朝日新聞出版より、「戦略的後悔の表明:心理学が解き明かすネガティブな感情の意外な働き」が出版されます。
お誘いいただいたときは「私なんぞに…?!」とびっくりしましたが、ありがたい機会と思って、執筆させていただきました。結果的に、自分自身の研究や立ち位置を振り返るとても良い機会になりました。編集Fさん、本当にありがとうございました。
まえがきにもある通り、本書は「後悔の復権」をテーマに書かれています。ただ、類似の書籍が「後悔経験によって失敗から学べる」ことを前面に出して「後悔って役に立つよね☆」と主張するのに対し、本書は特に後悔が「人と人とのあいだに現れ、人と人をつなぐ感情である」という側面に注目することに特徴があります。つまり、よくある機能論だけでは捉えられない、社会的動物としてのヒトを構成するために重要な感情である、と主張する立場をとっています。
本書は7章で構成されています。章立ては明確に分かれていて、後悔経験に関する議論を中心とする前半(1-3章)、感情一般の機能に関する議論の幕間(4章)、後悔表明に関する議論を中心とする後半(5-6章)と終章、といった形になっています。3章までは、多分、心理学を学んだことがある人にはお馴染みの議論です。きっとどこかで聞いたことがあると思います。でも、4章と後半については、今の私だから書けた議論だと思っています。
本書における4章の存在は、小宮としては結構重要で、それは小宮が最近とっている「過度な適応主義」への批判的な立場に連なるものでもあるからです。その点、周囲の研究者界隈の皆さんにおかれては、それなりに合点がいく感じがあるかもしれません。気になった方は是非本書をお買い求めください(販促)。
それから、本書見本を読み返して思いましたが、本書の文体はちょっとクセがあります。たぶん私がロマンチストだからなんですが、若干研究者っぽくない文体になってる感じがあります。それが読みやすいか読みにくいかは人によってわかれるかもしれません。そのうち切り出し記事が出るとのことでしたので、気になる人は確認してからお買い求めいただければと思います。文体さえ気にならなければ、2−3時間で読み切れる量だとは思います。
この本が、ほんのちょっとでも皆さんの人生に彩りを添えることになれば幸いです。
2026.9.10
ak
講談社より、「Excelで今すぐはじめる心理統計」(第二版はこちら)が発売されました。
*共著者の布井君(名古屋市立大学)の本紹介ページはこちら。
**清水先生のHADページはこちら。
この本の「はじめに」にも書いていますが、この本は「データが手元にあって今すぐ分析しなくちゃいけない人用向け」の本になっています。
なので、統計勉強用の本ではありません(すみません)。むしろ統計をできるかぎり勉強したくない人向けです(すみませんすみません)。
ポイントとしては、
・統計の基礎な知識 *のみ* をまとめています。
・卒論で使いそうな分析のみに絞って、ExcelマクロのHADの使い方を説明しています。
・心理学研究の手引きにのっとって、結果の報告例の記述もつけてみました。
*ただしあくまで「例」であって、研究室や分野によってお作法が違うところはあると思いますので、利用にはご注意を。
・清水先生のファンブックです。
そんなわけで、統計の授業で使うというよりは、ゼミ・卒論での利用を想定しています。というか、我々がゼミで使うために…ゴニョゴニョ
初学者でもわかりやすいように、分析の流れを最優先して、情報量を落としています。言ってしまえば、「こういうときにはこの呪文を唱えるんだよ」という魔法書みたいなもんです。その是非はともかく、私たちは、いろいろな理由で本書を必要とする人がいると思っています。
統計が苦手な学生の皆さんは、この本を読みながら一通り分析してみてください。そして、「なんでこのときにこの呪文を唱えるんだろう」とか「もっと炎大きくしたいんだけど、高位の呪文ないかな」とか、ふつふつと疑問が湧いてきたら、ぜひ次のステップに進んでください。世の中にはとても素敵な統計の本がいっぱいあります。コレとかコレとかコレとか。
この本が、ほんのちょっとでも皆さんの助けになれば幸いです。
2018.1.28
ak
追記:増刷が決定しました。ありがとうございます!
追記2:第二版が出ました。ありがとうございます!