福井 玲 名誉教授(2022年度3月末をもって退職)
福井 玲 名誉教授(2022年度3月末をもって退職)
韓国朝鮮語の歴史言語学的研究、音声・音韻に関する研究、ハングル資料についての資料研究、韓国語の方言に関する研究を専門としている。より具体的には、15世紀を起点とする音韻史の研究や、日本と同様のピッチアクセントをもつ諸方言についての研究などのほか、本学部所蔵の小倉文庫において、雨森芳洲が編纂したと推定されながらも、これまでまったく研究されたことのない韓国語の近代語研究にとって重要な資料を見出して研究を進めている。また、ここ数年は小倉進平の残した朝鮮語方言調査資料をもとに、言語地図を作成し、その解釈を行なうことにより語彙史の研究も進めている。
主な著書に『韓国語音韻史の探究』(三省堂2013年)、最近の論文に、「中村庄次郎筆写本『酉年工夫』の語学的特徴」(『韓国朝鮮文化研究』11、2012年)、「捷解新語初刊本のテキスト分析」(『韓国朝鮮文化研究』13、2014年)、 「中世韓国語の「傍点」をめぐるいくつかの基本的な課題」(『言語研究』148、2015年)、「小倉進平の朝鮮語方言調査について―『朝鮮語方言の研究』所載資料の活用のために―」(『東京大学言語学論集』37、2016)などがある。