下記の通り、シンポジウムを開催いたしますので、ご案内差し上げます。シンポジウムは、対面形式で行いますが、オンラインでの参加も可能です。参加ご希望の方は、本案内末尾にあります、参加申込フォームよりお申し込みください。
申込期限:2024年1月24日(水)正午まで
「シンポジウム 東アジアの祖先祭祀を問い直す―少子化、父系理念、家族を超える試みから」
1. 趣旨
東アジアにおける祖先祭祀・死者祭祀のあり方は、急激な変化と多様化のただ中にある。その要因として、祭祀者自体の確保が困難となる少子化の進展があることは言うまでもないが、これに加えて、父系理念への希求性の変化や新たなジェンダー観の出現などが、いままでの「常識」を超えた祭祀のあり方を生み出している。こうした変化には、当然ながら国家、市民社会そして市場の存在が大きく関わり、東アジアの諸社会それぞれに特徴的な変容をもたらしてきた。さらに、祖先や親の祭祀をささえる家族イデオロギーは、もはや単純なものではなくなり、人々は多様な家族イデオロギーの葛藤を経験することになった。そして、家族の枠組みをこえた親密圏のもつ意味は拡大している。このような現状のなかで、人は「死」によって隔てられた家族員を、また祖先を、いかに自らに結びつけ、あるいは断絶していくのか。さらに人々はいかに自らの死後祭祀をアレンジするのか。本シンポジウムにおいては、こうした変動する東アジアの祭祀の諸相から、人のつながりの多様な変化の様態をとらえ、議論していく。
2. 日時・場所
日時:2024年1月27日(土) 10:00~17:00
場所:東京大学本郷キャンパス 国際学術総合研究棟 文学部三番大教室・オンライン
アクセスhttps://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_01_07_j.html
3. プログラム
(1) 10:00-10:10 趣旨説明 植野弘子(東洋大学)
(2) 10:10-12:00 第1セッション 少子化時代の祖先祭祀
司会 川口幸大(東北大学)
発表① 中村八重(韓国外国語大学校)
なぜ祀りたくないのかー韓国の若年層の祖先祭祀観を中心に
発表② 越智郁乃(東北大学)
祖先祭祀を支えるものー現代沖縄の若年層にみる祭祀継承とジェンダー観
発表③ 上水流久彦(県立広島大学)
新たな祭祀装置としての霊骨塔・自然葬―台湾社会を事例に
評者 西村一之(日本女子大学)、李華(延辺大学)
12:00-13:00 休憩
(3) 13:00-14:50 第2セッション 介入/構築される家族
司会 玉城毅(奈良県立大学)
発表④ 横田祥子(滋賀県立大学)
国際結婚をめぐる男女と国家―少子化時代の台湾における家族形成
発表⑤ 川瀬由高(江戸川大学)
位牌のない祖先祭祀―南京市郊外農村における政治経済的変動と伝統の「復興」
発表⑥ 田中大介(自治医科大学)
弔いとライフデザインー現代日本の葬儀にみる人生設計の理念とその諸相
評者 植野弘子、長沼さやか(静岡大学)
14:50-15:00 休憩
(4) 15:00-17:00 第3セッション 家族・親密圏の再構築と脱構築
司会 植野弘子
発表⑦ 本田洋(東京大学)
現代韓国の祭祀と家族―孤立・流動化する親密圏と個の再帰性
発表⑧ 川口幸大
現代中国社会における家族と親族―理念の父系、現実の双系、そしてセーフティネット
発表⑨ 玉城毅
慣習を振り返る人々―沖縄糸満の門中墓とメモリアルパーク
評者 三尾裕子(慶應義塾大学)、井上治代(東洋大学)
4. 参加申込
参加ご希望の方は、下記リンクよりお申し込みください。申込期限2024年1月24日(水)正午まで https://forms.gle/yChC9JgPTy3R7MPj7
お問い合わせ先:少子化・脱家族科研事務局 shoshika.datsukazoku@gmail.com
主催:科学研究費(基盤A)「少子化に揺れる東アジアの父系理念-祖先祭祀実践と世界観の再創造にする比較研究」(代表者 植野弘子 課題番号 JP18H03607)
共催:科学研究費(基盤A)「脱家族の人類学―東アジアの縮減する家族に向き合う生と死の比較研究」(代表者 川口幸大 課題番号 JP23H00026)
人間文化研究機構 グローバル地域研究推進事業 東ユーラシア研究プロジェクト
神戸大学国際文化学研究推進インスティテュート(Promis)拠点
東洋大学アジ ア文化研究所
シンポジウムのチラシは以下のリンクよりダウンロードできます。
https://drive.google.com/file/d/1hgbT1VxfIGLwrd1ok81bQJ8sH3ES8CjY/view?usp=share_link