立教大学物理学科 山田研究室

高エネルギー天文学/宇宙物理学

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立教大学理学部物理学科 山田研究室は2020年4月にスタートしました。X線衛星XRISMに搭載される精密X線分光器(マイクロカロリメータ)の開発およびそれを用いたブラックホールや銀河/銀河団など宇宙でおこる高エネルギー現象の解明を目標としています。将来に向けて、次世代の精密分光装置である超伝導転移端検出器(Transition Edge Sensor)の開発と、それを用いた様々な地上実験も進めています。

X線天文衛星 XRISM

宇宙X線天文学
X線カロリメータ

ブラックホールX線観測

高エネルギー宇宙現象
銀河、銀河団など

精密X線分光器開発

超伝導転移端検出器(TES)の基礎開発

TESの地上応用実験

ハドロン、QED検証、分子雲の化学進化、
放射光物質分析

研究内容の概要

X線は透過力が高いので、ブラックホール近傍を見透すことや、宇宙の中でも激しい現象を捉えるのが得意です。温度1000万度を超えるようは高温で、身の回りの鉄銅も気体として存在している世界を対象にしています。そういう直感が効かない世界を物理学を使って、何が起こっているかを想像したり、観測で検証するのがX線を用いた宇宙の観測的研究です。目標は、宇宙X線観測を通して、宇宙の進化やブラックホールと銀河の関わりなど、未だに残る宇宙の謎を一つでも解明すること」です。

1)「X線衛星XRISMの精密X線分光器の開発」

2021年に打ち上げ予定のX線衛星XRISMに搭載される精密X線分光器(Resolve)の開発をしています。山田研では室温デジタルエレキにより波形処理を主に担当しています。宇宙空間で50mKという極低温でX線検出器を動作させるため、宇宙用の冷凍機など特殊な宇宙技術が結集しています。

2) 「次世代の精密X線分光器の開発」

将来のX線衛星に向けた超電導遷移端検出器 (Transition Edge Sensor; TES) の開発もしています。次世代のX線衛星でも主力のセンサーで、自分たちで製作して測定し、宇宙で動作させるための想像力を育みます。

3)「精密X線分光を用いた地上実験」

宇宙観測向けに開発された精密X線分光器を用いた様々な実験

  • 宇宙星間分子の地上再現実験

  • ミュオン原子を用いた電子相互作用の検証

  • 放射光での物質分析、はやぶさ2の試料分析に向けた準備

など、宇宙と地上の実験の良さを融合させて、よりよい実験技術を追求していきます。

4) 「天体解析」

宇宙X線データを用いた天体解析も進めています。最先端のソフトウェア技術や機械学習と組み合わせた研究も進めています。ブラックホールの周囲に形成される冷たいガスと高温ガスの織りなす不思議な現象の解明や、ブラックホールと銀河の共進化の素過程の理解など、知りたいことは尽きません。

最近のトピック

立教大学理学部 山田真也 准教授、一戸悠人 助教らは、超伝導転移端検出器(Transition Edge Sensors;TES)の利用を推進する国際的な専門家チーム(注1)との共同研究により、大型放射光施設 SPring-8(注2)のビームラインBL37XUにTESを持ち込み世界で初めてTESを用いた環境試料の蛍光XAFS(X線吸収分光法)(注3)分析に成功し、超微量分析や発光分光法への応用の道を拓くことに成功しました。詳細は、立教大学のプレスリリースをご覧ください。

2020.8.1 [論文受理]
博士課程の日暮凌太さんの論文「
X-Ray Hotspots in the Northwest Shell of the Supernova Remnant RX J1713.7-3946」がApJに受理されました。

立教大学理学部 博士課程1年の日暮凌太さんは、超新星残骸 RX J1713.7-3946のChandra衛星のX線データを詳細に解析し、X線で輝くコンパクトなホットスポット("hot spots")を複数発見しました。詳細は、原論文を参照ください。