次世代研究プロジェクト推進プログラム
次世代研究プロジェクト推進プログラム
慶應義塾次世代研究プロジェクト推進プログラムとして、「近現代日本における「外交」の学際的・国際的研究—皇室・政治・学術を中心に—」(研究代表者・小川原正道)と題する共同研究を推進しています。このページでは、プログラムの概要と進捗状況をお知らせします。
■研究期間:2025年4月〜2028年3月
■研究の目的:近現代日本の皇室、政治、学術の世界において、民間外交を含む広い意味での「外交」の実践を通して、日米英関係の改善に寄与した事例を考察し、その多面的な実態と意義を解明する。日米関係の「断絶」で止まっていた研究代表者のこれまでの研究を、「継承」という観点から発展させる試みである。日米英関係の発展に寄与した皇室(昭和天皇・皇后、明仁皇太子・皇太子妃など)、政治・外交家としての吉田茂一家(牧野伸顕、吉田茂など)、日本人アメリカ研究者・アメリカ人日本研究者(高木八尺、エドウィン・O・ライシャワーなど)を具体的事例として取り上げる。
■研究の内容:日米英における近現代の皇室外交を中心に、これを支えつつ、公的・私的な領域で広く「外交」活動を展開した吉田一家に着目して、その「外交」の実態をあきらかにする。皇室外交は昭和天皇・皇后、明仁皇太子・皇太子妃を中心に取り上げ、吉田一家は牧野伸顕、吉田茂、吉田雪子を軸に検討する。また、吉田に戦後象徴天皇制のあり方を提示した小泉信三をはじめとする慶應義塾関係者とハーバード大学との連携を、大学部設置から戦後にいたるまでの時代を射程に入れて解明する。このほか、学術面で日本におけるアメリカ研究の先駆者となって、日米学術交流を推進した高木八尺と、アメリカにおける日本研究の第一人者として日米の学術交流に寄与したエドウィン・O・ライシャワーの具体的な取り組みをあきらかにする。
■構成員:
・研究代表者
小川原正道(慶應義塾大学法学部教授)
・研究分担者
ヒロム・ナガハラ(マサチューセッツ工科大学歴史学科准教授)
アニカ・A・カルバー(フロリダ州立大学歴史学科教授)
舟橋正真(公益財団法人政治経済研究所研究員)
小宮京(青山学院大学文学部教授)
カン・テユン(慶應義塾大学非常勤講師)
■進捗状況
2025年4月5日(日本時間):第1回研究会(オンライン)開催
2025年9月1日(日本時間):第2回研究会(オンライン)開催
・小川原正道(慶應義塾大学)
「高木八尺の日米民間外交ーヒュー・ボートンとの交流を中心に」
・ヒロム・ナガハラ(マサチューセッツ工科大学)
「ハーバード大学図書館所蔵ジョセフ・グルー文書にみる英語話者としての昭和初期日本のエリート層」
■連絡先
本研究に関するお問い合わせは、下記までお寄せください。