ワークショップ

(一般公開・非会員参加可)

ワークショップA: 布コラージュ療法の実践と実例について

講師:山中 康裕 先生(京都大学名誉教授・京都ヘルメス研究所長)

【会場:ガレッソホールA】

布コラージュは、京都ヘルメス研究所の芸術療法士・藤井智美によって開発され、私の研究所で洗練された方法で、森谷の言う箱庭療法から思いついたというコラージュ療法とは、何の関わりもなく、独自に開発された方法で、その肌触りや幼い頃や若い頃の記憶から、女性や老人に、特にいい方法であると思われる。

今回、演者自身が、その実例を挙げるとともに、会場で、実践的にワークショップを開催するので、各自、鋏(はさみ)と端切れ(布)を持ちよってほしいと思う。台紙は、藤井の原法は、ハガキ大の用紙であるが、私は、バウムテストや風景構成法等と同じく、A4の画用紙もしくはケント紙を用いてきた。コピー用紙でも構わない。

☆はさみ・布は参加者各自で可能な範囲でご持参ください。ただし、会場内にも、はさみと布の予備をいくつか用意しています。またA4台紙・のりは会場にすべてご用意しています。

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ワークショップB:「身体知」の心理臨床 -心的機能からの視点-

講師:名取 琢自 先生(京都文教大学) 髙橋 幸治 先生(大阪府立大学)

【会場:ガレッソホールB】

ユング心理学のタイプ論では、人間が内界・外界から情報を得る「機能」として思考、感情、感覚、直観の四種類が論じられている。アスリートが競技との取り組みで開発し、実践している「身体知」には独自の深さと精密さが備わっており、ひとつの「機能」ともみなしうるのではないか。アスリートとの心理臨床の事例から、「身体知」の理解を深めたい。

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ワークショップC : イメージを蘇らせる-ヴァールブルクのイメージ学から見たバウムテスト

講師:岸本 寛史 先生(静岡県立総合病院)

【会場:新潟第一ホテル 新柳】

イコノロジーの祖とみなされてきたヴァールブルクはディディ-ユベルマンなどによる再評価を経てイメージ学や文化学の先駆者として見直されている。(ヴァールブルクはかつてビンスワンガーのサナトリウムで療養していたが、エルンスト・カッシーラーの助けも得て、精神病状態から抜けていく。)イメージを科学的、客観的に分析する実証主義的な立場ではなく、その単独性を重視し、過去がそこで生き、そこで残存する歴史としてその衝撃を受け止める。いわば、死体を解剖するのではなく、幽霊のごとく残存するイメージに命を吹き込む。ヴァールブルクのイメージ学にはそんな眼差しが生きている。

バウムテストにおいて描かれたバウム描画を、死体のごとく腑分けして解釈しても臨床には生かせない。バウムを臨床に生かすための手掛かりを、ヴァールブルクのイメージ学に求めてみたい。

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ワークショップD: 夢のイメージは時空を超えて

講師:山 愛美 先生(京都先端科学大学)

【会場:新潟第一ホテル 花苑】

言葉や形にならないイメージは、時空を超えて人間の心や社会に深く影響を及ぼしている。しかし残念ながらこのようなイメージは、私たちの日常の「目」には見えない。新海誠の『君の名は。』や村上春樹の制作にまつわる本人のインタビュー、イメージが世代を超えて伝わる現象などを取り上げながら、夢のイメージのもつ力について考えたい。目に見える結果や効率の良さばかりに人々の目が向く傾向があるように見受けられる現代社会を見つめ直す機会になればと思う。