過去の大会
上越英語教育学会第26回大会
上越英語教育学会 第26回大会
2026年2月14日(土): 人文棟304教室 ・ Zoomミーティング
0.Zoomにて受付 12:45〜13:00
1.総会 13:00~13:20
2.開会の辞 13:30
3.英語分野修了予定者による学修成果発表会 13:30~15:40
(1) 13:30~13:40
尾上 晴香
中学校高等学校における英語スピーキング活動の実践
(2) 13:40~13:50
角 唯吹
現場に出て感じた教師として最も大切なこと
(3) 13:50~14:00
國津 かおり
協同的な言語活動を通した児童のWTCおよび主体性の育成
(4) 14:00~14:10
小山 陽瑚
小・中学校における英語授業の教科横断
-表現することに着目して-
(5) 14:10~14:20
佐藤 壮一郎
学校における動機づけを高める学習
-振り返り活動と、ライティング指導に関わって-
(6) 14:20~14:30
― 休 憩 ―
(6) 14:30~14:40
大門 琴亜
英語教育における小・中連携について
-学校支援プロジェクトを通して-
(7) 14:40~14:50
塚田 麗美
多様性を力に変える教室づくり
-スモールトークを起点に学びの共同体を目指して-
(8) 14:50~15:00
中野 竜
小学校外国語活動・外国語科における協同学習、ファシリテーション技術を取り入れた授業実践
(9) 15:00~15:10
原 湧吾
学校による英語指導の共通点と違い
(10) 15:10~15:20
八木 翔里
中学校英語授業におけるスモールトークとライティングを組み合わせた帯活動が生徒の発話・記述に及ぼす効果 -事前・事後の録音データに基づく分析-
(11) 15:20~15:30
吉田 拓海
中学校英語科における基礎知識の定着を目指した英文産出指導
-英語の語彙・文法能力の向上に焦点を当てて-
(12) 15:30~15:40
― 休 憩 ―
4.実践報告 15:40~16:30
金子祐太郎(新潟第一中学・高等学校) 15:40~16:05
「今立ち返りたい小中高の接続を意識した英語授業」
石野佑紀枝(糸魚川市立能生中学校) 16:05~16:30
「主体的に取り組み、対話で深める英語授業を目指して」
5.閉会の辞 16:30
(敬称略)
実践報告要旨
金子祐太郎(新潟第一中学・高等学校)
「今立ち返りたい小中高の接続を意識した英語授業」
【発表要旨】
小中高で現行の学習指導要領が全面実施されてからしばらく経つ。この間、成果が見られてきた一方で大きな課題も生まれてきた。小学校卒業時には、それまで習った表現を駆使して将来の夢を英語で語れる児童から、アブクド読みが全くできない児童までいる。小学校外国語の授業や学校外での英語学習体験も多様化し、英語が好きな子は日進月歩で英語力を高めていく一方で、中学入学時にはすでに英語が大嫌いで、習熟度が二極化している学校が増えてきている。つまり、本格的に英語の授業が始まる中学校のスタート段階の指導がより困難になってきている。上位層はより英語力を高めて高校での高度な言語活動に耐えうる力を身につけて中学を卒業していくが、下位層では学習のスタートラインで諦めている生徒もいる。そういった現状で、小学校と中学校、中学校と高校を円滑に接続するために模索した実践を共有する。
石野佑紀枝(糸魚川市立能生中学校)
「主体的に取り組み、対話で深める英語授業を目指して」
【発表要旨】
「教科書の内容について自分の考えを書いてみよう」と投げかけても、わずか1・2文で手が止まってしまう生徒の姿がある。そこには英語への苦手意識や語彙不足だけでなく、そもそも物事に対して自分なりの意見を持ち、それを深めること自体に難しさを感じているという、生徒たちが抱える本質的な課題が見えてくる。本実践では、生徒がトピックに正面から向き合い、明確な根拠を持って自分の考えを表現する力の育成を目指している。 具体的な手立てとして、①単元の導入段階で最終的なパフォーマンス課題を体験し、学びの見通しを立てることで、生徒自身が「今の自分に必要な力」を意識しながら主体的に学習を調整できる環境を整える。②仲間との対話を通して、自身の考えや表現を整理したり、深めたりする、協同学習を取り入れる。こうした協同学習の中での「否定されない対話」の積み重ねが、思考の材料を豊かにし、論理的な記述や即興的な発話へとつながっていくと考える。
「伝えたい内容」を自分の中に育み、他者との関わりの中で表現を磨き上げていくプロセスを大切にすることで、英語を学ぶ楽しさを実感し、主体的に英語を使おうとする生徒の姿を目指した。
過去の大会
上越英語教育学会第25回大会
上越英語教育学会第 25 回大会
2025 年 2 月 15 日(土): 人文棟 304 教室 ・ Zoom ミーティング
0.Zoom にて受付 12:45〜13:00
1.総会 13:00~13:20
2.開会の辞 13:20
3.英語分野修了生成果報告会 13:25~15:40
(1) 13:25~13:35 板垣 馨 「生徒間の学び合いを促す要因についての考察―教師の信念に着目して― 」
(2) 13:35~13:45 糸 峻哉 「小学校外国語科におけるペア・グループ活動により動機づける授業実践」
(3) 13:45~13:55 木原 光司郎 「小学校外国語科における協同学習とファシリテーション技術を取り入れた授業実践 」
(4) 13:55~14:05 永田 裕太郎 「未定」
(5) 14:05~14:15 間嶋 夏生 「小学校外国語活動における、相手意識・目的意識を醸成させる授業実践と課題 」
(6) 14:15~14:25 皆木 諒平 「2年間の学校実習を通して学んだ授業実践と課題」
(7) 14:25~14:35 若林 杏 「中学校英語授業における主体的な英語コミュニケーション促進に向けた実践報告と考察 」
14:35~14:45 ― 休憩 -
(8) 14:45~14:50 髙野 茂和 「小学校外国語科におけるリアクション指導を中心としたコミュニケーション活動の実践」
(9) 14:50~15:00 竹田 雅 「中学校英語授業における即興性・双方向性を培うリテリング指導について 」
