2025年2月5日~7日 にネパールのカトマンズでSAFE小児麻酔コースが開催されました。イギリスから1名、アメリカから1名、インドから1名、日本から3名のスタッフが参加し、ネパールの麻酔科医26名を対象にコースを実施しました。
本コースはネパール麻酔科学会(Society of Anesthesiologists of Nepal, SAN)とWFSAの支援により実現しました。
ここから少し日記風に今回のネパールの旅を綴ってみたいと思います!
2月3日、スタッフの多くがネパール入り。2月3日の日本からの直行便(ネパール航空便)が機材トラブルでキャンセルとなってしまい、日本人スタッフ2名のネパール入りが翌日2月4日となってしまいました。
ネパールは人口約3000万人、面積14.7万平方キロメートル(北海道の約1.8倍)、首都カトマンズは標高1330メートルという地。2月でも日中は気温20度に迫るほどの暖かさですが、昼夜の寒暖差が大きく、夜間は気温6度程度まで下がります。また非常に乾燥していることもあり、日中も暑いと感じることはありませんでした。
カトマンズは山々に囲まれた盆地で、日本では見られないような高山が間近に迫る景色を楽しめます。
そんなカトマンズで、2月4日に集まったメンバーにより事前準備が行われ、いざ2月5日よりコーススタートです。
今回のコースはトリブバン大学という首都にある最も大きな大学における大学病院の一角で行われました。ネパール各地方から集まった若手麻酔科医たち。皆コースに熱心に参加してくれました。また英語は第二言語だと言いながら、皆が流暢に英語を操り、自分の意見や感想など的確に伝えていました。
2月5日。コース初日はプレテストやレクチャーから始まり、みっちり夕方まで。連日現地の麻酔科医スタッフも10名ほど参加し、活発なディスカッションが行われました。
準備されていた資機材は、日本で使われている各種デバイスとほとんど変わらないものが置かれており、医療技術は十分に高いものと感じました。
終了後、夜は外国から参加のイギリス人、アメリカ人、インド人、日本人3人の計6人でダルバール広場、ネパール語で「宮廷」を意味するという世界遺産を見学。ネパールらしい雰囲気を味わい、散策後は景色の良い屋上テラスのレストランでネパール料理を堪能しました。
ちなみにここでいただいたネパールの代表料理“ダルバート・タルカリ”ですが、カレーやカレー味のスープ、ピクルスやライス、ヨーグルトなどで構成されたプレートで、何とおかわり何度でも無料!
私も1回だけおかわりして、まだまだ続くSAFEコースに向けて栄養補給をしました。
2月6日。コース2日目もインドから参加の先生よるレクチャーから始まり、コースは各論的な内容へ。ディスカッションの中では、麻酔で使用する薬剤や気道管理戦略などで、参加者の中でも意見の相違がみられることがあり、日本との違いやネパール国内での違いというものを実感しました。必ずしも正答が決まっていないことが多い中で、この多様性を直に見聞きできたことは貴重な経験となりました。
セッションの間にはティーブレイクが設けられ、チャイは飲み放題、サンドイッチも提供いただき、それぞれ美味しくいただきました。
午後からはロールプレイを含んだセッションの開始。ロールプレイへの参加も受講生は非常に前向きで、各々どんな役回りを行うのか、講師陣の誘導なしでも自然に決まります。そして各人が役割を全力!!で演技。こうしたロールプレイで盛り上がれるのも、ネパール人の良いところだなと感じました。
2日目も夕方までみっちりセッションが行われました。コース終了後、スタッフは各自行動となったので、私は街の中心部を散策してみました。
カトマンズの移動はタクシーやバイクタクシーが便利で、非常に安価に利用できます(バイクタクシーなら5kmくらいの距離で120円くらい。ただし後部座席はヘルメットなし!)
タメル地区というカトマンズの中心地区でお土産巡りやレストラン探し。値段交渉しながら買い物をするのもこうした異国ならではのこと。ローカルレストランでチョウメン(焼きそば)とモモ(餃子)をいただき、ビールも添えて堪能しました。
ちなみにこのモモ(餃子)は10個で1セットが定番。200〜250円ほどと庶民的な価格で、形や味も日本で食べる餃子と似ていますが、カレーソースがついてくることが特徴です。
2月7日。最終日は外傷のレクチャーからスタート。ロールプレイは相変わらずの活気があり、講師陣もセッション準備やティーブレイク、ランチの過ごしたに慣れてきた様子。
午後には新生児蘇生のコースがあって、参加者はほとんど経験がなくまた今後行うかも分からないと言いながら、皆が手技習得のために質問も交えながら熱心に参加しているのが印象的でした。
コース終了後はまとめの会を行って写真撮影。大学病院内見学も案内していただき、手術室(全8室)や麻酔科医控室なども拝見しました。
その後講師陣は街中のレストランへ移動し、お疲れ様会を行いました。生演奏のある雰囲気の良いレストランで、最終日にふさわしくネパールビールやネパール料理を堪能できました。
今回SAFE小児麻酔コースを通して、小児周術期管理を改めて勉強できたことはもちろん、異文化交流を行い、多くのやり方・考え方に触れられたことはとても貴重な経験となりました。
熱心で活発な議論のできる講師の先生方と、また別の機会にSAFEコースが行われ、そこに参加できることを期待せずにはいられません。