みなさまこんにちは。2023年度の冬合宿幹事を務めさせていただきました、法学部3年担当Oです。冬合宿および24年度のTwitter更新担当でもありますのでよろしくお願いします。さて今回は韓国・ソウルでの鉄道研究会一行の様子をお届けしたいと思います。
多忙のため去年に引き続き年度を跨いでの更新となってしまいました。申し訳ございません。また、今回は実際に行った担当による報告ですので、文量が多くなっております。予めご了承ください。
これまたなぜ急に韓国?と思われた方も多いでしょう。理由は2つあります。まず、国内の合宿が続いていたこと。コロナ禍以前に海外で合宿を行っていたことはあるのですが、直近で5年前とかなり間隔が空いていたことに加え、当時その海外合宿を経験した大学院の先輩方が今年度卒業されてしまうため、ノウハウ継承という意味でも今回は海外へ行こう!ということになりました。
2つ目の理由は当会に所属する韓国からの留学生の存在です。ただ単純に韓国に旅行するというより、コーディネーターがいたほうが観光としても、鉄研の合宿としても、韓国という国を知るうえで有意義な合宿になるであろうという判断です。
今回私は初めて幹事を担当しましたが、鉄道研究会の海外合宿は本当に大変です。何が大変って、行きも帰りも現地解散だからです。みなさん、団体で海外に行くとなったとき、どのような状況を想像しますか?おそらく多くの人がまず羽田か成田に集合、その後みんなで飛行機に乗るといった光景を想像するはずです。しかし当会はどうでしょう、やれレアな飛行機が就航しているからどの会社のどの便がいいとか、やれ宗教上の理由で飛行機には乗れないだとか、特定の移動手段でまとめて移動しようとすると必ず一部の部員からクレームが寄せられます。
ということで今回も例によって現地集合、紆余曲折あってソウル駅に14時に集合という行程で決定しました。
とはいえ今回は鉄研にとっては久しぶりの、担当にとってはほぼ初めての海外合宿ですので、合宿期間中は全員同じホテルに宿泊、逐次点呼で人数確認、自由時間はホテル到着後や朝食時に限るなど、当会にしては珍しく 厳しめの旅程となっていたと思います。
前置きが長くなってしまいましたが、ここからが合宿の様子です。それではどうぞ。
担当は始発で成田空港へ。他に2人同じ飛行機に乗るので (それぞれ別で予約したので席が離れ離れなんて言えない…。)、とりあえず保安検査場外で集合し飛行機まではかたまって行動します。
この3人はZIPAIRに搭乗しましたが、他の部員は羽田からJALに乗ったり、前乗りして一足先に観光していたり、下関からフェリーで釜山に上陸しKTXやムグンファ号でソウルに向かっていたりと、本当に自由気ままな行程を辿っています。
さて飛行機は2時間とかからず仁川国際空港に到着。飛行機を降りたところで再び合流し、無事に入国もできたところで、ここからは空港鉄道に乗って集合場所であるソウル駅に向かいます。
4,50分でソウル駅に到着。他の交通機関で来た部員と合流し、ホテルに向かいました。今更ですが、普段池袋で会っている仲間と海外で合流するのは違和感があります…。
ホテル最寄りの孔徳(コンドク)駅周辺の景色。BRTが道路中央の専用レーンを走っていて、交通量も多いこともあり「名古屋にしか見えない」、「基幹バスだ!」と楽しくおしゃべりしながらホテルへ。
それはそうと、これまで空港や駅の地下通路、地下鉄など乗りましたが、鉄道や道路が右側通行なだけで、どの光景も日本との共通点が多すぎてあまり海外に来た感じがしなかったんですよね。
ところが、昼食の買い出しのためにホテル下のセブンイレブンに入ると、途端にその感覚はなくなりました。おにぎりとか、飲み物とか、それが何なのかは直感的に分かるんですが言語が違うためどういう味なのかは分からないから気軽に手が出せないという不思議な感覚に陥りました。偉大なるGoogleレンズ先生を利用させていただいて、どんな商品があるのか探してみるのも楽しかったです。
ホテルで2時間ほど休憩したあと、留学生Cくんの案内で、デジタルメディアシティを散策しました。ソウル最大の企業キャンパスで、韓流ドラマや映画の撮影がよく行われているそうです。広場にはたくさんの韓国スターの手形が展示されていました。
フライドチキンをお腹いっぱい食べたところで、夜のソウルの散策…といきたかったところでしたが、さすがの鉄研も国を跨いでの移動は疲れてしまったのか、みんなでホテルに戻ることにしました。
が、疲れていても素直にホテルに戻らないのが鉄研部員。現在地のデジタルメディアシティ駅からホテルのある孔徳(コンドク)駅までは空港鉄道一般列車(各駅停車)に乗るのが最短経路なのですが、同じ経路を通りたくないという理由で別ルートを提案されました。
孔徳駅までは時間はかかりますが、京義中央線、ソウルメトロ6号線でそれぞれ乗り換えなしで行けるため、
・とにかく早く戻りたい空港鉄道班
・地上に行きたい京義中央線班
・地下鉄に乗りたい6号線班