(10) 15:00~15:10 辻野 希和 「児童の外国語学習に対する意欲を高め、言語運用能力を伸ばす活動の研究と実践 」
(11) 15:10~15:20 西田 晃孝 「児童の外国語使用における不安軽減を目指した外国語科の授業実践 」
(12) 15:20~15:30 平原 和泉 「外国語活動における若手教員の不安軽減を目指した事例研究」
(13) 15:30~15:40 元井 知恵 「英語での対話的な言語活動の充実を目指して」
4.研究発表 15:50~16:20
姉﨑達夫 (高崎健康福祉大学)
「ChatGPT を活用した英文エッセイのフィードバック」
16:20〜16:25 休憩
5.実践報告 16:25~16:45
金子祐太郎 (新潟第一中学・高等学校)
「次代を生きる生徒の主体性支援 - 英語授業とカウンセリングを通して -」
6.閉会の辞 16:50
(敬称略)
<<研究発表・実践報告要旨>>
■研究発表
姉﨑達夫(高崎健康福祉大学)
ChatGPT を活用した英文エッセイのフィードバック
英語のライティング指導における生成 AI の活用方法について,初めて使った経験から分かった
ことや感じたことを発表する。
研究の目的は,大学生が書く英文エッセイに対する ChatGPT のフィードバックとそれを読んだ大
学生の感想を分析することで,ChatGPT を活用した効果的なフィードバックの在り方を探ることであ
る。英作文に対して ChatGPT に 3 種類のフィードバックを返すよう指示した(文法と語彙の誤りに焦
点を当てたもの,結束性と一貫性の誤りに焦点を当てたもの,励ましの言葉を返すもの)。ChatGPT
のフィードバックおよび大学生の感想からキーワードとその文脈を抽出し,テキストマイニングの手
法で分析した。大学生は ChatGPT のフィードバックを肯定的に受け止めていた。
教師が活用目的を明確にした上で,ChatGPT に何をどうやらせるのか,議論を深める必要があ
ると感じた。
■実践報告
金子祐太郎(新潟第一中学・高等学校)
次代を生きる生徒の主体性支援 - 英語授業とカウンセリングを通して –
新学習指導要領では評価の項目・実施方法が大きく変化した。今年度で小・中・高全ての学年
で実施されることとなり,新学習指導要領に対応した共通テストも行われる。しかしながら,今日に
至るまで観点別評価それ自体や,評価方法に対する議論は熱を帯び続けている。新3観点の中
でもとりわけ「主体的に学習に取り組む態度」の解釈や評価方法は幅広く,全国で悩みを抱える
先生方の声を多く聞いてきた。私自身も実践に試行錯誤する中で,主体的で自律した学習者を
育てるために行なった実践を本プログラムで発表する。具体的には,パフォーマンステストを単元
の終わりに設定し,単元終了時に教師が期待する姿を説明する。生徒は生徒自身が望む姿を書
き留めた振り返りシートにパフォーマンステストまでの過程で随時学習に対する姿勢を振り返る。
パフォーマンステスト実施後,振り返りシートを教師と生徒で見返しながら各生徒と1対1でカウン
セリングを行う。「粘り強さ」と「自己調整力」がどのくらい身についたか,また,その後の生徒の学
習改善や教師の指導改善のためにできることを互いに話し合うことを通して得たことについてお話
ししたい。
上越英語教育学会第24回大会
上越英語教育学会第 24 回大会
2021 年 9 月 25 日(土): Zoom ミーティング
0 Zoom にて受付 12:45〜13:00
1 総会 13:00~13:15
2 研究発表 13:20~15:00
(1)13:20〜13:50 姉﨑達夫(高崎健康福祉大学)
語順習得における L1 提示の効果
(2)13:55〜14:25 飯島博之(埼玉県立大学 保健医療福祉学部)
形態論的気づきを促す医学用語指導教材の開発と評価
(3)14:30〜15:00 近藤公哉(上越教育大学大学院 英語コース)
大学生の英単語学習方略の使用傾向に関する探索的研究
15:00〜15:10 休憩
3 実践報告 15:10~16:50
(1)15:10〜15:30 金子美奈(糸魚川市立糸魚川中学校)
ピア・フィードバックを取り入れたライティング指導の実践
(2)15:35〜15:55 桑原正博(新潟県教育庁上越教育事務所)
「主体的に学習に取り組む態度」の育成
~自己調整を図る生徒を育成するための英語授業デザイン~
15:55〜16:05 休憩
(3)16:05〜16:25 佐藤 大輔(上越教育大学附属中学校)
「AI 時代を主体的・共創的に生き抜く生徒の育成」に迫る英語科の実践
(4)16:30〜16:50 山﨑寛己(新潟市立下山中学校)
新学習指導要領における小中接続の取り組み
4 閉会の辞 16:50
(敬称略)
<<研究発表・実践報告要旨>>
■研究発表
姉﨑達夫(高崎健康福祉大学)
語順習得における L1 提示の効果
本研究の目的は,語順整序問題において L1 を提示して主語や動詞に意識を向けることで,語
順整序問題の正答率を向上するかを調べることである。被験者は公立中学校3年生 60 名。提示さ
れた日本語を見て,英単語を並べ替える画面制御プログラムを用いた。提示項目は,肯定文 be 動
詞,肯定文一般動詞,疑問文,Wh 疑問文,命令文,現在進行形の6種類を用意した。分散分析を
用いて反応時間と正答率を調べた結果,反応時間では「Wh 疑問文」群の並べ替えが最も速く,正
答率では群間の有意差は認められなかった。他の様々な要因が正答率に貢献していると考えられ
る。正答率が低かった前置詞句や指示代名詞の誤りから,「句構造」の習熟が重要ではないかと考
えられた。
飯島博之(埼玉県立大学 保健医療福祉学部)
形態論的気づきを促す医学用語指導教材の開発と評価*
本研究は医療系分野の大学生を対象とする医学用語学習に重点を置く授業を選択し学生生に
よる Morphological Awareness (MA:形態論的気づき) を喚起する教材と活動に対する評価の分析
である。 Nation (2001) は学習者の注意を明示的に語のパーツに引き付けることが語の意味を想起
