社会参加の促進
現在,慢性疾患や特別な支援を要する子どもたちの増加,さらに高齢化が急速に進んでいます.これからの教育・医療・福祉の充実は,国の今後のあり方を大きく左右する重要な課題であると言えます.
では,教育・医療・福祉の充実とは何か? 私たちは,利用者の多様な希望を出来る限り尊重し,利用者一人ひとりの健康的な側面である「できること」に焦点を当てながら,個別的な社会参加を促進することだと考えています.しかし実際の現場では,マンパワーや財源の不足,障がいの改善が重視されるなど,様々な理由によって個別的な社会参加の支援が行われているとは言い難い状況です.
そこで私たちは,リハビリテーションの専門職である作業療法の知識と,ICT(Information and Communication Technology)技術を組み合わせながら,教育・医療・福祉における利用者の個別的な社会参加を促進するために,様々な活動に取り組んできました.たとえば,2011年に教育・医療・福祉の現場において個別的な支援計画を作成するためのiPadアプリケーションであるADOC(エードック)を開発しました.また,支援計画を全世界で共有するためのWebサイト「みんなのリハプラン」などを開設しました.これらのツールを活用しつつ,教育現場では障がいのある子どもたちや就労を目指している高校生たちへ,医療現場では病院に入院または通院している患者たちへ,福祉現場では在宅高齢者などへ,個別的な社会参加を支援してきました.
私たちは,これらの活動をさらに充実させ,世界中の教育・医療・福祉において個別的な社会参加の支援を促進するべく,ここに特定非営利活動法人 ADOC project を設立します.
特定非営利活動法人 ADOC project
設立代表者 上江洲 聖