に分かれてホテルに戻りました。ちなみに担当は孔徳駅の到着ホームがホテルに一番近いという理由で6号線を選択しています。
空港鉄道、新しめの路線なので地下深くて階段が多いんです…。
日本の世間一般ではホワイトデーと呼ばれるこの日(合宿中、ホワイトデーの話題が全くなかったんですが)、鉄研一行は韓国国会議事堂見学のため、地下鉄を乗り継いで国会議事堂(ククェウィサダン)駅にやってきました。でかい垂れ幕や謎のテントを横目に、正門から敷地に入って建物に向かいます。
留学生Cくんの同時通訳で国会職員さんの話を聴きながら議事堂内を見学。道中国務大臣が並んで撮影されるような大階段で記念撮影をしたり、韓国国会の歴史の説明を聴いたりなど普通に韓国に旅行するだけでは味わえない濃密な時間を過ごすことができました。
この場を借りて写真撮影など快く対応してくださった国会職員さんにお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
昼ご飯はCくんがおすすめしてくれた国会近くのお店でサムゲタンをいただきました。鶏がまるまる1匹入っており日本で食べるものよりスープが濃厚で、鶏の旨味が充分に感じられました。昨日のフライドチキンから鶏肉続きでしたが、みんな満足できたようです。ごちそうさまでした。
さて、昨日からただの観光続きで、そろそろ「お前ら鉄研だろ?鉄道要素は?」とお思いになってきた頃合いではないでしょうか。ご安心ください。一昨年の沼津新歓遠足のように鉄分ほぼゼロの旅にはなりません。なぜならこれから鉄道博物館に行くからです。
韓国に鉄道博物館なんかあるのか?
あるんです。
知らなくても無理はありません。今回旅程を考えてもらったCくんに、ぜひ韓国の鉄道博物館に行ってみたいと相談したところ、
「韓国に鉄道博物館が存在したのを、それを聞いて今初めて知った。韓国人の僕が知らない情報をなぜこのサークルは知っているんだ、(笑)」
とまで言われてしまいました。(苦笑)
一応、韓国に鉄道博物館があることは日本の鉄道マニアの間ではそこそこ有名な話ではあることを付け加えておきます。
そんな鉄道博物館ですが、ソウルからは少し離れたところにあり、1号線でソウルから約1時間かかります。ソウルに来て本格的な“乗り鉄”です。
鉄道博物館の最寄り義王(ウィワン)駅。
周辺に貨物ターミナルや韓国交通大学校、鉄道人材開発院などがあり、「鉄道の街」と呼ばれる。
線路沿いを歩くといかにも、保存されてますよ~って言ってそうな車両が鎮座しています。まぎれもなく鉄道博物館ですね。
入場料は2000ウォン、日本円にして約220円。やすっっ!!!
といった感じで、どことなく日本を走ってそうな顔の車両たち、韓国国内製のカッコいい車両たちを見学。立派な資料館も併設されており、貴重な資料の見学やジオラマ鑑賞、運転シミュレータ体験など、部員が満足するまで滞在しました。
鉄道博物館見学が終わり、次の予定まで時間があるということで、
・ホテルにいったん戻る班
・客車列車ムグンファ号乗車班
に分かれて行動することになりました。担当はもちろんムグンファ号乗車班。
義王駅からソウルとは反対方向に2駅進み、水原(スウォン)駅に到着。
次のソウル行きのムグンファ号までは時間があるようなので、ホームで撮り鉄することに。
ムグンファ号のムグンファ、日本語ではムクゲの花を意味しています。あとで調べてみるとムクゲは韓国の国花だそうです。そういえば国会の本会議場議長席の直上にある紋章も、ムグンファがモチーフにされていると職員さんがおっしゃっていました。その時鉄オタセンサーが反応してしまったのは内緒。
このムグンファ号、韓国の人々も多く利用していて、今回は全員バラバラの席で乗車することになりましたが、指定された列車の号車、席番に座るというところは日本の特急列車と何ら変わりありません。迷わず着席することができました。
さて、無事着席したところで車窓を楽しもうかと思ったところ…
ムグンファ号、快適すぎる。
私が目を覚ましたのは終着ソウル駅一つ手前の龍山(ヨンサン)駅。客車列車なので電車特有の振動やモーター音が感じられないんです。水原駅からソウル駅まで約40分ほどですが、とても気持ちよく眠れました。本当はもっと韓国客レを楽しみたかった…。(泣)
次の予定はソウルいちの繁華街、明洞(ミョンドン)周辺で夕食ということになっています。が、平日にもかかわらず圧倒的人、人、人の数。しかも韓国人ではなく日本人ばかり。春休みシーズンなのも影響しているのでしょうか、さすが超有名観光地と呼ばれるだけのことはあります。「絶対この人混みの中に(鉄研以外の)立教生いるよ(笑)」とかふざけて話していましたが、これでは全員で夕食をとるのは困難だということで、一度このまま明洞で解散、各自夕食後ホテルで点呼ということにしました。
さて、みなさんお気づきでしょうか。どさくさに紛れて明洞からホテルが実質自由行動タイムと化していることに。この自由行動タイムに何をするか。
鉄道撮影ですよね!!!
