日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会 第41回研究会
日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会では,第41回研究会を開催致します.本研究会は「2026年並列/分散/協調処理に関するサマー・ワークショップ (SWoPP2026)」において,電子情報通信学会の3研究会,情報処理学会の4研究会,およびxSIGとの連携により開催されます.
SWoPP2026 開催日: 2026年8月5日(水)~ 7日(金)
会場:飛騨・世界生活文化センター(通称:飛騨センター)(岐阜県高山市)およびオンラインのハイブリッド開催を予定
SWoPP2026のWebページ:https://sites.google.com/site/swoppweb/swopp-2026
注意:研究会の実施に関しては,SWoPP2026の方針に準ずるため,必要に応じて,上記のSWoPP2026のWebページを適宜ご確認ください.
現地参加予定の方へ:夏の高山は宿泊が非常に混み合うそうですので,ご参加予定のある場合はお早めに宿の確保をお願いします.(直前の予約はほぼ不可能とのことです.)
問い合わせ先:mepa-kanji-ml [at] ml.jsiam.org (担当:深谷 猛)
発表申込
発表申込期間:2026年5月13日(水)~5月19日(火) 5月26日(火) ※延長(希望者多数の場合は原則先着順)終了しました
申込フォーム:https://forms.gle/DZ8v8KPH4hR2DTHt6 終了しました
発表申込の際は,講演題目,著者(所属),登壇者(所属),連絡先メールアドレス,講演概要(200字程度),発表方法(現地 or オンライン,現時点の予定で構わない),備考の入力をお願いする予定です.
1件当たりの発表時間は20~30分(質疑応答込み)の予定です.(SWoPP2026全体にタイムテーブルに準じます.)
現地発表および遠隔発表のどちらも受け付ける予定です.しかしながら十分な通信環境を準備できない可能性があり,ご発表の方にはできるだけ現地参加をお願いする予定です.また,講演申込多数の場合には現地発表の方を優先させていただく場合があります.
本研究会での発表には,JSIAM Letters 誌への投稿権が付与される予定です.(著者に日本応用数理学会会員が含まれていなくても JSIAM Letters 誌への投稿機会が与えられます.)
参加申込
プログラム ※SWoPP2026全体プログラムはこちら。
8月6日(木) 現地会場:中会議室2
セッション MEPA-1:高性能計算 座長:宮島 信也(東北大学)
講演 (1)(9:25 – 9:50):〇中島 研吾(東京大学情報基盤センター・理化学研究所),山崎 一哉(東京大学情報基盤センター)
並列多重格子法の高度化の進展
著者等は21世紀初頭より並列多重格子法の高度化,最適化に取り組んできた。主として汎用CPUによる大規模クラスタを使用してきたが,筑波大・東大が共同で運用するMiyabiシステムに搭載されたNVIDIA GH200におけるNVLink-C2Cの特性を利用した最適化事例について紹介する。また,最近数年取り組んでいる,計算と通信のオーバラップによる最適化への取り組みについて紹介する。
講演 (2)(9:50 – 10:15):〇内野 佑基(理化学研究所),尾崎 克久(芝浦工業大学),今村 俊幸(理化学研究所)
尾崎スキームを用いたLevel 3 BLAS
低精度行列乗算器を活用した高精度行列乗算エミュレーション手法の尾崎スキーム IIを扱う.尾崎スキーム IIの既存実装は一般行列乗算(GEMM)のエミュレーションのみである.本研究ではGEMMエミュレーションを応用したLevel 3 BLASを設計する.本成果はLevel 3 BLASを用いる線形方程式や固有値計算の高速化に貢献する.
講演 (3)(10:15 – 10:40):〇尾崎 克久(芝浦工業大学),内野 佑基(理化学研究所) , 寺尾 剛史(早稲田大学),今村 俊幸(理化学研究所)
行列分解に対する行列積エミュレーションの適用:直接適用と前処理利用の比較
数値線形代数におけるLU分解,コレスキー分解,QR分解などの主要な行列分解では,ブロック化により計算の多くを行列積に帰着させ,高い性能を実現している.近年,低精度演算器を用いた行列積エミュレーション法として尾崎スキームが注目されている.本発表では,尾崎スキームを行列分解へ直接適用する場合と,前処理として利用する場合について,精度と性能の観点から比較・報告する.
セッション MEPA-2:行列計算の理論と応用 座長:尾崎 克久(芝浦工業大学)
講演 (4)(10:50 – 11:15):〇Shinya Miyajima (Tohoku University), Amir Sadeghi (Islamic Azad University)
Numerical calculation for complementary error matrix function
A solution to systems of partial differential equation can be written by using the complementary error matrix function. In this talk, we propose three numerical algorithms for computing this matrix function.
講演 (5)(11:15 – 11:40):〇橋本 悠香(NTT/理研AIP),園田 翔(理研AIP/CyberAgent),石川 勲(京都大学/理研AIP),池田 正弘(大阪大学/理研AIP)
Koopman作用素を用いた汎化誤差解析
ニューラルネットワークの性能評価において,汎化性能,つまり,未知のデータに対してモデルがどの程度フィットするかの評価は重要である.これに対して,Koopman作用素と呼ばれる線形作用素を用いた汎化性能評価を与えることにより,ニューラルネットワークの重み行列のdeterminantと汎化性能の関係性を与える研究が行われている.しかし,既存研究では,モデルの滑らかさに関する制限など,現実的ではない仮定が必要であった.本研究では,この枠組みを拡張し,実際に使われているモデルにも適用可能な枠組みを構築する.
講演 (6)(11:40 – 12:05):千代延 未帆(滋賀大学),前野 温志(福井大学),高田 雅美(奈良女子大学),〇木村 欣司(福井大学),山本 有作(電気通信大学),中村 佳正(大阪成蹊大学)
倍倍精度演算を利用する主成分分析のための新しいアルゴリズムについて
大きいほうから数個の特異対を計算する問題を小さいほうから数個の特異対を計算する問題へと変換し、変換後の問題を陽的シフト付き直交QD法により解く。新しいアルゴリズムは、最終の計算結果について倍精度分の計算精度を持つ値を得るために、途中の計算結果においては倍倍精度分の計算精度を要求する。倍倍精度演算は計算時間を増大させるが、陽的シフト付き直交QD法は収束次数が高いため、顕著な速度低下は見られない。
講演 (7)(12:05 – 12:30):〇村上 弘(東京都立大学)
随伴行列の疎性に特化した1変数代数方程式の高速全根解法の紹介
1変数代数方程式の全根解法として随伴行列の固有値を求める方法がある.ヘッセンベルグ形行列に対する通常のQR反復法による全固有値計算ではNを行列の次数とするとき記憶量がNの2乗,計算量がNの3乗に比例するが,2005年頃から複数のグループの研究により随伴行列の疎性に特化したQR反復法で記憶量がNに,計算量がNの2乗に比例するものが提出され,後退誤差安定であることも示された.その紹介と実験を試みる.