新型コロナウイルス感染症は発症当初は風邪症状と区別がつきません。したがって、風邪症状出現時には、本人は確実に休み一定期間自己隔離すること、周囲は本人の感染拡大予防協力に感謝を示し、部署単位で可能な対策を行うこと、が感染拡大予防として重要です。
具体的な対策は以下の2つです。
①本人:発熱有無に関わらず風邪症状ある時(発熱・咳・のどの痛み・倦怠感・関節痛・消化器症状・嗅覚や味覚の異常等)には必ず自宅待機し経過を見る(目安期間:発症日から8日以上経過 かつ 症状消失後3日以上経過まで)
②周囲の方:新型コロナウイルス感染症の初発症状は発熱だけではないが、便宜的に発熱(普段の体温と比較して上昇していると自覚できる場合)者を新型コロナウイルス感染症疑似症者として取り扱う。発熱者が出た際には、発熱者の発症日から2日前までさかのぼり、発熱者の職場での接触歴調査を行う。接触した周囲の者は、発熱者と最終接触日から14日間はより健康観察に留意する。体調不良となった場合には速やかに自宅待機(在宅勤務可)し管理者に連絡をする。
「息苦しい」「だるい」「高熱」がある場合や、軽症でも熱(普段の体温と比較して上昇していると自覚できる場合)や咳が続いている場合に受診を検討します。医療機関での感染の拡大を防ぐために、受診の前にかかりつけ医や近所の医師にまずは電話で相談して、受診方法を確認することとされています。
発熱や感染症の自覚症状がある場合で、新型コロナウイルス感染症の確定診断がされていない方の自宅待機の目安は、次の1)および2)の両方の条件を満たすこととされています。
1) 発症後に少なくても8日が経過している
2) 薬剤*を服用していない状態で、解熱後および症状**消失後に少なくても3日が経過している
*解熱剤を含む症状を緩和させる薬剤
**発熱・咳・のどの痛み・倦怠感・関節痛・消化器症状・嗅覚や味覚の異常等など
新型コロナウイルス陽性者の濃厚接触者と判断された場合は、14日間の健康観察期間が指示されます。この間、必ずしも自宅待機を指示されるわけではありませんが、原則的には感染防止のために自宅待機等の扱いとなり、就業制限の対象となります。
PCR検査等に基づく医師の判断により、また宿泊療養中又は自宅療養中の軽症者等に PCR 検査を実施する体制をとることにより、重症者に対する医療提供に支障が生じるおそれがある場合には、宿泊療養又は自宅療養を開始した日から 14 日間経過したときに、療養を解除することができます(当該 14 日間は、保健所(又は保健所が委託した者)が健康観察を実施し、症状に大きな変化がある等の場合は、医師の診察を受け、必要な場合には入院を指示されることがあります)。
なお療養解除に伴い就業制限も合わせて解除できますが、職場復帰に際して 1 週間程度の在宅勤務を行ってから出社することが望まれます。在宅勤務が困難な場合は、復帰後1週間は、毎日の健康観察、マスクの着用、他人との距離を 2m程度に保つなどの感染予防対策を行い、体調不良を認める際には出社はしないこと、などを取り決めておきましょう。
COVID-19陽性者の自宅療養などで介護をした家族や介護者は、患者の自宅療養解除日を起点にさらに14日間の健康観察のための自宅待機をすることが望ましいとされてます。従って、患者である家族よりも自宅待機期間が長くなることがあります。
自宅待機中は、家族間の感染をできる限り防ぐために、家族と居室を分けること、手洗いの励行、タオル等を共用しないなどの工夫が必要です。
自宅待機中の社員とは定期的に連絡を取り、本人の自己判断で出社をしないように、体調変化やそれに伴う今後の復帰の目安などを確認しましょう。なお、復職に際してはPCR検査などの結果を判断の基準とすることは望ましくありません。復帰の目安は上記に示した基準を目安に判断することとし、とりわけ 復帰する社員に「陰性証明書や治癒証明書」の提出を指示するなど、診療に過剰な 負担がかかる要求は行わないようにしてください。