しやすくする重要な語彙学習方略であると述べ,更に Nation(2008)は特に医学分野は MA を高め
ることで語彙学習が容易になると指摘している。筆者は 2019 年度前期に看護専門学校の学生を
対象とした同様の研究を行い,肯定的な結果を得た。この結果を受け,同年度後期において勤務
先の公立大学の医療系学生(主に1年生)を対象にして同内容の研究を行い,MA の喚起が医学
用語の指導には特に有効であること,また,テキストの学習内容を補強する補助教材や活動の工
夫が効果的な授業のためには重要であるという示唆を得た。
*本研究は 2019 年度 JSPS 科研費 基盤研究(C)「形態論的気づきとブレンディッドラーニングを
活用する医学用語学習プログラムの開発」(課題番号:19K00914)の助成を受けて行われている研
究の一部である。
近藤公哉 (上越教育大学大学院 英語コース)
大学生の英単語学習方略の使用傾向に関する探索的研究
本研究では, 東京都内の大学に通う2年生 131 名の英単語学習方略の使用傾向を質問紙を用
いて調査した。前田 ・田頭・三浦 (2003) に基づき,3つの英単語学習方略(体制化方略, 反復方
略, イメージ化方略)に関する質問 12 項目について7件法で適合度を尋ねた。その結果, 一般的
に反復方略が最も使用されていることが明らかになった。カイ二乗検定の結果, 反復法略の質問項
目中の「発音しながら単語を書く」と「単語の情報を一部隠しながら覚える」は肯定が中立・否定を
有意に上回っており, 現在 も多くの学習者に使用されている学習法略であることが明らかになっ
た。一方, 体制化方略の「該当する英単語の同意語・類義語・反意語をまとめて覚える」は中立・否
定が肯定を有意に上回っており, 現在は使用頻度が低い学習法略であることが明らかになった。
■実践報告
金子美奈 (糸魚川市立糸魚川中学校)
ピア・フィードバックを取り入れたライティング指導の実践
本実践では,中学生の英語ライティング指導において,協同でアドバイスを与え合うピア・フィード
バック(以下,PF)を行った。そこで,Johnson and Johnson(1999)が提唱している「協同学習」に基
づき,(1) 協同作業への認識,及び (2) 異なる熟達度がライティングの量や質への影響を調べた。
結果として,協同作業の認識に大きな変化はなかったが,振り返りには,読み手意識や相手を褒め
る言葉があり,建設的な態度が見られた(読み手意識の向上と協同的学びの促進)。また,「自分で
気づけなかったミスについて学べた。ミスを見つけ合うことでより良い文にできたと思う。」と記述した
生徒のライティングの質が向上した(自分のライティング欠点への気づき)。これらの結果は,異なる
熟達度の生徒同士における,Tsui and Ng(2000)が提唱する PF の利点によるものであり,本実践
でも有効に働いたと考えられる。
桑原正博(新潟県教育庁上越教育事務所)
「主体的に学習に取り組む態度」の育成
~自己調整を図る生徒を育成するための英語授業デザイン~
学習指導要領解説では「主体的に学習に取り組む態度」について,「知識及び技能を実際のコ
ミュニケーションの場面において活用し,考えを形成・深化させ,話したり書いたりして表現すること
を繰り返すことで,生徒に自信が生まれ,主体的に取り組む態度が一層向上する」としている。その
ためには,「生徒が興味をもって取り組むことができる言語活動を易しいものから段階的に取り入れ
たり,自己表現活動の工夫をしたりするなど,様々な手立てを通じて指導をすることが大切である」
とある。
本実践では,公立中学校の生徒を対象に,どのような授業デザインを構成することが,英語学習へ
の意欲を喚起し,主体的に学習に取り組む態度の向上につながるのかを明らかにすることをねら
い,「自己調整を図る生徒の育成を目指し,ICT を活用した英語授業を展開することが,学習者の
英語力並びに学習意欲の向上につながるのか」という課題を設定して実践に着手した。
佐藤大輔(上越教育大学付属中学校)
「AI 時代を主体的・共創的に生き抜く生徒の育成」に迫る英語科の実践
当校の研究主題に迫るために英語科では,目標の生徒像を「英語での実践的なやりとりの場面
で,既習の英語表現や語彙を用いて,その場面や状況,相手の意見に応じて,即興で意見交流を
図り,コミュニケーションの価値を見いだしていく生徒」と設定した。「創造性」に着目した第1年次の
実践では,英語を第二言語として使用するアジアの学生と意見交換をする活動を通して,生徒は
多様な価値観に気付き,コミュニケーションの手段としての英語の価値を再確認した。「自己調整」
に着目した第2年次の実践では,目標設定や客観分析等の自己調整を促す場面で手立てを講じ
たことで,主張が伝わる発表を行おうと粘り強く取り組む生徒の姿につながった。しかし,発表後の
質疑応答の場面で即興的なやりとりに苦慮する生徒の姿が見られたことから,第3年次では即興的
なやりとりができるよう,帯活動でスモールトークなど活動を工夫して手立てを講じ,課題の解決を
図った。
山﨑博己 (新潟市立下山中学校)
新学習指導要領における小中接続の取り組み
2017 年3月の学習指導要領の告示によって,小学校5, 6年生を対象に外国語が教科化される
ことになった。以前から小学校での外国語活動(英語)の授業と,中学校の授業とがスムースに接
続することに課題があると指摘されてきたが(樋口他, 2017),今回の小学校外国語の教科化に伴う
動きの中で今後ますます小学校・中学校の接続が求められるだろう。筆者は,勤務校で担当してい
る第一学年の生徒に外国語科授業に関する意識調査(アンケート)を行い,小学校と中学校の間
に様々なギャップがあることが分かった。本実践報告では,生徒が感じるギャップを埋め,学習意欲
を高めて小学校の学習内容から無理なく中学校の学習内容の指導へと接続する授業のあり方に
ついて,具体的な指導実践を含めた報告を行う。
参考文献
樋口忠彦・加賀田哲也・泉恵美子・衣笠知子編著 (2017) 『新編小学校英語教育法入門』研究社.
