3. 運動と骨格筋・代謝システム
筋肉・骨格系
(1week)
【10.骨格系】
28話 骨格の基本 4分
29話 骨格(脳と背骨) 5分
30話 骨格(胸と手足) 6分
31話 関節 6分
【11.筋系】
32話 骨格筋 6分
33話 筋肉の名称めぐり 5分
生物基礎
3話「生きるエネルギー」 6分
33話 筋肉の名称めぐり 5分
生物のしくみ
6話「筋肉のしくみ」 6分
生物の基本知識
7話「ATP」4分
★体格・身体組成
身長、体重、BMIの評価と体脂肪率の測定
形態測定、身体組成の評価
体脂肪測定法の説明
水中体重秤量法
インピーダンス法
キャリパー法
肥満度(BMI)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
体脂肪率は、皮下脂肪厚(部位2点、3点、7点)の合計値からを推定します。[Nagamine & Suzuki, 1964 (2カ所)Jackson & Pollock, 1985 (3,7カ所)Brozek,1963]
記録表の無料配布ダウンロードサイトの紹介
体脂肪率(%fat)の求め方体脂肪率(%fat)の求め方
体脂肪率(% fat)=((4.57/身体密度)-4.142)×100
Brozek,1963, Jackson & Pollock, 1985 (3カ所), Nagamine & Suzuki, 1964
男性の場合の身体密度(g/cm3)の求め方 (計算式)
女性の場合の身体密度(g/cm3)求め方 (計算式)
男性の場合
計測部位7ヵ所の場合
(S=胸部+腋窩中央+上腕三頭筋+肩甲骨下部+腸骨上部+腹部+大腿部)
身体密度=1.112-0.00043499 x S+ 0.00000055 x S2 - 0.00028826 x 年齢
(標準偏差 0.008または~3.5%fat)
計測部位3ヵ所の場合
(S=胸部+腹部+大腿部)
身体密度=1.10938 - 0.0008267 x S + 0.0000016x S2 - 0.0002574 x 年齢
(標準偏差 0.008または~3.4%fat)
計測部位3ヵ所の場合
(S=胸部+上腕三頭筋+肩甲骨下部)
身体密度=1.1125025 – 0.0013125 x S + 0.0000055 x S2 - 0.000244 x 年齢
(標準偏差 0.008または~3.6%fat)
★計測部位2ヵ所の場合 (一般的に用いられる方法)
(S= 上腕三頭筋+肩甲骨下部 )
身体密度(S)= 1.0913-(0.00116×(上腕三頭筋+肩甲骨下部))
女性の場合
(S=胸部+腋窩中央+上腕三頭筋+肩甲骨下部+腸骨上部+腹部+大腿部)
身体密度=1.112-0.00043499 x S+ 0.00000055 x S2 - 0.00028826 x 年齢
身体密度=1.10938 - 0.0008267 x S+ 0.0000016x S2 - 0.0002574 x 年齢
身体密度=1.1125025 – 0.0013125 x S + 0.0000055 x S2 - 0.000244 x 年齢
身体密度(S)= 1.0897-(0.00133×(上腕三頭筋+肩甲骨下部))
体格指数(BMI; Body Mass Index)の求め方
体格指数 (BMI kg/m2) = 体重 (kg)÷身長 (m)÷身長 (m)
BMI≧25の割合は、男性28.6%。女性20.6%。
BMI≧18.5の割合は、男性4.3%、女性10.8%。
日本人のデータは以下を参照。
平成20年 国民健康・栄養調査結果の概要 厚生労働省生活習慣病対策室
★体重、血圧、心拍数記録表(「朝夕」1ヵ月間)。Excel Fileを公開しています。
★体脂肪率推定する(皮脂厚計測値を用いた推定法)。Excel Fileを公開しています。
上記の算出プログラムファイルをダウンロードする場合はユーザー名、パスワードが必要です。
morinomiya.univ.lecture.1@gmail.com
社団法人 人間生活工学研究センター(HQL)
人間生活工学研究センターでは経済産業省からの委託を受け、2004年度から2006年度まで、首都圏や近畿圏を中心に、約6,700人の日本人の身長や手足の長さなど1人あたり217項目の寸法計測事業(size-JPN)を行った結果を以下のHPに掲載しています。
http://www.hql.jp/database/size2004/
