特別講演

岡田 美智男 氏

豊橋技術科学大学 教授

講演題目

〈弱いロボット〉だからできること


講演 概要

「コミュニケーション研究の道具として、ロボットはどうなのだろう」との思いで、いくつかのロボットと関わってきた。残念ながらロボット技術に関しては、まったくの素人。その拙さにしびれを切らして、子どもたちがロボットの世話をはじめたという光景を目にして、「弱さには積極的な意味があるのではないか」と考えるようになった。以来、ちょっと不完全だけれど、なんだかかわいい、放っておけない、そんな〈弱いロボット〉の研究を20年以上も続けてきた。

本講演では、自らではゴミを拾えないけれど、まわりの子どもたちの手助けを上手に引き出しながら、結果としてゴミを拾い集めてしまう〈ゴミ箱ロボット〉、モジモジしながらティッシュを配ろうとする〈アイ・ボーンズ〉、昔話を語り聞かせようとするも、時々、大切なコトバを物忘れしてしまう〈トーキング・ボーンズ〉など、数多くの〈弱いロボット〉たちを手掛かりに、一種の自律分散システムでもある、人とロボットとのインタラクションやコミュニケーションの様相、その成り立ちについて考えてみたい。


会場:セミナー室203