教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

 本学群は、「卒業認定・学位授与の方針」に掲げた学修成果を得るために、その具体的な取り組みとして、教育課程を「基礎教育科目」、「専門基礎科目」、「LA専門科目」、「自由選択」の4つの区分に編成し、科目は講義、演習、実験、実習、実技といった授業方法を組み合わせて開講しています。また、カリキュラムの体系化のために「ナンバリング(科目ごとの関連性や難易度を示す)」を行い、科目の構造を明示し体系的な学修に役立つようにしています。なお、このような教育課程の編成、学修方法・学修過程、ならびに学修成果の評価の在り方については、以下のように定めています。

教育課程の編成

  1. 「基礎教育科目」は、本学群生として「卒業認定・学位授与の方針」に則った学修成果をあげるための基礎知識と技能を身につけるための科目です。カリキュラム内容は「コア科目」、「外国語科目」を中心にしています。「コア科目」では、英語コア科目、キリスト教入門、アカデミックライティングⅠ、アカデミックプレゼンテーション、コンピュータリテラシーⅠ、数的思考と論理、リベラルアーツセミナーで構成され、学園の建学の精神をはじめとする教育目標を具現化するための知識とスキルを修得します。上記のうちリベラルアーツセミナーでは、本学群の学びについての理解を深め、Independent Learnerとしての自覚を持つとともに、大学での学びのために必要な知識と学修スキルを修得します。

  2. 「専門基礎科目」は、専門科目へ進むための足場を固める科目です。カリキュラム内容は「LA専門基礎科目」、「実践基礎科目」、「アカデミックスキル科目」に分かれます。「LA専門基礎科目」では、各学問領域の基礎について学修します。学問領域は、人文学の領域(人文領域)、社会科学の領域(社会領域)、自然科学の領域(自然領域)の3つに分類され、各領域の専門基礎(人文基礎、社会基礎、自然基礎)から「LA専門基礎科目」は構成されています。これらの学修を通し、各学問領域に関する基礎知識を学び、自らの専門とするプログラムの選択に向けた準備をします。また、入学時に選択した領域(自領域)の「LA専門基礎科目」を多く修得することで、領域特有の課題解決方法の基礎を身に付けると同時に、それ以外の領域(他領域)の科目も学びながら、各学問領域の魅力や違いと多角的アプローチの重要性を学びます。

  3. 「LA専門科目」は、「LA専攻科目」、「課題探究・実践科目」から構成されます。LA専攻科目は、専門的な知識をさらに高めるために用意された科目です。本学群では、以下の専門型プログラムが提供されています。人文領域のプログラムとして、文学、言語学、哲学、宗教学、心理学、コミュニケーション学の6プログラム、社会領域のプログラムとして、歴史学、文化人類学、法・政治学、経済学、社会学、教育学の6プログラム、自然領域のプログラムとして、数学、物理学、化学、生物学、情報科学の5プログラムがあります。また、複数の学問領域の知識を必要とする課題の解決を目的として統合領域が設けられ、以下の統合型プログラムが提供されています。国際協力、アメリカ研究、アジア研究、日本研究、環境学、メディア・ジャーナリズム、博物館学、多文化共生、地域デザイン、データサイエンス、科学コミュニケーション、ビッグヒストリー、言語教育の13プログラムです。幅広い学びを通した多角的視野の育成と判断力の養成という目的を達成するために、学生は2年次に、これらのプログラムの中から少なくとも1つのプログラムをメジャー、もう1つのプログラムをマイナーとして選択し、卒業までに認定される必要があります。さらに、「課題探究・実践科目」として、各分野に関連する課題を深く掘り下げながら解決方法について考察する専攻演習と、実践的な活動により社会課題について理解する探究サービスラーニングが提供されます。学生は、少なくとも専攻演習Ⅱまたは探究サービスラーニングのいずれかを修了することで、課題解決力や実践力のさらなる向上を目指します。

  4. 「自由選択」は、学生の多様な関心や目的を達成するために学生が自ら計画し、基礎教育科目や専門科目をさらに学修したり、学内外の授業科目の中から選択履修したりすることができるようになっています。教職教育科目、資格関連科目、留学関連科目もここに含まれます。さらに、他学群の専攻科目や他大学(海外留学、単位互換協定校、放送大学、首都圏西部大学単位互換協定会加盟校など)の科目を修得することで、自身の知識の幅を広げることが可能になります。

