学内公開研究会・多分野交流演習
学内公開研究会・多分野交流演習
趣旨説明文
昨今、日本ではクマが人の居住地に接近することによる死傷事故が発生しています。人口減少に悩む地域社会では対策のためのリソースに乏しく、ネット上では乱暴な絶滅論も出ています。しかし、それで本当によいのか、この問題を一つの象徴的事象ととらえて、「生物多様性」を地域の環境・経済・文化のサステイナビリティとの関連から考えてみることは可能か。このような問題意識が、今年度のテーマを設定する端緒となりました。
そもそも「生物多様性」(遺伝子・種・生態系の多様性)をどうとらえるべきか、それは「生態系サービス」「自然資本」等の概念とともに、人間中心的・道具的にとらえられるのか、それとも生命の内在的価値に注目し、人間の存在様態に関わる根本的問題としてとらえられるのか。
こうした現実的問題とは別に、人文社会系の諸分野で、関連する思潮が目立ってきています。哲学・文学における動物論的転回、世界各地の自然観・宗教観・宇宙観への理解、植物や菌類をも含むマルチスピーシーズ民族誌、環境人文学におけるMore-Than-Human研究やポストヒューマニズム論など。これら最新の思想動向に加え、環境史・考古学の長期的視点をも組み入れ、文理連携の対話を促進します。
人文社会系研究科の大学院生向けの授業・多分野交流演習「サステイナビリティと人文知」と兼ねていますが、大学院生以外の学内関係者(学部生・教職員)も参加は自由です(紹介があれば、他大学関係者も参加可能)。1度のみの参加もOKです。
原則として、(月1、2回)金曜日17時〜19時に実施します。
ハイブリッド開催となります。「お問い合わせ」ページから、学内メールアドレスを記載の上、ご連絡ください。追って対面開催の教室とZoomリンクをお知らせします。
04/17 堀江 宗正「生物多様性とMore-Than-Human」
05/08 芳賀 猛「動物由来感染症とワン・ヘルス」
05/22 橋本 禅「生物多様性と生態系サービス」
06/05 宮下 直「生物多様性の先から“持続可能性”を問い直す」
06/26 工藤 尚悟・柳澤 龍「人口減少地域におけるクマ問題とサステイナビリティ」
07/24 桜井 良「社会心理学から見たクマ問題」
10/02 岩井 雪乃「タンザニアにおけるゾウ獣害対策」
10/16 鴨下 顕彦「農業生態系の多様性とサステイナビリティ」
10/30 奧野 克巳「存続可能性、多自然主義、狩猟採集民」
11/13 福永 真弓「サーモンになった魚たち」
12/04 森先 一貴「更新世末の環境、動物、ヒト」
12/25 院生発表
01/08 予備日
01/29 総括討論