[栄養評価と治療,19suppl., p.50 〜60,メディカルレビュー社(2002)]
体力の測定と評価
無酸素性能力の測定
有酸素性能力の測定
最大酸素摂取量の測定
無酸素性作業閾値(AT)
有酸素性および無酸素性体力を表す指標とその測定法を理解し、それらのフィールド・テストについての測定ができるようにする。
階段駆け上がり法
Wingate Anaerobic Test
走/歩テスト
最大酸素摂取量の測定方法(直接法、間接法)を理解する。
無酸素性代謝閾値(AT)を判定する方法(乳酸閾値(LT)、換気閾値(VT))jを理解する。
最大酸素摂取量とは
最大酸素摂取量の測定方法
ガス分析によるAT測定
血中乳酸によるAT測定体脂肪量の測定
新体力テスト
健康づくりのための運動指針
体力テストの評価
体脂肪量の測定原理及び測定方法(皮脂厚法、生体電気インピーダンス法など)を理解し、測定ができるようになる。
体密度法
二重エネルギーX線吸収法(DXA法)
生体電位抵抗法(BI法、インピーダンス法)
新体力テストの各項目と体力要素との関連を理解し、実際に測定・評価ができるようにする。
健康関連体力を評価する新体力テストの成り立ち
年齢に伴う体力水準の変化と性差
体力測定項目
エクササイズガイドの体力測定を理解する。
体力測定
体力テストの結果を評価する方法(基本的な統計量(統計値)、体力プロフィールのさくせいほうほうなど)を理解し、健康・体力づくりやトレーニングに活用できるようになる。
得点(スコア)化による評価
体力年齢による評価
適正な体力測定の条件
3. 運動と骨格筋・代謝システム
運動の発現
骨格筋収縮の仕組みとエネルギー供給機構
筋線維タイプと収縮特性
運動と筋線維タイプ
筋収縮の様式と筋力
トレーニングと骨格筋
筋線維のタイプを収縮特性と代謝特性に基づいて分類し、それぞれの特性と運動の関係を理解する。
不随意運動
随意運動
運動単位と力の発揮
筋収縮のエネルギー供給機構を理解する。
骨格筋の構造
骨格筋が収縮するメカニズム
収縮のためのエネルギー
エネルギー産生と運動の持続
筋力発揮に対する筋の形態学的特性や筋の収縮様式と筋力との関係を理解する。
赤筋と白筋、遅筋と速筋
筋線維タイプの分類方法
タイプⅠとタイプⅡ線維
SO線維、FOG線維、FG線維
トレーニングによる筋出力増加を、筋肥大、神経・筋の関係から理解する。
短距離選手とマラソン選手の筋線維
筋線維タイプの決定
運動の発現する仕組みを神経系から説明し、運動が調節されるメカニズムを理解する。
筋収縮の3様式
筋力を決める要因
随意運動と反射の違いを理解する。
筋力トレーニング
代謝の概念、基礎/安静時エネルギー代謝
運動時エネルギー代謝(METS) (実測、原理)
① エネルギー代謝機構について(骨格筋代謝) (4~6月)
解剖と生理(筋収縮のしくみとエネルギー供給機構)
演習(作業効率、最大酸素摂取量、無酸素性作業閾値の測定・実習)
データ解析手法
エネルギー供給の仕組み
エネルギーについて詳しく学びたい人は以下を参照してください。
「代謝と生態系エネルギーフローから考える地球環境と生物の授業」ココをクリック
(平成15年科学技術・理科教育のための革新的なデジタル教材の開発)
エネルギー代謝経路について
地球上のどんな生物も細胞の中ではATP(アデノシン3リン酸)という分子からエネルギーを取り出している。
ATP(充電状態)⇔ADP(放電状態)
生体内のATPの合成と利用のしくみ
(ATP→ADP→リン酸)
ATP合成酵素の制御機構(科学技術振興機構 ICORP ATP 合成制御プロジェクト)
ヒトのATP合成酵素は1400回転/秒の超高速で回転していることが判明した。
今後エネルギー代謝異常などの病気の原因の解明と治療法の開発に期待されている。
細胞呼吸(解説ムービ)
ATP合成酵素の制御機構
クレアチン・リン酸系
解糖系
[グルコース]
嫌気呼吸 (無酸素性[嫌気的])代謝系)
→ ピルビン酸
→★乳酸の産生(蓄積)
★ミトコンドリア
→ ピルビン酸
好気呼吸 (有酸素性[好気的]代謝系)
→★クエン酸回路 ★電子伝達系
ミトコンドリアは、数マイクロメートル程の大きさの主につぶ状の細胞小器官で、2重の膜につつまれている。何重にも折りたたまれた内膜の表面で細胞呼吸を行い、エネルギー貯蔵物質であるATPを合成している。
ミトコンドリアがダイナミックに動いている様子を見ることができます。
