講義ののち、事例検討を行います。最後に総合討論も予定しています。
「支援を必要とする子どもほど、相談室にたどり着けない」
この現実に、精神分析的心理療法はどう応えることができるのでしょうか。
サポチルの理念のモデルでもある英国タヴィストック・クリニックでは、子どもの心理療法士のトレーニングは、観察コースと臨床コースの二段階で構成されています。本セミナーでは、その2段階目にあたる、2010年代に新設された臨床コースPsychological Therapies with Children, Young People and Families (M34) の全体像と、私自身が経験した学校・地域を基盤とするアウトリーチ型の精神分析的実践を紹介します。M34では、精神分析理論を現場で「どう活用するか」を徹底的に学びます。トラウマの神経生理学理論、スクールワークショップ、そして身体的逆転移を捉えるためのマインドフルネス実践など、理論・関係・身体を横断する学びが特徴です。人種・文化・貧困・トラウマと向き合いながら、関係をどう築き、枠組みをどう保つのか。その試行錯誤から得た学びを、日本の臨床現場に引き寄せて考えます。
後半は事例検討を通して、学校・福祉・医療など多様な現場で、精神分析的まなざしをどう保ち、どう応用できるのかを参加者と共に考えます。「日本の現場で生きる実践」へとつなぐ時間にしたいと思います。
参考文献
藤森旭人(2016)小説・漫画・映画・音楽から学ぶ 児童・青年期のこころの理解: 精神力動的な視点から.ミネルヴァ書房
G.ミュージック(著)鵜飼奈津子・藤森旭人(監訳)(2022) トラウマを抱える子どものこころを育むもの : アタッチメント・神経科学・マインドフルネスとの出会い.誠信書房
G.ミュージック(著)鵜飼奈津子・藤森旭人(監訳)(2025)リ・スパーク : トラウマや抑うつを乗り越えて.誠信書房
児童・青年・家族の精神力動的心理療法士(British Psychoanalytic Council登録)。公認心理師 / 臨床心理士 / 博士(医学)。児童養護施設での心理療法士やスクールカウンセラーでの実践を積んだのち渡英。タヴィストック・クリニックの児童部門、Psychological Therapies with Children, Young People and Families (M34)修了。現在、国際医療福祉大学赤坂心理・医療福祉マネジメント学部講師。著書に『小説・漫画・映画・音楽から学ぶ 児童・青年期のこころの理解: 精神力動的な視点から』、監訳書に『トラウマを抱える子どものこころを育むもの:アタッチメント・神経科学・マインドフルネスとの出会い』『リ・スパーク:トラウマや抑うつを乗り越えて』(グレイアム・ミュージック著)などがある。
開催形態 :zoomを利用したオンラインでの開催(会場開催は行いません)
参加対象者:臨床心理士、公認心理師、医師、心理療法に携わっている大学院生・研修生
その他守秘義務を負う専門家資格をお持ちの方
参加費 :サポチル正会員…7,000円、それ以外の方…8,000円
申込期日 :5月末日 *200名先着順
◆講師:ガヴィニオ 重利子氏
◆日時 :2025年7月20日(日)13:00~18:00 講義+事例検討
育む人を育てるメンタライゼーション
親の省察機能 Parental Reflective Functioning (PRF)とは、子どもの行動や言動の背景にある感情、希望、願望などのこころの状態に思いを馳せ、自分自身のこころの状態についても、それが子どもとの間でどのような作用や影響を受けているかについて考えを巡らせることのできる親の力を指します。それは安定的な愛着形成を通して子どもの社会的発達を支え、精神的健康や他者から学ぶ力(信頼)を育みます。現在までに蓄積されてきている研究、メカニズムや理論的概要を振り返りながら、その実践については親支援を中心に、しかしそこには留まらない多職種連携や支援者支援への示唆についても、ぜひご一緒に検討してみたいと思います。児童相談所や養護施設は勿論のこと、学校や病院など「育む人」を支える臨床に従事しておられる皆さまのご参加を、楽しみにお待ちしております。
Graham Music氏の臨床セミナー
虐待、トラウマ、精神分析とマインドフルネス
◆講師:Graham Music氏
◆日時 :2025年12月14日(日)17:00~20:00 講義+事例検討
◆開催形態:zoomを利用したオンラインでの開催(会場開催は行いません)
私たちの出会うクライエントはしばしば、誰にも打ち明けたことのない虐待経験やトラウマを持っています。それらはしばしば体と心を襲う衝撃という形でよみがえり、面接内で立ち会う私たち臨床家も圧倒され、無力感に晒されます。
Graham Music氏はこうした臨床に長年取り組んでこられました。精神分析的心理療法をバックグラウンドにしつつ、発達心理学・脳神経科学、多くの知見を取り入れ、現場での出会いを通して子ども・思春期・青年期の臨床知を発展させてきました。近著では、マインドフルネスについても触れられています。
本セミナーでは、虐待経験とトラウマ、そしてマインドフルネスにフォーカスし、心と体を通した心の理解と臨床実践について学びます。