市民講座として以下のプログラムを実施します。入場無料
対象は中学生以上で、「知能」をテーマに、原生動物の世界から脳の話までをカバーします。
中垣俊之先生は、イグノーベル賞を2回受賞された唯一の日本人で現在、文部科学省学術変革領域(A)の領域代表として「原生知能」の研究を進められています。
また、徳島文理大学の香川キャンパスが高松駅前に移転したことを記念して徳島文理大学神経科学研究所の活動紹介をいたします。
支部会に参加された方は、お申し込みの必要なくそのままご参加いただけます。
ジオラマ行動力学
神経科学研究所
徳島文理大学
概要
日程:2025年5月18日(日)ー日本生物物理学会中国四国支部大会の後開催します。
場所:かがわ国際会議場(〒760-0019 香川県高松市サンポート2−1)
実施者:冨永貴志(徳島文理大学 神経科学研究所)
参加費 無料
参加資格:興味がある方、どなたでも
日本生物物理学会中国四国支部大会に参加されていない一般の方は、以下のフォームから参加申し込みだけいただけると有り難いです。
共催: 学術変革領域(A)「ジオラマ行動力学」(代表:中垣俊之)/ 徳島文理大学神経科学研究所
13:30~14:00 ゾウリムシから始める神経科学
冨永貴志 徳島文理大学神経科学研究所
14:00-15:30 「奇想天外!原生生物の世界」
① 採集と観察のコツ
谷口篤史北海道大学電子研付属社会創造数学研究センター知能数理研究分野
② 巧みな行動を探る
中垣俊之 北海道大学電子研付属社会創造数学研究センター知能数理研究分野
15:30 閉会(予定)
中垣俊之 先生
自己紹介(中垣)
北海道大学電子科学研究所教授の中垣です。1982年に生物学が好きで大学に入りましたが、自分を魅きつける生物学がどのような生物学なのかよくわかりませんでした。紆余曲折を経て今ふりかってみると、それを探し求めた四十年でした。製薬会社勤務後、博士課程に入学して生物物理学を学び直し、通信制高校非常勤講師、理化学研究所博士研究員、在外研究員(オックスフォード大学数理生物学センター)などを経て、2013年より現職。近著、「考える粘菌-生物の知の根源をさぐる-」(ヤマケイ文庫、2024年)。
谷口篤史 先生
自己紹介(谷口)
北海道大学 電子科学研究所 知能数理研究分野で研究員をしている谷口です。野外から原生生物を採集して培養し、それらの行動を主に顕微鏡を用いて観察しております。世の中にはまだまだ知られていない原生生物が多く、採集の度に奇妙な原生生物に出会い、いつも驚かされています。
1、採集と観察のコツ(谷口)
概要:原生生物とはアメーバなどの単細胞生物やワカメなどの簡単な体のつくりの多細胞生物を一まとめにした生物群である。そのため多種多様な生物が含まれており、例えば脚のような構造を使って歩き回るもの、藻類に穴を開けて中身を吸うようなものなど興味深い生物が多く存在する。しかし、現在では原生生物という分類は大きく変わり、新しくグループ分けされている。本講演では原生生物の分類について紹介し、実際に野外から原生生物を採集して観察するコツやユニークな原生生物を紹介する。
2、巧みな行動を探る(中垣)
概要:原生生物の多くは単細胞性の生き物です。中には多細胞の群体を形成するものも少なからずいますが、細胞の分化はそれほど進んではおらず、極めて単純な体制しかもっていません。にもかかわらず10億年以上も複雑で多様な野外環境を生き延びてきました。原生生物の秘めたる行動能力を探索し、その仕組みを調べることは、生き物の状況対応能力の根源を探ることです。土中のアメーバである粘菌にスポットライトをあてて、司令官のいない巧みな集団運動を紹介します。細胞性粘菌の集団らせん運動と変形体性粘菌の輸送ネットワーク構築です。最後に原生生物の行動を探る研究プロジェクト「ジオラマ行動力学」について紹介します。