学修方法・学修過程

  1. 「基礎教育科目」の「コア科目」は、主として1年次に履修し、大学での学びのための基礎的な知識とスキルを修得します。「基礎教育科目」の「外国語科目」は、「語学を身につけた国際人の育成」という学園の建学の精神の実践から、16言語の外国語を選ぶことができます。「基礎教育科目」では、特に世界共通語となっている英語に力を注いでおり、日本語を母語とする学生は全員が入学当初よりプレースメントテストなどによって、習熟度別に編成されたクラスで段階を踏んで学修することができます。

  2. 「専門基礎科目」は、主として1~2年次に履修し、学群での学びのための基礎的な知識とスキルを修得します。特に「LA専門基礎科目」は人文基礎、社会基礎、自然基礎の3分野の授業が用意されます。自領域のLA専門基礎科目を10単位以上学修することで専門科目に進むために必要な知識を修得するとともに、他の領域のLA専門基礎科目をそれぞれ4単位以上学修することで、リベラルアーツ学群として学んでおくべき幅広い基礎知識の修得と、多角的・学際的視野の育成が計画されています。さらに、「実践基礎科目」では実践的な環境の下で学びを深めるサービスラーニングの基礎科目が提供されます。これらの導入教育を通じて、幅広い基礎知識を身につけると共に、プログラムの選択に向けて自らの専門性を高めるための情報と理解力を得ることができます。

  3. 「LA専攻科目」は、リベラルアーツ学群の教育の中枢をなすものであり、30のプログラムから構成されています。各プログラムは、人文領域、社会領域、自然領域、および統合領域のいずれかの領域に分類されます。各プログラムはその分野の専門性を高めるための多くの科目から構成され、必修科目や選択必修科目が指定されています。メジャー指定されているプログラムにおいて32単位以上を修得すれば、卒業要件の一つであるメジャー認定を受けることができます。学生は自由にメジャーを選択することが可能であり、2年次秋学期に登録します。また、上記30のプログラムにマイナープログラムも用意されています。マイナーは指定された科目を16単位以上修得すれば、認定されます。そして、メジャーに認定されたプログラムの一つとは異なる領域のプログラムを少なくとも一つ選択し、マイナーまたはメジャーの認定を受けることが卒業要件(メジャー・マイナー認定)になっています。このような複数のプログラムをメジャー及びマイナーとして自由に選ぶことで、リベラルアーツ教育の特長である幅広い知識と多角的視野を身につけることができます。「課題探究・実践科目」においては、少なくとも専攻演習Ⅱまたは探究サービスラーニングのいずれか一つを3年次以降に選択し修了することが卒業要件となります。この「課題探究・実践科目」を通して、自ら課題を発見し解決方法を考察する過程を経験し、探究力や実践力を身につけることができます。

  4. 「自由選択」は、学生の多様な関心や目的を達成するために学生が自ら計画し、基礎教育科目や専門科目をさらに学修したり、学内外の授業科目の中から選択履修したりすることができるという仕組みです。教職教育科目、資格関連科目、留学関連科目、他学群の科目もここに含まれます。また、他大学等(海外留学、単位互換協定校、放送大学、首都圏西部大学単位互換協定会加盟校など)の科目の修得も含まれます。

  5. 本学では、「アドバイザー制度」が設けられ、学生一人ひとりの学修計画や履修登録に関する相談等をアドバイザーが担当しています。アドバイザーは各学年15人前後の学生を卒業まで継続して指導することが原則となっています。アドバイジングの内容は、学生自身の学修状況の確認や科目履修に関する学修指導等のアカデミックな内容が中心となります。また、教育支援事務による履修・学修相談も随時行われ、教職員が互いに連携した学修支援体制を整えています。

  6. 本学群で教育課程の編成や実施方法を可視化するためのカリキュラム・マップ(ディプロマ・ポリシーの各項目をどのように育成しているのかを科目ごとに表形式にて表したもの)を用い、学生がどの科目を学修すれば「卒業認定・学位授与の方針」に掲げた項目の能力・資質を高めることが可能となるのかを把握できるようにしています。また、リベラルアーツ学群として学生が身につけたい能力や知識の育成のために、「履修モデル集」を作成し公開しています。この「履修モデル集」では、各プログラムがそれぞれの領域に応じて、目標とする能力や知識を実現するために履修を推奨する科目群が明示される形式となっています。学生は、このモデル集を参考にして履修計画を作成することにより、効率的な学修が可能となります。

学修成果の評価の在り方

  1. 学修成果とは、カリキュラム・マップ等により示された目標に関して履修者はどの程度到達したのかを示すものです。したがって学修成果はそれぞれの科目で設定されています。

  2. 学修成果の評価方法は、科目ごとのシラバスにおいて具体的に示されています。また、ルーブリック評価などを取り入れることによって、成績評価を分かりやすく可視化し、厳格に評価します。