串田という地名の由来は不明ですが、西方寺の下のあたりから曽原にかけて条里制の跡があったからという説、串で刺したような小さな田が多いからという説があります。串田には西方寺や串田の城山などがあります。

曽原の語源は、入江の浜に船の帆を干していた帆原が、曽原となった説、麻を栽培していた麻原説と、上・高・頂上の意味のあるソハラ説があります。更に古代朝鮮語では中心という言葉にあたるとの説もあります。曽原には先に紹介したようにバイストンの他に一等寺や清田八幡宮神社、などがあります。

福江という地名は、古代に郷内の平地に海水が入り込んで、入江になっていたところが「江」で、「福」は膨らんだ地形を表す言葉で、湿地、開拓地名に多く見られるそうです。従って入江を干拓して生まれたのが、福江と言われています。その福江には木華佐久耶比咩神社や薬師庵などがあります。

尾原は由加山系の水に恵まれ、早くから水車が利用されていましたが、綿が栽培されるようになると、より糸の動力源として水車が大いに利用されました。そのため尾原といえば撚糸業の代名詞のように使われた時代もありました。その尾原では慈眼院や鎮守社などがあります。

古い時代には「喜美」「貴美」とも書いたと言われています。木見は君の村、公の村という意味があるとも言われています。これは配流いになった頼仁親王を、君と言ったところからとの説もあります。木見には住心院、佐倉惣五郎の供養碑、木見の天満天神社、岩椿神社などがあります。

林という地名は、蟻峰山稜線に至る森林に由来するという説、熊野権現(熊野神社)の神の森からの林と考えるのが自然な地域であると書かれていたりします。林には真浄院や五流尊龍院、日本第一熊野神社などがあります。日本第一熊野神社の本殿などには県や国の重要文化財になっているものもあります。