごあいさつ


近年、ひとつには目覚ましい技術革新のおかげから、安全で低侵襲な医療行為が可能となり、患者さんが多大な恩恵を受けられるようになりました。

特に、経皮的冠動脈形成術においては、薬剤溶出性ステントの登場により、再狭窄などの合併症を劇的に減少させることができました。

また、超音波もしくは近赤外光を用いて血管内側から組織性状を診断するイメージングデバイスの普及、冠動脈バイパス手術件数を超えている現在、冠血行再建術の事実上の第一選択となっています。

これら虚血性心疾患に限らず、不整脈疾患の治療の技術進歩も目覚ましく年々新しいデバイスが導入されています。

今では当たり前となりましたが、MRI検査、遠隔モニタリング、無線交信に対応したペースメーカーなどの植込み型デバイスがその例です。

また、カテーテル・アブレーションは、当初透視下で行われてきたが3次元マッピングシステムの普及により被ばくを低減でき、従来の心内心電図のみでは困難であった不整脈の治療を可能にしました。

これらカテーテル治療は、多種多様なデバイスの取扱いだけでなく、治療ストラテジーに支障をきたさぬよう適正な組合せなどの製品スペックを把握する必要があります。

また、低侵襲とはいえ100%安全である保証はなく重篤な合併症を引き起こすこともあります。そのために、もはや医師のみの力では限界に達し、看護師、放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士などのメディカルスタッフからなるチーム医療が不可欠となっています。

我々メディカルスタッフは、様々な治療ストラテジーに対応できることは勿論、各職種が専門分野の意見を述べられるように、知識と技術を向上しないといけません。

そして、何らかのトラブル発生時に、今どういう状況かを的確に判断し、次を予想して迅速に対応できれば、まさにチーム医療の真骨頂といえるでしょう。

ところで皆さまは、近隣施設について、カテーテル検査・治療の症例数、従事している職種、業務分担などを聞いたことがありますか?

スタッフの名前をご存知でしょうか?本会は、職種の垣根を越え気兼ねない交流の場として、また心臓カテーテル室における知識と技術を学ぶ場として2014年に発足し、毎年12月に広島で開催しております。

講義内容は、各種デバイス、手術手技、患者看護、被ばく、トラブルシューティングなどの基礎から応用まで多岐にわたります。

そして、本会では、遠慮なく活発な意見を述べられるようメディカルスタッフが中心となり企画と運営をしています。

是非、多くのメディカルスタッフの方に参加していただき、施設間での交流を深め、知識と技術を向上させ、そして「チーム医療」をいっしょに目指していきましょう。



CaRPConference 代表世話人 山口 裕司