皆さま、今年も残りわずかとなり、気忙しい時期になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
さて、日本認知心理学会第23回大会は京都大学の主催で開催することとなりました。京都大学では、第7回大会を開催して以来の16年ぶりとなり、日本認知心理学会としては、初の2巡目の開催校となります。開催期間は2025年5月31日~6月1日です。例年であれば、まだ梅雨には入らず、また、観光のハイシーズンは外れているので、快適に京都での滞在をお楽しみいただけるものと思います。(なお、昨今のインバウンド需要から、宿の予約などは、できるだけ早めにされることをお勧めします。)
日本認知心理学会も創立から20年を超え、学会としての成熟期を迎えています。一方で、認知心理学をめぐる状況は厳しさを増しつつあります。心理学における再現性問題、コロナ禍における実験・研究環境の変化、昨今の円安による海外渡航や国際ジャーナルの購読・投稿費用の高騰の問題、少子化やアカデミアへの希望者の減少による研究者規模の縮小やアカデミックポストの減少など、気持ちが後ろ向きになる話題にはこと欠きません。しかし、せめて学会期間中は、そのような気持ちを忘れて研究を楽しめる時間を提供できればと考えています。
認知心理学会大会は、近年、若い方々の発表が増えてきています。若い方々は、遠慮せず勇気を出して学会に参加していただき、ぜひ学会の楽しさを堪能してください。また、いろんな方々との交流を深めてください。若い時期の学問上の出会いは、皆さんの将来にもきっと貴重なものとなると思います。学会での発表から遠ざかっていた中堅やベテランの会員の皆様も、まずは大会に足を向けていただき、純粋に研究に没頭していた昔の気持ちにしばしタイムスリップを楽しんでみるのはいかがでしょう。よければ、ついでに発表もお考えください。さらには、認知心理学会は、心理学の周辺の研究分野の研究者の方々や、産業、医療福祉、行政などで心理学に関連した研究や開発、実践などをされている方々にも広く門戸を開いています。特に、非アカデミアに所属されている方々には、発表臨時会員の資格で大会発表をしていただけます。ぜひ、積極的にご参加、ご発表ください。きっと有益な情報が得られます。
学会の大会は、立場は違っても学問を愛し、真理の追求を目指すメンバーが世代を超えて一同に会し、闊達な議論や情報交換を行う、年に1回の貴重な時間です。第23回大会が皆様の研究のさらなる発展、あらたな人脈の形成、旧交の復活などのきっかけになることを念じ、皆様の多くのご参加をこころより、お待ち致しております。
令和 6 年 12 月吉日
日本認知心理学会第 23回大会準備委員会
委員長 京都大学 熊田孝恒