上越英語教育学会第23回大会
上越英語教育学会第23回大会
日時:2019年 7月27日(土) 13:00~17:20
会場:上越教育大学 (人文棟3階マルチメディア語学教室)
1 総会 13:00~13:15
2 研究発表 13:20~14:20
(1)飯島博之(埼玉県立大学 保健医療福祉学部 共通教育科)
「形態論的気づきを促す医学用語指導教材の開発」
(2)周輪裕明 (文化学園長野中学・高等学校)
「日本人英語学習者の数詞の尺度含意の計算:英語熟達度の影響に焦点を当てて」
3 実践報告 14:30~15:10
(1)山﨑寛己 (大阪府松原市立松原第七中学校)
「教科書題材を「自分ごと」にするアプローチ〜主に作文指導について〜」
(2)吉井千秋(上越教育大学大学院・新潟県湯沢町立湯沢小学校)
「単元の導入に絵本を用いた外国語活動の在り方~小学校中学年児童のコミュニケーションへの意欲を高めるために~ 」
4 講話 15:20~17:20
西村 秀之先生(横浜市教育委員会事務局 学校教育企画部 教育課程推進室 主任指導主事)
「5ラウンドシステムによる英語授業」
5 閉会の辞 17:20
(敬称略)
<<研究発表・実践報告・講話要旨>>
■研究発表 13:20~14:20
飯島博之(埼玉県立大学 保健医療福祉学部 共通教育科)
「形態論的気づきを促す医学用語指導教材の開発」*
本研究は医療系専門職(看護師・理学療法士・作業療法士等)を目指す学生を対象とする医学用語の指導において、「形態論的気づき(MA: Morphological Awareness)」を喚起する教材を開発し、その効果を検証するものである。Nationは学習者の注意を明示的に語のパーツに引き付けることが、語の意味を想起しやすくする重要な語彙学習方略であり(Nation, 2001)、とりわけ医学分野はMAを高めることで語彙学習が容易になると述べている(Nation, 2008)。筆者はギリシャ語、ラテン語由来のワードパーツ(連結形や接辞)の組み合わせで構成される医学用語の多くは、一見、覚えにくそうに見えるものの、分析的に語の構造を理解することで学習者のMAが促され、単語学習と記憶保持、そして意味の類推が極めて容易になるという自らの経験に基づき、医学用語とMAの喚起を重視した医療系学生のための英語テキストを出版している。本研究においては、医学用語学習に特化した本テキストのPart II、および、その指導のために開発した補助教材についてARCSモデル(Keller, 2010)の観点から考察する。
*本研究は2019年度JSPS科研費 基盤研究(C)「形態論的気づきとブレンディッドラーニングを活用する医学用語学習プログラムの開発」(課題番号:19K00914)の助成を受けて行われている研究の一部である。
周輪裕明 (文化学園長野中学・高等学校)
「日本人英語学習者の数詞の尺度含意の計算:英語熟達度の影響に焦点を当てて」
第二言語習得における数量詞の尺度含意の計算については、Dekydtspotter and Hathorn (2005) 、小山 (2010) 、Minai and Takami (2012) 、Slabakova (2010) 、Snape and Hosoi (2016) などがある。しかし、第二言語習得における数詞の尺度含意の計算については、Snape and Hosoi (2016) と内笹井 (2013) の二つのみであり、数量詞に比べて活発には行われていないのが現状である。
本研究では、日本人英語学習者 (中学生) が英語の数詞を含む文に関して文脈に応じた解釈を行うのか、そしてまた数詞の尺度含意の計算に関してL2英語の熟達度の影響はあるのかを研究課題とした。
■実践報告 14:30~15:10
山﨑寛己 (大阪府松原市立松原第七中学校)
「教科書題材を「自分ごと」にするアプローチ〜主に作文指導について〜」
中学校の検定教科書で扱う本文題材は、あいさつ、日課、趣味などの身近な話題から環境問題や人権問題などの社会的な話題まで様々なものがある。しかし現場ではそれらの題材を用いて「生徒が自分の考えを英語で表現する機会を作る」ことが重要と思いながらも、その機会を十分作れていない実態がある(ベネッセ教育総合研究所, 2015)。その原因として、単元のゴール設定などのカリキュラム・マネジメント不足により、教師・生徒の「いまいち(題材に)入り込めない感」が生まれているのではないかという課題意識を持った。新学習指導要領(平成29年告示)では、4技能5領域を総合的に指導することが求められており、今後ますます生徒が自らの意見を発信する技能(思考力・判断力・表現力)育成が必要となる。上記の課題をクリアし、教科書題材を「自分ごと」として捉えるためのアプローチを生徒作品などの具体例を交えて報告する。
参考文献
ベネッセ教育総合研究所 (2015). 「中高の英語指導に関する実態調査2015」
𠮷井千秋(上越教育大学大学院・新潟県湯沢町立湯沢小学校)
「単元の導入に絵本を用いた外国語活動の在り方~小学校中学年児童のコミュニケーションへの意欲を高めるために~ 」
2020年小学校高学年外国語科、中学年外国語活動が正式にスタートする。文科省からも絵本教材が出されたが、その内容と活用の仕方に現場は困惑していた。また、自身の実践においても、子どもがゲームの楽しさにとどまっていて、コミュニケーション自体を楽しむことができていないと感じていた。
そこで、中学年児童の外国語活動において,単元の導入に絵本を用いて場面設定を行い,キーセンテンスを用いて児童とやり取りをしながら絵本の読み聞かせを行えば,活動に見通しをもち,意欲的にコミュニケーションを図ろうとするだろうと考え実践した報告である。
■講話 15:20~17:20
西村秀之(横浜市立教育委員会事務局 学校教育企画部 教育課程推進室 指導主事)
「5ラウンドシステムによる英語授業」
「様々なトピックに対し自分の言葉で伝えられる(自己表現)生徒の育成」ということを大きな目標とし、その目標を実現するために取り入れた授業が、「5ラウンドシステム」になります。
この授業スタイルは、一年間の中で教科書を5巡するスタイルとなります。このスタイルは奇抜なことを行おうというものでなく、目標の実現と共に、以下の要素を考えていく上で考え出されたカリキュラムになります。
○小学校外国語活動との接続(「聞く」「話す」に慣れ親しんできた生徒の学びをどのようにいかしていくか。)
○高校での英語の授業への接続(量、難易度の大きく異なる高校での英語にどのように接続していくか。)
○大量のインプット(「聞く」「読む」)を生徒にしっかり与えること
○何度もスパイラルに繰り返し言語材料を扱っていくこと
限られた授業時数の中で、考えなければいけない要素を考慮しつつ目標の実現を目指し、第二言語習得(実際には日本では外国語環境になりますが)で事実としてわかっていることを授業に盛り込むことを考えました。そうした過程を経て、考え出されたのが「5ラウンドシステム」になります。
*当日は、ワークショップ形式で、実際に5ラウンドの授業を実体験していただきながら、その考え方や進め方の例に対する理解を深められるよう進めていきます。
上越英語教育学会第22回大会
上越英語教育学会第22回大会
日時:2018年 7月28日(土) 13:00~17:00
