シラバス
Syllabus
Syllabus
この科目は秋学期開講科目ですが、夏休みに集中開講されるため、授業期間までに正規のシラバスが開示されません。
そこで、このページに現時点で最新版のシラバスを掲載します。
最終的に、慶應義塾が公式に公開するシラバス内容と齟齬がある場合には、公式のシラバスの内容が真正のものとなります。予めご了承願います。
科目名:AIロボット駆動科学実験
開講学期:2024年度秋学期(2024年度夏期休業期間に実施)
授業教員名: 髙橋 恒一, 内藤 泰宏, 尾崎 遼
学則タイプ: 2014
科目ソート: X1102
単位数: 2
分野:11.特設科目
同一科目:なし
アスペクト:なし
K-Number:FPE-CO-06102-211-87
実施形態:対面
授業で使う言語:日本語
前提科目・必須:なし
前提科目・推奨:なし
関連科目 :なし
その他推奨知識:「情報基礎1」で学ぶ程度の基本的な計算機の操作やPython言語によるプログラミングの知識を持っていることが望ましい。
開講場所 :SFC
授業形態 :講義, 演習
履修者数制限 :履修制限あり
受け入れ予定人数 :8
選抜方法 :抽選以外
履修選抜詳細 :ウェブサイトに掲載(夏季休業期間中に期間集中開講済であるため、履修選抜は終了しています)
学生が利用する予定機材/ソフト等:Opentrons OT-2
連絡先メールアドレス:ynaito@sfc.keio.ac.jp
GIGAサティフィケート対象:非対象
AI技術の本質のひとつは知的労働の自動化にある。知的労働のエクストリームとして、芸術創作活動にならび自然科学研究が挙げられる。現実に先端的な科学研究の現場では、AIをはじめとする情報技術とロボット技術の急速な浸透、つまり研究室のサイバーフィジカル化が進みつつあり、AIが駆動することによって科学研究の進展自体が大きく加速する将来像が間近に迫っている。
この科目では、実験ロボットと接続したAIが実験を繰り返しながら新しい知識を発見する現場を演習による体験を交えて学修する。プログラミング言語Pythonを用いて制御できる液体分注ロボットを教材に用いて、履修者が書いたプログラムでロボットを動かし、また自らの身体を用いて同じ実験を実行する実習を通して、ロボットの身体性、ロボットによって自動化される科学実験の姿について体感しながら考察を深める。
AI技術の本質のひとつは知的労働の自動化にある。知的労働のエクストリームとして、芸術創作活動にならび自然科学研究が挙げられる。現実に先端的な科学研究の現場では、AIをはじめとする情報技術とロボット技術の急速な浸透、つまり研究室のサイバーフィジカル化が進みつつあり、AIが駆動することによって科学研究の進展自体が大きく加速する将来像が間近に迫っている。
この科目では、実験ロボットと接続したAIが実験を繰り返しながら新しい知識を発見する現場を演習による体験を交えて学修する。具体的には、PCR検査などを代表例とする分子生物学実験や化学実験などを想定して実験手順(実験プロトコル)をプログラムの形で記述し、実験ロボットを用いてこれを実行できるようにする。次に、実験の結果を解釈して次の実験を立案しロボットに指示を出す自動実験計画AIを組み立て、ロボットと組み合わせて自律的に科学実験をこなすAIロボットをつくりだす。
履修者にはこの科目を通じて自然科学実験の自動化やAI駆動科学の姿を実感し、今後の専門分野や進路を考える上での材料としてもらうことを期待する。
演習を授業期間中に提出する実験ノートならびに授業期間後に提出する最終レポートで評価する。
AIロボット駆動科学実験の全体像について理解する。
実験ロボット(Opentron社 OT-2)を動かすために実験プロトコルを Python言語によるプログラムの形で記述し、その実験プロトコルをシミュレーションすることを体験する。これに先だって、自然科学研究における研究室内での日常的な実験が、どのような手技の集合であるかを概観し、AIロボット駆動科学が何を自動化しようとしているのかを理解する。
また、実験プロトコルを実行した結果を解釈して次の実験を立案しロボットに指示を出す自動実験計画AIが実際にどのように動作するかを体験する。さらに、自動実験計画AIが実際にどのようなアルゴリズムで動いているかについて詳しく学ぶ。
ロボット実験の基礎を学ぶ。
実験プロトコルをプログラムの形で記述し、その実験プロトコルを実験ロボットに転送し、実験プロトコルの通りにロボットに実験を実行させる(実機での実習を行う)。履修者は4名程度のグループ単位で、実験ロボットのセットアップ、実験プロトコルの作成、実験ロボットとの通信確立、実験プロトコルの転送、実機でのテストを行う。
また、実験実行時のモニタリングや結果の記録について、その方法論を詳しく学ぶ。
AIの指示でロボットを動作させ、その結果を得たAIが次の実験計画を生成する自律実験のサイクルをさせる自動実験計画AIを組み立てる。履修者はグループ単位で、自動実験計画AIの実装、実験結果の取得およびデータ処理、実験計画AIと実験ロボット及び計測機器との連携、シミュレーションによるテスト、実機でのテストを行う。
また、実験結果の解釈についてもその方法論を詳しく学ぶ。
実験ロボットに実行させる実験プロトコルをカスタマイズする。
履修者はグループ単位で、Python言語を用いて実験プロトコルを生成するプログムを作成し、様々な実験プロトコルを生成するとともに、生成した実験プロトコルを、実験ロボットのシミュレータを用いてテストする。また、Python言語を用いて、実験結果から次の実験計画を立てるプログラムを種々のアルゴリズムに基づいて作成し、自動実験計画AIをカスタマイズする。作成した自動実験計画AIの性能をシミュレーションによって評価する。
カスタマイズされた実験プロトコルまたは実験計画AIを用い、AI・ロボットによる自律実験を実験ロボットの実機によって実行する。履修者はグループ単位で、実験ロボットのセットアップ、実験ロボットとの通信確立、実験プロトコルの転送、実験結果の取得およびデータ処理、実験計画AIと実験ロボット及び計測機器との連携、実機でのテストを行う。
自律実験の結果のデータをまとめ、カスタマイズされた実験プロトコルや実験計画AIの性能について考察する。
AIロボット駆動科学の領域で研究開発のベンチャーを起業して活躍しているSFC卒業生を招き、ゲスト講演と質疑応答を行う。
履修者がグループ毎に、この授業で取り組んだ内容、それを踏まえた将来展望などをまとめ、成果発表を行い、教員、ゲスト参加の科学者・技術者と討論する。