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2022年翔陵陸上部は新時代を迎えます。監督の高橋先生に話を伺いました。

広報:早速ですが、2022年度より陸上部の監督に就任されての感想をお聞かせください。

高橋:昨年度までは自分が選手だったときの監督が指導をしていました。私はコーチとして陸上部に携わり「翔陵陸上部とはこういうものだ」というのを教えて頂きました。今年度から自分か監督を引き継ぐことになり一番の思いは「温故知新」です。

広報:「温故知新」というと今までのチームで大切にしていたことに+αをしていくということですか?

高橋:大きく変えることはありませんが、チームカラーというのは指導者により変わってくると思っています。私は指導者としては若い?世代なので、まずは明るく活気あるチームにしていきたいと思っています。

広報:練習風景を見ると昨年度までとは何か違う空気感を感じますが?

高橋:今までは淡々黙々と走る練習でしたが、チーム全体で掛け声をかけて自分たちのモチベーションを上げるようにしています。

広報:選手にはどのような指導を行っていますか?

高橋:基本的にはあまり口出しをしません。彼らが自主的に動けるようにサポートしています。

広報:最近の指導で「自主性」「自立」という言葉を耳にしますが?

高橋:「自主性」という言葉は非常に難しい言葉で、一歩間違えれば「自由勝手」「放任」という風に理解されますが、私は「自主性」が生まれるまでにはある程度教えることが大切だと思います。物の考え方や見方など思考方法を指導をしなければそれは指導者が楽をするだけの「生徒の自主性」ということになります。

広報:では1年生の内は結構指導をすることが多いですか?

高橋:そんなことはないです。「自主性」というのは陸上に限ったことではなく、日常生活からも身につけることができるので入学した段階で既に考えることができる選手にはあまり口出しはしません。

広報:選手の日常生活の管理などもされていますか?

高橋:全くしていません!本校は他校にあるような寮があるわけでもないので、学校を出てしまえば管理はできません。本当は食事管理などを行いたいですが…。

広報:高橋先生は常日頃「当たり前基準を高める」ということを大事にしていると伺いました。

高橋:これは私の持論ですが、日常生活での当たり前ができないのに、レースで練習通りの結果を出すことなど高校生には難しいと考えています。

当たり前ができる選手になってほしい

広報:先生の当たり前基準とは?

高橋:まずは挨拶。誰に対してもしっかりと正面を向いて挨拶をすることからです。あとはジャージのたたみ方、シューズの管理の仕方などです。ジャージもシューズも自分のお金で買ったものではありません。親から与えられたものです。ならばそれを大切に使う。現代は物が溢れている時代ですが、その物1つに込められた想いを感じることができれば、他者に対しての行動や言動も変わってきます。自分だけ良ければ良い訳ではありません。そういうことができてはじめて陸上のタイムも変わってきます。タイムが上がってくると、選手の当たり前基準も上がってきます。

広報:他人を考えること。襷を繋ぐ駅伝には大切なことかもしれませんね。

高橋:そうですね。だから本校の練習は我慢や辛抱強さが必要です。自分だけではなくチームで動く以上ある集団に付いていく我慢、遊びたいという気持ちを押し殺して練習するなど、結構我慢を教えることがあるかもしれません(笑)

広報:なんか厳しい練習のようですが、どれぐらいの練習量なんですか?

高橋:1日約12キロ、練習の時間は全体で90分程度です。

広報:意外と短いですね。本校の他の部活や他校のチームと比べても一番練習時間が短いほうですよね?

高橋:量も大切ですが、質を重視しています。メニューとメニューの間にダラダラしたりしゃべったりして時間が過ぎることは時間の無駄です。練習中は常に陸上のことだけを考えていると、ダラダラすることや無駄な会話もなくなります。無駄な会話をしていると、練習中、自分自身と向き合う時間がなくなり、メニューをこなすだけになってしまいます。それは非常にもったいないことです。

広報:そういえば、練習中選手がしゃべったりする様子はないですね。

高橋:例えば同じ12キロを走る上で、色々な場面を想定しながら考えて走る選手になってもらいたいです。そのために練習時間内は陸上のことだけ考えてもらいたいです。

翔陵から世界へ!
箱根駅伝県内最多出場高校

広報:それはやはり高校の試合で勝つためですか?

高橋:高校の試合で勝つことも大切ですが、やはり上のカテゴリー(大学・社会人)で陸上を続けると全国から猛者たちが集まります。もちろん自分よりタイムが上の選手も多いです。その中で成長し続け、試合に出るためには考えるという思考のトレーニングが必要ですので、陸上を思考する癖を高校時代に身につけさせたいです。

広報:2022年の箱根駅伝にも県内最多の4名が本校の卒業生としてエントリーされていましたね。

高橋:県内では最多ですが、全国で見ればまだまだ少ない方です。

広報卒業後はどのような進路になっていますか?

高橋:駒澤大学・順天堂大学・東洋大学・中央大学・創価大学・國學院大学・帝京大学・神奈川大学・国士舘大学・日本体育大学・駿河大学・専修大学・プレス工業・YKK等です。大学を卒業後社会人として選手を続ける選手もいます。国士舘大学から富士通へ行った卒業生もいます。

広報:数多くの卒業生が上のカテゴリーで活躍していますが、日々の練習以外に秘訣はありますか?

高橋:それは企業秘密です(笑)高校で陸上が終わるのではなく、その上のカテゴリーでも活躍したいと思う中学生は練習見学に来てみてください。藤沢翔陵高校は大学付属校でも共学でもありません。それでも先を見据え頑張りたいという中学生は誰でも歓迎します。過去には中学時代野球部の生徒が本校陸上部へ入り、大学へ進学し箱根駅伝で走った生徒もいます。中学時代陸上をやっていてタイムは速くなくても、入部可能です。

広報:企業秘密!是非教えてほしいです。

高橋:教えません。ヒントは「付属校」共学」というキーワードです!本校に興味がある中学生には教えます!

広報:では、最後に目標を教えてください。

高橋:世界征服です(笑)藤沢翔陵高校から世界へ!大学・社会人、そしてオリンピック・世界陸上とより高いレベルで競技を続けられる選手を育成していきます。

広報:県内最多優勝記録更新と今後の卒業生の活躍を期待しています。


広報:生徒募集対策室 日暮 洋平