会場:上越教育大学 (人文棟3階マルチメディア語学教室)
1 総会 13:00~13:15
2 研究発表 13:20~14:20
(1)竹内綾華 (新潟県妙高市立新井中学校)
「会話の参与者は「批判」をどう構築していくか:
日本人英語学習者間のピアフィードバックにおけるやりとりの分析」
(2)田中研匠(富山県魚津市西部中学校)
「日本人英語学習者によるサマリーライティング能力と
マクロ命題構築能力の関係性」
3 実践報告 14:30~14:50
坂口和代(上越教育大学大学院・新潟県上越市立安塚小学校)
「言語や文化の理解を深め、コミュニケーション能力の素地を
養う指導を目指して」
4 講話 15:00~17:30
蒔田守先生(元筑波大学附属中学校)
「教師の英語学習観と到達目標の設定」
5 閉会の辞 17:00
(閉会後、茶話会にお越し下さい。 言語系会議室にて)
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa(敬称略)
<<研究発表・実践報告・講話要旨>>
■研究発表 13:20~14:20
竹内綾華(新潟県妙高市立新井中学校)
「会話の参与者は「批判」をどう構築していくか:日本人英語学習者間のピアフィードバックにおけるやりとりの分析」
本研究では、会話分析の方法を用い、日本人英語学習者同士における批判を含む会話の展開を分析する。批判を含む会話を観測するためにピア・フィードバック活動の場を設定し、そこでのやりとりを録音・録画した。音声データのトランスクリプトをもとに、「やりとりの参与者はどのように会話を共同構築し批判を達成するのか」、「批判を行うためにどのような種類の相互行為的実践が用いられるのか」、「どのような連鎖構造を通して批判は行われるのか」という3つの観点から検討を行う。
田中研匠(富山県魚津市西部中学校)
「日本人英語学習者によるサマリーライティング能力とマクロ命題構築能力の関係性」
本研究では、大学生と大学院生の日本人英語学習者を対象とし、サマリーライティング能力とマクロ命題構築能力の関係性について調査した。マクロ命題構築能力を測るテストとしてMeaning Identification Technique(MIT)(Marchant, Royer, and Greene, 1998) を用いて、実験参加者をマクロ命題構築能力によって2群に分けた。群を独立変数に、サマリーライティング能力の下位項目を従属変数に二元配置分散分析を行なった。その結果から、マクロ命題構築能力の高い学習者はサマリーライティング能力の下位項目において、「内容」および「全体の質」が高いサマリーライティングを産出できる可能性を示唆した。
■実践報告 14:30~12:50
坂口和代(上越教育大学大学院・新潟県上越市立安塚小学校)
「言語や文化の理解を深め、コミュニケーション能力の素地を養う指導を目指して」
小学校6年生の外国語活動『Hi! friends 』2における”Lesson 5 Let's go to Italy”の、2年間にわたる実践例を紹介する。ここでは、旅行会社の人になりきって、お客に自分のおすすめの国を紹介する活動を行った。調べ学習や友達への紹介を通して、異文化に興味をもったり、自国の多文化化に気付いたりした姿が見られた。
2年目には、本学免許法認定講習フォローアップ事業(松崎ゼミ主催)の協力を得て 、自然なコミュニケーションを目指し相手の発話を受けて自分の発言を変えることにも挑戦してみた。本学英語コースの大学院生に授業参観、実践校での協議会への参加をしてもらい、また大学において他の現職教員の認定講習参加者、大学生にも呼び掛けて授業考察の時間を改めてもつことにより、授業改善に役立てることができた。
■講話15:00~17:00
蒔田守(元筑波大学附属中学校)
「教師の英語学習観と到達目標の設定」
現在、日本の英語教育は、大きな変革の時を迎えています。新学習指導要領では、小学校中学年からの外国語活動、小学校高学年における外国語の教科化、それを受けた中学校英語教育の変化が示されました。この変化を受けて、「教科書を使って思考力・判断力・表現力を育む指導(中学校)」といったタイトルで具体的な提案を行う講座も見られます。一方で、英語教育改革が叫ばれる今、英語教師に必要かつ普遍的な指導力や指導技術を再度見直そうという方向性も出されているようです。本講話では、前半で、教師自身の英語学習や指導に対する考え方やビリーフなどに加え、私がどのような力を身に付けさせたいと考えて指導を行ってきたかについて、入門期指導を中心に提案させていただきます。後半では校内研修会公開授業の様子を見て頂き、英語授業でどのように「心を耕す」ことができるのか、みなさんと意見交換もしたいと考えています。
※講話には、上越教育大学学部4年生 野上稜太による「中学校英語科のマイクロティーチングの実演と蒔田守先生のコメント」が含まれています。
上越英語教育学会第21回大会
上越英語教育学会第21回大会
日時:2017年7月22日(土)
会場:上越教育大学(人文棟3階マルチメディア語学教室)
1 総会 13:00~13:15
2 研究発表 13:20~14:20
(1) 秦 研介(三重県四日市市立笹川東小学校)
「小学校外国語活動における短時間学習を活用した校内研修の在り方」
(2) 染谷藤重(東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科)
「小学校英語の評価を大学生がどのようにとらえているか
―J-POSTLEを用いた評価に焦点を当てて―」
3 実践報告 14:25~15:10
小磯雅浩(上越教育大学大学院・新潟県十日町市立南中学校)
「中学生の英語ライティング活動における正確性を支援する指導」
石野佑紀枝(上越教育大学大学院・新潟県上越市立名立中学校)
「英語で自信をもって話すことができる生徒の育成」
満枝直人(上越教育大学院)
「教育実習一見ポートフォリオの設計・実践に関する実践報告」
4 講話 15:20~17:20
山野有紀(宇都宮大学 教育学部 准教授)
「日本の英語教育におけるCLIL活用による実践とその可能性」
5 閉会の辞 17:20
(敬称略)
<<研究発表・実践報告・講話要旨>>
■研究発表 13:20~14:20
秦 研介(三重県四日市市立笹川東小学校)
「小学校外国語活動における短時間学習を活用した校内研修の在り方」
平成23年度より外国語活動が必修化され、主に学級担任を中心とした指導が行われてきた。しかし、英語の指導に積極的に取り組もうとする教員は依然として少なく、筆者が所属校区で行った調査でも「英語の指導に自信がある」と答えた教員は半数に満たなかった。ここに小学校段階での英語教育研修に課題があり、平成32年度からの高学年外国語科と中学年外国語活動の全面実施に向けて、小学校教員の英語指導力向上が急務といえる。
そこで本実践では、「朝の学習タイム」等に見られるような短時間学習に着目し、全ての教員に短い時間でも英語活動を指導できる機会を校内研修に位置付けた。「単語や表現の指導法」「絵本・歌の活用法」を中心に実践形式の研修を実施し、事前と事後に教員を対象に意識調査を行った。「これなら自分にもできる」と感じた教員が増加した一方で、「やはり担任の負担が大きい」という回答もあった。詳細について、当日調査結果を発表する。
