講演のご依頼

日本政治思想史を専門としています。福沢諭吉と明治・大正・昭和戦前期の日本を主な対象に、政治、思想、宗教、教育、外交関係にわたる話題をお引き受けしています。これまで、学会・研究会、大学・自治体の公開講座、各種記念式典、同窓会組織などで、具体的な史料や人物のエピソードを軸にお話しして参りました。

演題一覧

1 福沢諭吉「独立自尊」を、改めて読む

一身独立して一国独立す——この一句は個人の自立を説いた道徳訓として読まれがちですが、福沢が構想していたのは、独立した個人が家を、地域を、国を支えるという積み上げ式の構造でした。組織における自律と責任の関係を、明治期の思想から考えます。

2 明治日本は、どうやって「国のかたち」を設計したか

明治日本では、憲法、議会、内閣——近代国家の骨格が、わずか二十数年で組み上がりました。伊藤博文がウィーンで学び取った助言、外国人顧問の起用、そして憲法を完成物ではなく、進行中の過程と捉えた発想。ゼロから制度を作るとはどういう作業かを追います。

3 「信教の自由」は、誰のために書かれたのか

明治憲法第二十八条に国教条項が入らなかった背景には、宗教を理由に職を追われた外国人顧問の助言がありました。少数者の経験が、いかにして制度に流れ込むのか。そして国家は、法や政策を通じて宗教といかに向き合ってきたのか。国家と宗教の距離という、現代にも続く問題を歴史から考えます。

4 演説と討論——明治日本が輸入した「話し合いの技術」

「speech」 に当たる日本語がなかった時代、福沢諭吉は訳語を作り、専用の会堂を建て、議事の作法を本にして配りました。動議、採決、議事録——いま会議室で自明のものとして行われている手続きは、すべて誰かが練習して身につけた技術です。話し方ではなく、異論を聞いて決める作法の歴史。

5 吉野作造とデモクラシー——多数決だけでは足りない

デモクラシーは多数決を重んじ、それは少数派に不利に働く。それゆえに、リベラリズムを伴わなければならない——吉野作造がたどり着いた結論は、百年後のいまこそ重々しく響きます。憲法という動かせない枠の内側で、彼が何を守ろうとしたのかを追います。

6 明治の若者は、どうやって世界に出ていったか

ハーバード大学やMIT、イエール大学を日本人として初めて卒業した若者たちは、辞書も教師も乏しい環境から出発しました。留学、語学、そして異文化のなかで自尊心をどう保ち、帰国してどう国家建設に貢献していったのか。さまざまな事例を検討します。

7 幕末・明治の政治家と信仰

原敬や、自由民権運動を経て西洋の政治思想とキリスト教を同時に受容していったクリスチャン政治家たちは、信仰とどう向き合ったのか。表の政治史には出てこない、個人の内面と公的な活動の関係を読み解きます。

8 「殺すなかれ」と説いた宗教は、なぜ戦争を支えたのか

戊辰戦争から太平洋戦争の敗戦まで、日本は常に戦争とともに歩んできました。仏教界、神道界、キリスト教界は従軍布教使を送り、軍資金を献じ、戦没者の法要を営み、占領地に神社を建てます。殺生を戒めるはずの教えが、戦争協力を正当化するに至っていく経緯・論理、また戦争に反対する運動とは何だったのかを問います。

9 殿様は、どうやって近代を生き延びたのか——大名華族の明治維新

廃藩置県によって、藩主たちは一夜にして統治者の座を失いました。華族となった彼らのなかから、慶應義塾で平民と机を並べ、欧米に留学し、学者や外交官、知事、大臣として近代国家を支えていく人材も生まれます。旧岸和田藩藩主・岡部長職、中津藩藩主・奥平昌邁のなどが何を学び、いかにして再生したのかを追います。

上記は目安です。ご関心のあるテーマがあれば、ご相談のうえ構成いたします。

主な講演実績

2026年

7月 [大学]

「福沢諭吉における演説・討論——その原点を訪ねて」

 慶應義塾大学弁論部(於・慶應義塾大学)

6月 [記念行事]

「原敬と吉野作造における福沢諭吉——遺産の継承と断絶」

 原敬を想う会 設立20周年記念講演会(於・サンセール盛岡)

6月 [同窓会]

「アメリカ留学から太平洋戦争へ——ボストン三田会と海軍からみた「危機の20年」」

 ボストン三田会日本支部(於・慶應義塾大学)

2月 [記念行事]

「中津藩出身者と留学について——奧平昌邁・津田純一を中心に」

 福沢諭吉先生126回忌法要記念講演会(於・中津文化会館リル・ドリーム)

1月 [国際・英語]

「Constructing Meiji Japan: The Roles of Yukichi Fukuzawa and Hirobumi Itō」

 5th International Conference “Co-creating Sustainable Solutions: Japanese Lessons for Socio-Economic and Environmental Innovation in Africa”
 (於・Japan Corner, Félix Houphouët-Boigny University, Abidjan, Côte d’Ivoire)(オンライン)

2025年

11月 [高等学校]

「福沢諭吉と演説・討論——デモクラシーとコミュニケーション」

 杉並学院高等学校講演会(於・杉並学院高等学校)

10月 [自治体]

「偉人が描いた世界、日本、信州——福沢諭吉と渋沢栄一」

 東御の日記念講演会(於・東御市中央公民館)

5月 [記念行事]

「近現代日本の「信教の自由」と「政教分離」——行政・政治・法曹」

 日本弁護士連合会・東京三弁護士会主催憲法記念行事シンポジウム(於・弁護士会館)

3月 [研究会]

「西郷従道と明治陸海軍の建設」

 幕末史研究会(於・新宿歴史博物館講堂)

2024年

10月 [同窓会]

「福沢諭吉——変貌する肖像」

 慶應義塾大学経済学部千種義人ゼミ講演(於・慶應義塾大学)

9月 [国際・英語]

「Early Japanese Students at MIT: Study Courses, Networks, and Private Diplomacy」

 From Samurai into Engineers: Panel discussion celebrating the 150th anniversary of MIT’s First Japanese Students(於・MIT)(オンライン)

2023年

11月 [学会]

「権力・宗教から考える「信教の自由」」

 宗教倫理学会 第24回学術大会(基調講演)(於・龍谷大学)

11月 [同窓会]

「『学問のすゝめ』と福沢諭吉の思想」
 上田三田会(於・上田高等学校同窓会館) 

9月 研修会

宗教団体法制と知識人—『太陽』『中央公論』を中心に
 吉野作造記念館人材育成研修会(於・吉野作造記念館 


形式・時間

対面またはオンライン
・60分/90分(質疑応答を含む)
・対談形式、パネルディスカッションへの参加も可能です

謝金の目安

謝金は内容・形式・主催者の規模により異なります。目安として、企業・団体研修は30万円〜、市民講座・記念講演は15万円〜でお引き受けしています。教育機関・非営利団体からのご依頼は別途ご相談ください。

お引き受けの範囲

講演のほか、以下もお引き受けしています。

・展示・映像作品・出版物の時代考証、監修
講座シリーズの企画、複数回の連続講義
取材、コメント、寄稿


ご依頼にあたって

大学の職務との調整のため、開催日の3か月以上前にご連絡いただけますと幸いです。学期中は平日日中の対応が難しい場合があります。

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