機能性流体は,外部からの磁場や電場などによって機能を発揮する流体です.機能というのは熱を出したり,流れにくくなったり,光を通したり通さなくなったりと様々な変化を指しています.どんなものに反応してどんな変化を起こすのかによって名前が付けられているものもあります.代表的なところでは,磁気粘性流体,電気粘性流体などが知られています.
磁性微粒子を油などの液体に均一に分散させたものが磁性流体です.磁石を近づけると吸い寄せられ,写真のようにトゲトゲした形をとるスパイク現象といった特徴的な現象を発現します.もとは宇宙空間におけるシール材(隙間を埋める材料)などとして開発がなされた比較的新しい材料です.
本研究室では,この磁性流体を使ったアクチュエータの研究なども行っています.
スパイク現象
磁性粒子は数nm(ナノメートル)~数μm(マイクロメートル)という非常に微小な磁場に反応をする粒子です.本研究室では主に酸化鉄系の粒子を対象にしています.特にヘマタイトと呼ばれる粒子は,調製方法によってさまざまな幾何学形状を持つ粒子を作ることができます.本研究室では,粒子を作るところから始めています.現在は,正六角形平板状やキューブ状などの粒子を実験に使用しています.
キューブ状ヘマタイト粒子(1μm程度)
時間変化する磁場を印加すると磁性粒子は磁場を追いかけて回転をします.この回転の際に母液との間の摩擦により熱が生まれます.この熱を医療に利用したものが磁気温熱療法です.この治療法は,ガンの治療を目指して研究が行われています.
発熱効果の大きさは,粒子の材料,大きさや形,外部磁場の条件など様々な要因が絡むとされています.本研究室では,どのような条件であればより高い発熱効果が得られるのかについて実験及びシミュレーションの両面から研究をしています.
シミュレーション結果
凝集体の形態によって発熱効果が変わる
磁性粒子をコーティングすることによって,粒子がまとまり易くあるいはまとまり難くする,特定の物質を吸着するなどさまざまな機能性を付与することができます.本研究室では,アンモニウムイオンや油といった汚濁物質を対象に効率よく回収・除去するための研究を行っています.研究は,回収粒子の調製や汚濁物質を吸着した粒子をどのように回収するのかなどを検討をしています.