せっかく重いカメラを持ってきたのだから撮らないと損、と思って担当は食後ソウル駅へ直行。とはいえ日本とは鉄道撮影のレギュレーションが異なるので他の人が写らないようなるべく慎重に。
と、こんな感じに2時間ほどソウル駅で撮り鉄を楽しんだ担当は日付が変わる直前にホテルに戻ったのでした。2日目も大きなトラブルなく終わって一安心。
日本国内の鉄道マニアがダイヤ改正で消える列車や運用を血眼になって追いかけていた3月15日の朝、鉄研ご一行のもとになんと最終日にして合流した部員がいました。昨日まで宮古島にいたそうで、昨夜羽田へ戻り、深夜便で仁川まで飛んできたそうです。
(個人の予定も尊重するのが鉄研合宿のいいところ?です。)
本日は合宿最終日ということで大体の部員が帰国する日、なんですが、実は午前中の時点で離脱する部員がいます。さっき合流した部員がいるのに、なんて忙しい行程なんだ…。見送るために全員でやってきたのは昨夜担当が夜遊びしていたソウル駅。2人の部員はKTXで釜山(プサン)まで行き、そこから高速船クイーンビートルに乗って博多で入国、本州を縦断して帰宅するそうです。なんでも、船の時間が早いので午前中にソウルを出ないと帰国できなくなってしまうのだとか。まだ発車まで時間があったのでしばらく自由行動タイム。荷物を預けたり、思い出にソウル駅の入場券(無料)を発券したり、駅弁を物色したり。あまり日本とやってることが変わりません(笑)
KTX乗車組を見送ったあとは二村(イチョン)駅に移動。韓国国立中央博物館に来ました。日本で言うなら上野にある国立博物館といったところでしょうか。韓国は日本と同じ東アジア文化圏なので、原始時代~中世の展示内容はあまり日本と変わりありません。担当個人としては近代がどのように解釈され、どのような展示がされているのか気になっていたのですが、なにせこの博物館広すぎる。全然時間が足りませんでした。予定では見学時間を2時間としていましたが、じっくり見たらたぶん丸1日余裕で潰れてしまいます。行く予定のある方、お気を付けください…。
博物館内のフードコートで昼食を食べたあと、また班に分かれて行動することに。解散は班ごとに行いました。
・博物館居残り組
・鉄道撮影組
もちろん私は鉄道撮影組。電車を乗り継いで撮影地のある1号線の加山(ガサン)デジタル団地駅に向かいます。
さて、憧れの撮影地で韓国の列車を撮りまくるぞ~!と思い、次の列車を確認するべく時計を見てみると、なんと帰りの飛行機の3時間前。結局10分程度しか滞在できませんでした(泣)。撮影組と別れて急いで空港鉄道に乗車できるソウル駅に向かいます。
出発1時間半前に仁川空港に到着。チェックイン、保安検査、出国手続きも済み出発まで時間が余ったので免税エリアでお土産を物色していたらいつのまにか出発30分前。急いで搭乗口へ向かいます。
復路も2時間程度の飛行で成田空港に着陸。無事入国審査も通過し最終のバスに乗って担当は合宿全行程を終えたのでした。
ちなみに復路は私1人でした。内訳を載せておきますと、午後の飛行機で帰国した人が私含めて5人、深夜便で帰国し羽田空港に泊まった人が2人、釜山から船で帰国した人が2人、ソウルに延泊した人が3人でした。延泊組も翌日には全員無事に帰国できたので幹事として安心しています。
当初予定していたよりもその場の成り行きで旅程表外の行動やフリータイムが増えてしまった気がしますが、結果としてなんとかなったので特に何も言うことはありません(笑)。このサークル、結局こうなるんだなぁ。臨機応変に対応できるのはいいことだと思います。
拙文ではございましたが、鉄研冬合宿2023@韓国・ソウルでの出来事を書かせていただきました。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。それでは、またどこかの更新で。