YouTube 動画
YouTube 動画
ミトコンドリアで生化学(石川県立大学)
ミトコンドリアの謎を一つ解明(大阪大学大学院医学系研究科・生命機能研究科医化学講座)
ミトコンドリアはすべての真核生物の細胞質中に見られる幅約0.5μm前後の糸状、顆粒状の細胞小器官であり、好気呼吸を主要な機能としている。内膜、外膜の二重の膜に包まれている。内部は内膜がひだになってのび出し、ひだをクリステ、ひだ以外をマトリックスと呼ぶ。
ミトコンドリアはクエン酸回路と電子伝達系及び両者に共役する酸化的リン酸化系の主要酵素をもっていて、好気的条件における細胞のエネルギー生産の場となっている。
マトリックスにはクエン酸回路に関与する諸酵素と脂肪酸のβ酸化に関与する諸酵素がある。クリステ及び内膜には電子伝達系に関与する諸酵素とそれに共役するリン酸化の酵素がある。 このような呼吸的酸化作用によって生じたエネルギーは、リン酸化反応によって高エネルギーリン酸塩であるATP(アデノシン三リン酸)として蓄積される。ATPは細胞のミトコンドリア以外の部分に出ていって、いろいろなエネルギーを必要とする仕事に関与する。
ミトコンドリアは酸素を利用しながら糖や脂肪からATPを生み出す工場のようなものである。
●エネルギー源
炭水化物(Carbohydlate)
脂肪(Fat)
タンパク質(Protein)
※体脂肪1kg分は約7200kcalに相当!
脂肪1kgの燃焼カロリーは約9000kcal
体脂肪に含まれる脂肪は約80%、水分などが20%。
したがって、体脂肪の燃焼カロリーは 9000 kcal × 0.8 = 7200kcalとなる。
正常人のエネルギー基質貯蔵量
燃料 重量(kg) エネルギー(kcal)
グルコースの標準自由エネルギーは 686 kcal
C6H12O6+6O2→6CO2+6H2O
標準状態 (0℃ 1気圧)
1モル(分子が6.022×1023 )の気体は22.4リットルに相当。
22.4 L×6 モル = 134.4 リットル の酸素が利用される
686 kcal / 134.4 L = 5.10 kcal / L
標準状態 (0℃ 1気圧) で考えると、1モルの気体は 22.4 リットル
したがって、
22.4 L×6モル = 134.4 リットル の酸素が利用される。
そこから 686 kcalのエネルギーができることになるので、686 kcal / 134.4 リットル(酸素) = 5.1 kcal / リットル
すなわち
1リットルの酸素を利用 (酸素摂取量) して、5.1 kcal のエネルギーを作ることができる。
酸素摂取量はミトコンドリアで使われた酸素の総量であり、運動を遂行するのに必要なエネルギー量を表している。
パルミチン酸の標準自由エネルギーは 2397 kcal
C16H32O2+23O2→16CO2+16H2O
22.4 L×23モル = 515.2 リットル の酸素が利用される
2397 kcal / 515.2 L = 4.65 kcal / L
循環基質
グルコース(細胞外液) 0.02 kg 80 kcal
遊離脂肪酸 0.0004 kg 4 kcal
中性脂肪 0.004 kg 40 kcal
組織中の基質
脂肪
脂肪組織の中性脂肪 15 kg 140,000 kcal
筋肉内中性脂肪 0.3 kg 2,800 kcal
タンパク質
タンパク質(主に筋) 10 kg 41,000 kcal
グリコーゲン
肝グリコーゲン 0.085 kg 350 kcal
筋グリコーゲン 0.350 kg 1,450 kcal
(Wahren, J., Endocrinology 3, Degroot J ed, New York, Crune & Stratton, 1911-1926, 1979.改変)
エネルギー所要量 (一日の総エネルギー量)
1日に消費するエネルギー量を補給するために摂取すべき1日の総エネルギー量のこと。
すなわち、以下の値の総和で表すことができる。
尚、SDAとは、食物の特異動的作用のこと。1日のエネルギー所要量の1/10と考えられている。特に動物性の食品を多く食べると、食後安静にしていても代謝量は増加します。
1. 生命維持に必要な基礎代謝量
2. 生活活動に必要な活動代謝
3. SDA(specific dynamic action)
基礎代謝量
