書籍
『奇跡のピアニスト 舘野泉』
監修:舘野泉
著者:サリ・ラウティオ 訳:五十嵐淳
2022年にフィンランドで出版されたクラシック界のレジェンド舘野泉の評伝。待望の邦訳がいよいよ発売。
88歳を迎える今もなお精力的に演奏会を行い、多くの人々を魅了し続けているピアニスト舘野泉。その生き方に魅了された著者サリ・ラウティオは、約3年半の歳月をかけて、フィンランド人ならではの視点で舘野泉の人生を本書にまとめ上げた。生い立ちから現代までの数々のエピソードに加え、日本を代表する作曲家、間宮芳生、吉松隆、フィンランドの名匠ヨルマ・パヌラなど、舘野泉と親交の深い人物のインタビューも収録。舘野泉の集大成ともいえる評伝となっている。
日本語版は舘野泉本人による監修のもと、新たな写真を追加掲載し、内容を補訂した。
【舘野泉】1936年生まれ。1960年東京藝術大学を首席卒業。1964年よりヘルシンキ在住。領域に捉われず、分野にこだわらず、常に新鮮な視点で演奏芸術の可能性を広げ、不動の地位を築いた。2002年に脳溢血で倒れ右半身不随となるも、しなやかにその運命を受け止め、「左手のピアニスト」として活動を再開。尽きることのない情熱を、一層音楽の探求に傾け、独自のジャンルを切り開いた。もはや「左手」のことわりなど必要ない、身体を超える境地に至った「真の巨匠」の風格は、揺るぎない信念とひたむきな姿がもたらす、最大の魅力である。
【サリ・ラウティオ】フィンランド在住。教会音楽家としての活動に加え、音楽や文化の分野で活躍する人の記事を多く執筆している。夫はフィンランドを代表するチェロ奏者の巨匠エルッキ・ラウティオ。
【五十嵐淳】フィンランド国立タンペレ大学人文学部フィンランド文学科卒。同修士課程修了。専攻はフィンランド文学。慶應義塾志木高等学校や語学学校の講師、翻訳者を務めている。評伝の訳書にトゥーラ・カルヤライネン著『ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン』(共訳、河出書房新社、2014)、カリ・ホタカイネン著『知られざるキミ・ライコネン』(訳・監修、三栄書房、2018)、『アイスマン キミ・ライコネンの足跡』(訳・三栄書房、2021)がある。
2024年6月28日発売
A5判 ソフトカバー 320ページ
定価:3,300円(税込)
ISBN 978-4-910731-02-5
Amazon:https://amzn.asia/d/iJvLL5J
『エジプト人 シヌヘ』上下巻
著者:ミカ・ヴァルタリ
訳者:セルボ貴子
監修:菊川匡(古代エジプト美術館ファウンダー)
編集協力:上山美保子
フィンランドを代表する作家ミカ・ヴァルタリが描く歴史長編小説。
1945年に発行されてからこれまでに41か国で翻訳され、世界的ベストセラーとなり、唯一ハリウッド映画化された。
今もフィンランドで愛され続ける本作が、初のフィンランド語からのノーカット版で出版。
舞台は今から約3400年前。古代エジプト文明の栄華を誇る新王国時代に生まれた主人公シヌヘの一代記。
シリア、バビロン、ヒッタイト、クレタ島などさまざまな国で医師としての知識を得ながら、思いもよらない運命に巻き込まれていく。
この物語は歴史に隠された真実なのかもしれない。まるでノンフィクションかと思うほど当時の時代が忠実に再現され、ファラオ・アクエンアテン、ホルエムへブ、神官アイなど史実に基づく人物も生き生きと描かれる。下巻にはあのツタンカーメンも登場。
エジプトや地中海の歴史はもちろん、壮大な冒険、ロマンス、権力闘争など、小説の醍醐味をここぞとばかりに味わえる渾身の一作。
2024年4月20日発売
<上巻>
四六判 仮フランス装 496ページ
定価:2,750円(税込)
ISBN 978-4-910731-01-8
Amazon:https://amzn.asia/d/9OAYpVw
<下巻>
四六判 仮フランス装 528ページ
定価:2,750円(税込)
ISBN 978-4-910731-03-2
Amazon:https://amzn.asia/d/auu2pGn
『若く逝きしもの』
原作 フランス・エーミル・シッランパー
翻訳 阿部 知二
解説 桑木務
1953年に筑摩書房から発行された名作が、待望の復刊。
フィンランドの激動の時代を背景に、過酷な運命に翻弄されながらも、
北欧の大自然を慈しみ、人を愛し、ひたむきに生きた、少女シリヤの物語。
1939年にノーベル文学賞を受賞したフィンランドの作家シッランパーが1931年に発表した代表作。
クラシック界のレジェンド 舘野泉さんの愛読書
ー帯のコメントよりー
「年若く美しい田舎娘シリヤに死が訪れたのは、夏至のヨハネ祭の一週間ばかり後の、夏の日もまだ若々しくかがやいている頃だった。」と静かに語り出されるこの物語。
原初からの光のように飾らず慎ましいが、自然で誇り高い北欧音楽の底流と同じものを感じ、この数十年もの間に何回となく読み返してきた。
2022年8月20日発売
仮フランス装/四六判/392ページ
定価2200円(税込)
ISBN:978-4-910731-00-1
※復刊に際し、送り仮名や一部の表記を整理しています。
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