染谷藤重(東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科)
「小学校英語の評価を大学生がどのようにとらえているか 」
本研究では、まず、J-POSTLの小学校教員養成用のアンケートを作成した。次に、現在の教員養成課程の学生131名に対してJ-POSTLのアンケート15項目を実施した。このアンケート項目がどのような特徴を現しているかを調べるために、最尤法・プロマックス回転による因子分析を行った。その結果、4つの因子が検出された。それは、「測定法の考案と評価」「言語運用」「自己評価と相互評価」「国際理解」である。信頼性の検定の結果、4つの因子すべてが、クロンバックαが.08以上だったため、これらの4つの因子の信頼性が高いことが示された。次に、因子間に差があるかについて調べるために1要因のANOVAを行った。多重比較の結果、「測定法の考案と評価」が「言語運用」「自己評価と相互評価」の2つより平均値が有意に低いことが示された。この結果から、大学の小学校英語の授業内において、「測定法の考案と評価」に関する項目に重点を置いた指導が必要とされると考えられる。
■実践報告 14:25~15:10
小磯雅浩(上越教育大学大学院・新潟県十日町市立南中学校)
「ライティング活動における正確性を支援する指導の工夫」
生徒が書いた英作文を教師が赤で直す。・・・一見丁寧に指導しているようだが、英文の正確性と生徒の学びを考えた時に疑問を感じていた。それでは、生徒の英作文の正確性は一向に向上しないと思い、正確性の向上に焦点を当てた指導を考えた。
生徒が主体的に学び、考える力を育成する。「学び方」を身につける指導過程の1つとして、コレクションコードを活用した実践の報告である。
石野佑紀枝(上越教育大学大学院・新潟県上越市立名立中学校)
「英語で自信をもって話すことができる生徒の育成」
学習指導要領外国語科の「話すこと」の領域に「(2)初歩的な英語を用いて自分の考えなどを話すことができるようにする。」という目標がある。しかし実際は、ALTを目の前にしたとき、自分の英語に自信が持てず、なかなかうまく自分の思いを表現できない生徒も少なくない。本実践は、J市の公立中学校について、生徒たちがALTとのインタビュー活動に自信を持って取り組めるよう、授業内での支援を工夫しようと行ったものである。
満枝直人(上越教育大学院)
「教育実習一見ポートフォリオの設計・実践に関する実践報告」
本実践報告は,2017年5月8日~5月26日にかけて行った中等教育実習に際して,松崎(2013)に基づき設計した教育実習一見ポートフォリオの実践に関するものである。実習前に実習を意識したマイクロ・ティーチングを行った。また,事後カンファレンスで得られた課題に基づき,実習で達成したい目標を明確にした。実習中は,授業で生起した事実に基づき,行為後の省察(reflection on action; Schön, 1983)を実施した。同省察を,大学指定の実習日誌とは別に毎日記述した。さらに,実習後,同記述を含む実習中における学びを「一見ポートフォリオ」に精選し省察を繰り返すことで,実習での授業実践に対する意味付けや価値づけが強まった。加えて,教員採用試験への課題および目指すべき教師像を明確にすることができた。
■講話 15:20~17:20
山野有紀 (宇都宮大学)
「日本の英語教育におけるCLIL活用による実践とその可能性」
現在,日本の英語教育は,大きな変革の時を迎えようとしています。新学習指導要領では,小学校中学年からの外国語活動,小学校高学年における外国語の教科化,それを受けた中学校英語教育の変化が公示されました。その中で,学習者の発達段階にそう言語活動,小中英語教育における他教科内容の活用について明記されており,多様で豊かな本物の内容を通して,英語を学び,考え,発信していくことを促す外国語教育を,いかに実現していくかは今後の日本の英語教育における課題の一つとなると考えられます。本講話では,その課題に対する取り組みとして,CLIL(Content and Language Integrated Learning : 内容言語統合型学習)にもとづく実践をご紹介します。日本の英語教育におけるCLIL活用の可能性を通して,学習者の興味,認知的発達を鑑みながら,外国語を学ぶ意義を促す,主体的・対話的な深い学びの実現について考えたいと思います。
上越英語教育学会第20回大会
上越英語教育学会第20回大会
日時:2016年8月6日(土)
会場:上越教育大学(人文棟3階マルチメディア語学教室)
1 総会 13:00~13:15
2 研究発表 13:20~14:20
(1) 中村 真衣波(石川県白山市立旭丘小学校)
「小学校第三学年の外国語活動における母音字の読み書きの
学習プログラムの開発」
(2) 渡邉 政寿(新潟県立直江津中等教育学校
兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科博士課程)
「高校生に対する英語多読の効果の研究」
3 実践報告 14:30~14:50
柳岡 恵理子(上越教育大学大学院・群馬県榛東村立榛東中学校)
「『書くこと』に重点を置いた、学力を向上させるための指導の工夫 」
4 講話 15:00~17:30
林 淑娟 Shu-Juan (Vivian) Lin
(台湾国立嘉義大学付属小学校 英語専科教員)
「How to be an Effective EFL English Teacher
in Elementary School Setting」
5 閉会の辞 17:30
(閉会後、茶話会にお越し下さい。 言語系会議室にて)
(敬称略)
<<研究発表・実践報告・講話要旨>>
■研究発表 13:20~14:20
中村真衣波(石川県白山市立旭丘小学校)
「小学校第三学年の外国語活動における母音字の読み書きの学習プログラムの開発」
本研究の目的は、第3学年児童の興味・知識を身につけさせる英語の母音時の読み書きを中心とした学習プログラムを開発することである。2015年11月4日~2015年11月25日まで、計3回(45分間1回、40分間2回)の授業を実施し、新潟県上越市立0小学校3年生2学級65名が参加した。その結果、フォニックス指導法を用いた母音字の読み書きの学習は、児童にとって外国語活動への動機づけを高める効果があることがわかった。
渡邉 政寿
(新潟県立直江津中等教育学校(兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科博士課程))
「高校生に対する英語多読の効果の研究」
新潟県立N中等教育学校6年生を対象に2016年4月から7月までの4か月間、計15回の授業(50分)内多読を実施した。使用教材はORTを中心とした約220冊のペーパーバックであった。生徒にはSustained Silent Readingが維持された環境の中で英語を読むことに集中させた。A群の生徒(40名)は多読後の5分で、その日に英語で読んだ本の感想やその日の自分の読みについて思ったこと、感じたこと、気づいたこと等を英文で書かせた(3文以上、できるだけ多く)。B群の生徒(32名)には読後の課題はなく、読むことに専念させた。両群ともに読書記録シートは毎回書かせた。多読によるリーディング力とライティング力の伸長を測るために多読実施前後でプレテストとポストテストを実施した。リーディングテストはCEFR A1~B2レベルの問題を使用し、ライティングテストは生徒の所属校と住んでいる都市の好きな点を3つ挙げ、理由を書かせた。本発表ではリーディング力の伸長を中心に分析結果を報告する。
