【オオルリシジミ舞い出す:長野県東御市北御牧】2010.5.21

長野県東御(とうみ)市北御牧(みまき)では、17日からオオリリシジミが舞っているのが確認されています。希望者は、シチズンファインテックミヨタ北御牧事業所で観察させてもらえます。

オオルリシジミは長野県のレッドリストでは絶滅危惧IB種(EN)で、特別指定希少野生動植物の種指定に入っており、県条例で捕獲を禁止しています。

「北御牧のオオルリシジミを守る会」(小山剛会長・40人)は、10年ほど前から保全活動をやっています。チョウの発生は、例年だと5月10日くらいですが、今年はクララの生育も例年よりも遅れ、オオルリシジミの発生は1週間ほど伸びました。今舞っているのは雄で、自然の中で羽化したもの。「会員が確認に行ったら舞っていた」と小山さんは喜んでいます。

シチズンファインテックミヨタ北御牧事業所では、23日に今年で6回目の親子観察会を開きます。申し込みは、東御市北御牧総合支所市民係に21日(本日)までですが、それ以外の日にも観察ができます。同事業所の受付けで住所、氏名、電話番号などを書き、会社の敷地内のチョウを観察します。

北御牧では、チョウが絶滅しないために、特定の飼育者が累代飼育もやっています。卵を守るためネットの中などで飼育しています。小山さんは農業を営んでいますが「チョウと人間の生活など、すべてが連動しているが、果樹園のそばにオオルリシジミの食草のクララを植えても消毒がかかるし、ダニの殺虫剤をまく時期にオオルリシジミが出る時期と重なる。農家として工夫しなければならないことがたくさんある」と、心配していました。

「御牧」の歴史について「熊本の阿蘇山の牧場では、牛が食べなくてクララだけが残っていたと聞きました。かつて御牧には牧場があって、馬の産地でした。『望月の駒』と言い、馬を都へ献上したため、その地籍を「御牧」と呼びました」と小山さんは話しています。そんな産地で命をつないで来た北御牧のオオルリシジミ。6月上旬まで観察を楽しめます。


問い合わせ

◆ シチズンファインテックミヨタ北御牧事業所(月曜日から金曜日)

電話:0268・67・1800(代)

◎ 必ず受付けをしてからお入りください。

・ホームページ http://cfm.citizen.co.jp/index.html

・地図 http://cfm.citizen.co.jp/company/access.html