生物が呼吸・体温維持・心拍など生命活動を維持するため生理的に消費しているエネルギー量のこと。すなわち、目覚めている状態で生命を維持する(心臓、呼吸、腎臓の働き、体温や筋緊張の維持など)ために必要な最小限のエネルギー消費量のことをいいます。約1/3は心臓などの諸臓器の活動に、2/3が筋肉その他の組織の生活および体温維持などに使われます。基礎代謝量は人それぞれで異なり、具体的には、風土、人種、性別、年齢、体格などによって異なり、食事や運動などの日常生活の状態によっても違ってきます。一方、同性・同年齢ならば、その体表面積に比例することが知られています。
☆国立健康・栄養研究所 基礎代謝量の推定式
男性
((0.1238+(0.0481×体重kg)+(0.0234×身長cm)-(0.0138×年齢)-0.5473×1))×1000/4.186
女性
((0.1238+(0.0481×体重kg)+(0.0234×身長cm)-(0.0138×年齢)-0.5473×2))×1000/4.186
基礎代謝量の推定式はここ
※上記の推定式は、20~70歳代の日本人男女(男性71名、女性66名)を対象に、国立健康・栄養研究所で測定した基礎代謝量のデータから得られたもの。
真の値は、この推定値を中心に分布し、100kcal/日以上異なることもありえます。
"Ganpule AA, Tanaka S, Ishikawa-Takata K, Tabata I. Interindividual variability in sleeping metabolic rate in Japanese subjects. Eur J Clin Nutr 61(11): 1256-1261, 2007."
カロリー計算(運動・基礎代謝)
呼吸・代謝機能の測定評価実習
代謝とは
私たち生物の体内に入った物質は、化学反応によって新しい物質に変えられ、体を作る材料となったり、化学反応の結果生きていくために必要なエネルギーを生み出す。このような現象を代謝と呼ぶ。
生命の様子 代謝を行う
エネルギー代謝率
エネルギー代謝率=(活動時代謝量ー座位安静時代謝量)÷基礎代謝量
座位安静時代謝
基礎代謝量から座位安静時代謝量を推定する場合は以下の式を用いる。
座位安静時代謝量≒基礎代謝量×1.2 (座位10%+DIT10%)
基礎代謝量
逆に、座位安静時代謝量から基礎代謝量を推定する場合は以下の式を用いる。
基礎代謝量≒座位安静時代謝量×0.8
座位安静時代謝量の測定方法
呼吸・代謝
エネルギー代謝の測定(呼気ガス採取、分析)
ダグラスバッグ法を用いたエネルギー代謝測定とその評価法の実際
酸素1リットル当たりのエネルギー消費量 = 5 kcal相当
安静時や運動時の呼気ガス連続測定 (breath by breath法)
分時換気量 [VE]
酸素摂取量 [VO2]
二酸化炭素排泄量 [VCO2]
呼吸商 [RQ] の求め方
呼気ガス分析装置を用いたエネルギー代謝量の測定・記録・推定値算出プログラム。
Excel Fileを公開しています。
以下のプログラムをダウンロードする場合はユーザー名、パスワードの入力が必要です。
morinomiya.univ.lecture.1@gmail.com
●呼吸・代謝測定の基礎
ATPS;ambient temperature, pressure, saturated with water vapor
測定環境温(?℃) 大気圧(mmHg) 飽和水蒸気圧(?mmHg)
BTPS; body temperature, ambient pressure, saturated with water vapor
体温(37℃) 大気圧(mmHg) 飽和水蒸気圧 47mmHg
STPD; standard temperature, pressure , dry
0℃ 1気圧(760mmHg) 乾燥状態 0mmHg
測定データ(ATPS)を生体内の状態(BTPS)や標準状態(STPD)のデータへと変換するには係数(BTPS/STPDファクター)が必要。
分時換気量VEはBTPS表記。
したがって、VE (BTPS) = BTPSファクター x VE (ATPS)
酸素摂取量VO2、二酸化炭素排泄量VCO2はSTPD表記
したがって、VO2 (STPD) = STPDファクター x VE (ATPS)
VO2 (STPD) の求め方
VCO2 (STPD) の求め方
VE (BTPS) の求め方
VO2 = (VI * FIO2) - (VE * FEO2)
VCO2 = (VE * FECO2)-(VI * FIO2)