■実践報告 14:25~14:55
柳岡 恵理子(上越教育大学大学院・群馬県榛東村立榛東中学校)
「『書くこと』に重点を置いた、学力を向上させるための指導の工夫」
平成23年度に導入された小学校外国語活動により、「話すこと」「聞くこと」といった英語の音声に慣れ親しんだ生徒が多く、中学校入学後、英語科の授業での言語活動に意欲的である様子が見られ、中学校英語への移行がスムーズに行われているように感じた。 その一方で、外国語活動では必須の指導事項ではなかった文字指導には困難が伴う生徒がおり、「書くこと」に難しさを覚え、その結果、英語の習得においても個人差が生じ、「書くこと」が英語への苦手意識を生む原因となっている実態がある。本実践は、生徒のそのような現状を踏まえて、「書くこと」の重点的な指導を通して、英語への苦手意識を軽減するとともに、学年全体の学力の底上げを図ることをねらった実践である。
■講話 15:05~17:30
林淑娟 Shu-Juan (Vivian) Lin
(台湾国立嘉義大学付属小学校 英語専科教員)
「How to be an Effective EFL English Teacher in Elementary School Setting」
As an EFL English teacher in elementary school, how do we make our teaching effective? Here are some guidelines we can follow.
First, consider the learners' needs when preparing for each lesson. Motivation plays an important role in learning. Once a student is motivated, he / she becomes an active learner. Then, add “fun” element in class. Elementary school students might not be aware of the need for learning a foreign language. Therefore, teachers should motivate students with various fun learning activities. When all students get involved in trying to accomplish a “mission”, they do not know they are actually doing drills. Besides, apply diverse teaching strategies in teaching. Since we have students with different learning styles and different English learning background, it’s necessary to have different grouping, guidance or requirements for different students in order to getting them what they need to be successful. Last but not least, find out what learners already know. According to second language acquisition theory, CUP (Common Underlying Proficiency) provides the base for the development of both the first and the second language. Any expansion of CUP that takes place in one language will have a beneficial effect on the other language(s). Therefore, building on that base makes EFL teaching more effective and efficient.
上越英語教育学会第19回大会
上越英語教育学会第19回大会
日時:2015年7月18日(土)
会場:上越教育大学(人文棟3階マルチメディア語学教室)
1 総会 13:00~13:15
2 研究発表 13:20~13:50
小林 瞳(上越市立南川小学校)
「小学校中学年におけるアルファベットを書く活動プログラムの開発」
3 実践報告 13:55~14:55
(1)渦波 江里(上越教育大学大学院・埼玉県立滑川総合高等学校)
「伝える」活動を通して目指す主体的な態度の育成~ESSの活動から~
(2)桑原 正博(上越教育大学大学院・上越市立城北中学校)
「英語を『話すこと』の素地を育成する言語活動の工夫」
(3)橘直人(上越教育大学大学院・群馬県太田市立生品中学校)
「ICTを用いて、生徒の意欲を引き出す指導法の工夫」
4 講話 15:05~17:30
方 瑞貞Jui-tseng (Priscilla) Fang
(台湾国立嘉義大学付属小学校 英語専科教員)
「Teaching and using storytelling in the English classroom」
5 閉会の辞 17:30
(敬称略)
<<研究発表・実践報告・講話要旨>>
■研究発表 13:20~13:50
小林 瞳(上越市立南川小学校)
「小学校中学年におけるアルファベットを書く活動プログラムの開発」
小学校外国語活動においては,アルファベットなどの文字は児童の学習負担に配慮し,音声の補助として取り扱うこととしている。しかし児童のアルファベットに対しての興味は高く,書きたい・読みたいと思っていることが明らかとなっている。また,小学校低学年から国語の授業での漢字やカタカナの学習において,書字活動・なぞり活動・空書活動は多くの児童が経験している。このことを外国語学習にも生かし,アルファベットを書くパターンの違いによる児童の意識の差の有無を検討することが,今後の小学校英語において意義のあることと考えられる。本発表では小学校中学年を対象に,文字を書く活動によって児童の文字に対する意欲・興味がどのように変化するかを報告する。また,文字を書く活動のパターンによって児童の意欲・興味に変化があるのかという研究結果もあわせて報告する。
■実践報告 13:55~14:55
渦波 江里(上越教育大学大学院・埼玉県立滑川総合高等学校)
「『伝える』活動を通して目指す主体的な態度の育成~ESSの活動から~」
