計算力学的手法による脳動脈瘤コイル塞栓治療支援

研究者 大谷 智仁 

Introduction

脳動脈瘤は頭蓋内にある血管の一部が局所的に膨張したもので，破裂により脳内出血を引き起こす危険な疾患です．この疾患の治療法として，内視鏡手術によりカテーテルを通じて瘤内部に金属製のコイルを挿入し，瘤の内部を塞栓することで瘤の破裂や成長を阻害するコイル塞栓術が，主流な方法となりつつあります．本研究では，計算力学的手法により，コイルが留置された脳動脈瘤内部の血流解析を行い，コイル塞栓術の治療効果を評価する治療支援手法の開発を行うことで，実際の医療へと貢献することを目指しています．

Method

主に有限要素法を用いて，瘤内に留置され複雑に絡み合うコイル形状を表現するための力学モデルの開発や1，コイル塞栓された脳動脈瘤内の血流解析を行い，瘤内に留置されたコイルの量や分布形状が瘤内部の血流動態に与える影響について検討しています2．

Reference

1. Otani et al. Development of a virtual coil model for blood flow simulation in coil-embolized aneurysms. In: Proceedings of the ASME 2013 International Mechanical Engineering Congress & Exposition.; 2013:IMECE2013–64435.

2. Otani et al. Computational fluid dynamics of blood flow in coil-embolized aneurysms: effect of packing density on flow stagnation in an idealized geometry. Med Biol Eng Comput. 2013;51(8):901–10.