恵み豊かな自然環境を維持することと、さらに発展し続けていくことは、わたしたちが健康で文化的な生活を営むために両立させる必要があると考えられます。
しかし、現在は自然環境の破壊につながる様々な問題が発生しており、そのことが大きな課題といえます。
例えば、高温等による農作物への被害や大雨の増加、渇水や増水のリスクの向上、熱中症患者数の増加などは地球温暖化が原因かもしれないと考えられています。
また、オゾン層の破壊や熱帯林の減少など地球規模で起きている環境問題、都市化による生活様式の変化に伴うごみの増加、水質汚濁や大気汚染など、未来のためにわたしたちが継続的に取り組んでいかなければならない課題は広範多岐にわたります。
これからの世界を担う子供たちが、「世界自然遺産の島」屋久島の中で、自然の豊かさや、内包する課題に気付き、環境保全について主体的かつ協働的に取り組もうとすることが、持続可能な社会を構築する第一歩となると考えています。
一湊校区の子供たちは海や緑豊かな屋久島の大自然の中で、地域の人たちに温かく見守られながらのびのびと生活しています。
令和5年度まで一湊小学校では、1・2年生は一湊の良さを見つける町歩き、3・4年生はウミガメの孵化学習、5・6年生は屋久島型ESDに関する取組などを行ってきました。しかし、身近に当たり前のように存在している屋久島の自然について、深く理解したり、課題を認識したりすることについて未だ十分であるとはいえず、また、様々な社会の課題とSDGs(持続可能な開発目標: Sustainable development Goals)とのつながりについても実感を伴った関心が高いとはいえません。
そこで本校では、一人一人が課題に気付き、考え、協働的に行動できることが、これからの未来を担っていく子供たちには必要な資質であると捉え、問題解決の意欲、態度、行動力を育てるために鹿児島県教育委員会と研究協力をしながら一湊小学校ならではの環境教育に取り組んでいきます。
ウミガメの種類や生態についての基礎的な知識および人工孵化器について学びました。
ヒーターや砂でウミガメの人工孵化環境を整えました。
世界の子供たちの置かれた状況と自分たちのそれとを比べ、考え方や行動が変容した子供がいました。
協力(パネル提供):三菱広報委員会 公益社団法人日本ユネスコ協会連盟
屋久島型ESDや世界各国の状況、SDGsについて学びました。
ウミガメをいっそうによびもどそうプロジェクトを成功させるためにもっと学んでくださいとのことで、大牟田先生よりウミガメに関する書籍をいただきました。
ウミガメの種類や生態などについての基礎的な知識を学びました。
一湊の花畑にひまわりの種を植えました。
ウミガメの産卵と採卵を録画したものを見て学びました。
卵の直径や重量を測定し、形、手触りなどを観察しました。
ウミガメの卵を人工孵化器へ設置しました。
1日3回温度を計測し、孵化するまで32℃程度を保つように調整します。
さつまいもの苗を植え付けました。
あさがおの種をまきました。
水の力によって電力を生み出す仕組みと持続可能性について学びました。
これまで学習してきたことから疑問に思ったこと、そして自分たちができそうなことについて考え、まとめました。
卵の中で発生している胚胎を観察しました。暗室で強い光を当てることで観察することができました。
アカウミガメが孵化しました。お腹についている卵黄が少しずつ吸収され、軽くなると海水に浮くようになります。
一湊川に住む生物を捕獲し、調査しました。
孵化より2、3日経つと海水に浮かぶようになりました。
一湊の一ツ浜から放流しました。
今自分たちにできることは何かを考え、一湊の一ツ浜の清掃を行いました。
一湊の一ツ浜からアオウミガメを放流しました。
一湊てくてく案内人の方々に説明をもらいながら、一湊の歴史や文化を学びました。
一湊にある地層や岩石を観察し、その歴史の長さを感じました。
大牟田先生から話を聞いたり文献を当たったりすることで、一湊で産卵をするウミガメが少なくなってきた理由が少しだけ分かってきました。
一湊の浜が昔のような豊かさを取り戻すことを目標として、さらに調査を進めていくようです。
また、自分たちに今できることは何かあるのか、話し合いながら懸命に模索しています。