VI * FIN2 = VE * FEN2
VI = (VE * FEN2) / FIN2
FIN2 = 1 - (FIO2 + FICO2)
FEN2 = 1- (FEO2 + FECO2)
VI = (VE * [1 - (FEO2 + FECO2)]) / [1 - (FIO2 + FICO2)]
呼吸測定データの処理法について
測定データ(ATPS)を生体内の状態(BTPS)のデータへと変換するには係数(BTPSファクター)が必要。
ATPS
742.6 mmHg (760mmHg [大気圧] - 22.2mmHg [飽和水蒸気圧]), 24℃ [環境温],
297℃ ( 273℃+24℃)
P/T=742.6/297=2.48
BTPS
P = 713 mmHg (760mmHg [大気圧] - 47mmHg [飽和水蒸気圧]), 37℃ [体温],
T = 310℃ ( 273℃+37℃)
P/T=713/310=2.30
BTPSファクターの求め方
PV/T= PV/T
2.48 x Volume (ATPS) = 2.30 x volume (BTPS)
BTPSファクター = 2.48 / 2.30 =Volume [BTPS]/volume[ATPS] = 1.08 [BTPS]/[ATPS]
STPD
P = 760 mmHg (760mmHg [大気圧] - 0mmHg [飽和水蒸気圧]), 0℃ [環境温], T = 273℃ ( 273℃+0℃)
P/T=760/273=2.78
STPDファクターの求め方
PV/T= PV/T
2.48 x Volume (ATPS) = 2.78 x volume (STPD)
STPDファクター= 2.48 / 2.78 =Volume [STPD]/volume[ATPS] = 0.89 [STPD]/[ATPS]
分時換気量VEはBTPS表記。
したがって、VE (BTPS) = BTPSファクター x VE (ATPS)
酸素摂取量VO2、二酸化炭素排泄量VCO2はSTPD表記
したがって、VO2 (STPD) = STPDファクター x VE (ATPS)
ボイル・シャルルの法則 詳細はココ
●運動によるエネルギー代謝の変化
生体内での物質の化学的な変化を代謝という。代謝は同化と異化の二つに大きく分けられる。同化は、光合成(炭酸同化)のように、外界から取り入れた簡単な物質から、からだを構成する複雑な物質を合成する過程であり、エネルギーを必要とする。異化は、呼吸に代表されるように、からだを構成する複雑な物質(有機物)を簡単な物質に分解する過程であり、エネルギーが放出される。また、代謝に伴って起こるエネルギーの変化や移動などをエネルギー代謝という。生物が生きていくために必要なエネルギーは、ATP(アデノシン三リン酸)の化学エネルギーに変換されてから、いろいろな生命活動のエネルギーとして利用される。ミトコンドリアには好気呼吸に関する多くの酵素が存在し、好気呼吸の過程のうち、クエン酸回路と水素伝達系はミトコンドリアで行われ、好気呼吸によって発生するエネルギーでATPを合成している。
速い筋線維(Fast-twitch fibers FT)と遅い筋線維(Slow-twich fibers ST)
速筋型ミオシンは遅筋型ミオシンの2倍の運動速度を持つ。
細胞の中には、筋肉細胞のように、運動により形態変化を起こすものがある。例えば、心筋は内臓筋であるが、平滑筋ではなく横紋筋である。横紋筋は筋繊維(筋細胞)の束からなり、筋繊維は筋原繊維でできている。筋原繊維の主な成分はアクチンとミオシンというタンパク質で、これらは繊維状のフィラメントを構成する。 筋収縮は、ミオシンフィラメントの間にアクチンフィラメントが滑り込んで起こる。これを滑り説(スライド説)という。(1)運動神経からの刺激で、筋繊維(筋細胞)の細胞膜が興奮する。(2)膜系の興奮が、筋原繊維を包む筋小胞体に達し、筋小胞体からCa2+(カルシウムイオン)が放出される。(3)Ca2+はアクチンフィラメントに結合し、これによりアクチンが活性化すると、ミオシン(ATP分解酵素の作用をもつ)が活性化され、ATPが分解される。(4)このエネルギーによりミオシンフィラメントがアクチンフィラメントをたぐりよせ、筋肉が収縮する。(5)筋小胞体にCa2+が吸収されるとミオシンフィラメントはアクチンフィラメントと結合できなくなり、収縮が止む(弛緩)