慶應×ライフサイエンス
第2回慶應ライフサイエンスシンポジウム
2018年9月13日(木)日吉キャンパス 協生館 藤原洋記念ホール
2018年9月13日(木)日吉キャンパス 協生館 藤原洋記念ホール
私たちは、ブレイン・マシン・インターフェース(Brain-Machine Interface, BMI)を脳神経系に対する可塑性誘導技術と位置づけ、慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室とともに、その臨床有効性と安全性、ならびに中枢神経作用性に関する検討を進めてきた。私たちが設計したBMIは、脳卒中片麻痺患者の頭皮脳波から体性感覚運動野の興奮性を実時間推定し(特許第5283065号; Brain Topogr 2015; Front Hum Neurosci 2017)、その興奮レベルに応答してロボットによる運動補助を与えることで、脳内に残存している代償経路を活性化させ、運動機能回復を誘導する(特許第5813981号; Science 2018; Prog Brain Res 2017; J Rehabil Med 2015, 2014, 2011)。本講演では、BMI治療の背後で駆動する神経可塑性メカニズムについて解説するとともに、単一細胞レベルでの可塑性作用を明らかにすべく近年立ち上げた神経生物学研究(Cell Reports 2018)の概要についても紹介する。