授業概要
本講義では、運動負荷時にはじめて出現する生理現象の固有の変化、長期トレーニングによる器官、組織の構造的変化やそれに伴う運動生理機能の向上、不活動(運動不足)による生理機能低下などについて、特に、呼吸器系、循環器系およびそれらをコントロールする自律神経系を中心した、個体レベルでの生体制御システムの運動適応の過程について、運動生理学、スポーツ科学の観点から解説する。これにより、第1次予防の視点に立って運動が健康づくり、 特に生活習慣病予防に役立つ根拠を示す。
また、実際の医療やスポーツ科学の現場において広く活用されている「心肺運動負荷試験の基礎理論とその評価法」を学ぶことで、運動の制限因子や呼吸・循環器疾患における運動不能の原因およびその症状を鑑別するための基礎と臨床応用についての理解を深める。
到達目標
・第1次予防の視点に立って、運動が健康づくり、特に生活習慣病予防に役立つ根拠を説明できる。
・スポーツ選手の運動機能の評価や、呼吸循環器疾患における運動不能の原因、およびその症状を識別するため方法論や、それを実施することの意義を理解できる。
・生理学の知識をベースとして、運動時における生理学的応答の測定方法や長期トレーニングによる生体反応の量的、時間的動態や適応変化を理解し、その評価方法やその反応のメカニズムに関する説明(考察)ができる
履修上の注意(学生へのメッセージ)
運動生理学の履修にあたっては、これまでに学んだ人体の生理、解剖に関する、一定の知識が必要なので、各自復習をしておくこと。尚、呼吸循環代謝系に関する基本的な知識や理解を深める上で、非常に参考となるサイトや便利な教材をホームページ上(www.respiratorycontrol.com)で紹介しているので。授業内容の予習、復習にぜひ役立ててください。
教科書
アメリカ体育学会 編,日本体力医学会体力科学編集委員会 監訳「運動処方の指針-運動負荷試験と運動プログラム-原著第7版」南江堂,2006年
参考書
学(下巻)」真興交易(株)医書出版部中野昭一 著「図説・運動の仕組みと応用—運動・生理・生化学・栄養 (普及版)」医歯薬出版,2001年
研究室/オフィスアワー
E棟4階(研究室12):原則 月曜日 3時限目・4時限目
その他、部屋にいればいつでも訪問可です。質問等はいつでもご自由にどうぞ。