平成25年度からの新学習指導要領では、その実施に当たって、「生きる力を育むことを目指すとともに、主体的に学習に取り組む態度を養うことを重視する」と示されており、今日の教育においては、「主体的」という言葉がキーワードのひとつになると考えられる。本実践は、この主体的な態度を高等学校の部活動における関わりを通して育成することを目指したものである。文化祭でESS(部活動)の生徒たちが「伝える」活動を経験し、そこでつけた自信をもとにして主体的にさらなる活動へ進んでいく様子を報告する。また、その関わりの中で、教師がコーディネーターとしての役割を担うことがひとつの効果的な要因であったと考察できたため併せて報告する。
桑原 正博(上越教育大学大学院・上越市立城北中学校)
「英語を『話すこと』の素地を育成する言語活動の工夫」
学習指導要領外国語編には、「中学校における『聞くこと』、『話すこと』という音声面での指導については、音声面を中心としたコミュニケーションに対する積極的な態度等の一定の素地が育成されることを踏まえ、指導内容の改善を図る」とあるが、「生徒たちのコミュニケーションに対する積極的な態度の育成」にたどり着くまでには、様々な障壁がある。本実践は、I市の公立中学校において、生徒たちが意欲的にコミュニケーションに取り組むために、授業内の言語活動を工夫しようと行ったものである。
橘直人(上越教育大学大学院・群馬県太田市立生品中学校)
「ICTを用いて、生徒の意欲を引き出す指導法の工夫」
現在の教育現場には、ICT機器の整備が進められている。学習指導要領の「3指導計画の作成と内容の取扱い(1)指導計画の作成上の配慮事項」には、「キ 生徒の実態や教材の内容などに応じて、コンピュータや情報通信ネットワーク、教育機器などを有効活用したり、ネイティブ・スピーカーなどの協力を得たりなどすること。」とある。
本発表では、「教師がICTを活用する」「生徒がICTを活用する」という2つの視点から、意欲的に生徒が取り組んだ実践を報告する。3年前、中学1年生を担当した。生徒の実態から、集中力を持続させる、興味を引き付ける授業が必要であると感じた。その中で効果があった取り組みの1つに、「ICTを活用した授業」があった。それから、日々の授業でICTを活用することを意識してきた。中学1年生から3年生での持ち上げとなり、ICTを用いた指導を繰り返し行っていく中で、生徒の意欲の向上、楽しみながら学力が向上していることを実感した。
■講話 15:05~17:30
方 瑞貞Jui-tseng(Priscilla) Fang
(台湾国立嘉義大学付属小学校 英語専科教員)
「Teaching and using storytelling in the English classroom」
Storytelling is the oldest form of education. People around the world have told tales as a way of passing their culture to future generations. Stories help us to understand who we are, to make sense of the world and transform our experiences. They can also serve to develop reflection and critical thinking. All children love stories. Using stories in the English classes help promote motivation and offer a rich array of activities to develop language proficiency, especially fluency, and a creative relationship with the language. The presenter will initially discuss the power of stories. This will be followed by a series of storytelling activities for teachers.
上越英語教育学会第18回大会
上越英語教育学会第18回大会
日時:2014年8月2日(土)
会場:上越教育大学(人文棟3階マルチメディア語学教室)
1 総会 13:00~13:15
2 研究発表 13:20~14:20
(1) 加藤 絵里(上越教育大学大学院)
「小学校高学年児童の英語の文字の読み書きに関する意識」
(2) 岸田真理子(新潟県立柏崎特別支援学校中学部)
「日本人英語学習者による英語の形容詞と名詞のコロケーションの理解
と母語の影響」
3 実践報告 14:30~14:50
梅津 英佑(上越教育大学大学院・上越市立城北中学校)
「スキット活動を通した『書く力』の育成」
4 講話 15:00~17:30
髙橋 一幸
(神奈川大学外国語学部英語英文学科,大学院外国語研究科教授)
「学力調査もふまえた英語授業改善と言語活動高度化の視点
―成長する英語教師をめざして―」
5 閉会の辞 17:30
(敬称略)
<<研究発表・実践報告・講話要旨>>
■研究発表 13:20~14:20
加藤 絵里(上越教育大学大学院)
「小学校高学年児童の英語の文字の読み書きに関する意識」
小学校外国語活動において文字は「音声によるコミュニケーションを補助するもの」として位置づけられている。しかし、高学年になると英語の文字への興味・関心が出てくることから、この時期に英語の文字を用いて英語を学習することは子どもたちにとって意義のあるものだと考えられる。また、外国語活動においては授業内容、教材の選択は授業者や学校の裁量に任されている。その中で子どもたちにとって魅力ある授業をするには子どもたちの動機づけはどこにあるのか、どのような英語に触れており、興味があるのかを知る必要があると考えられる。本発表では小学校高学年児童の文字の読み書きの能力に関する実態・動機づけの実態・日常生活にある英語とどのように接しているかを調査した結果を報告する。また、それを学年・性別・英語の好き嫌い・学外での英語学習経験の有無による比較を行うことで見えてきた子どもたちの状況による差についても報告する。
岸田真理子(新潟県立柏崎特別支援学校中学部)
「日本人英語学習者による英語の形容詞と名詞のコロケーションの理解と母語の影響」
子どもたちが学んだ表現やジェスチャーなどを活用して、友達や周りの人と自分の思いや考えを伝える楽しさや喜びを実感する授業を作りたい。そのためには、「聞いてみたい」「伝えたい」という場づくりと、より良いコミュニケーションを図ろうとする場づくりが大切である。前任校では、学びの基盤となるスキルを冊子にまとめ、全校体制で定着を図っていた。そこで,外国語活動においてもこのような観点・実情から授業づくりを進めていくことで、子どもたちがコミュニケーションする楽しさや喜びを実感することができると考えた。コミュニケーション・スキルを身に付けさせようと行った普段の外国語活動、また、外国の人と触れ合う場として設定した学期に一度の総合的な学習の時間の実践について、前任校で取り組んだ内容を紹介する。
■実践報告 14:30~14:50
梅津 英佑(上越教育大学大学院・上越市立城北中学校)
「スキット活動を通した『書く力』の育成」
新学習指導要領外国語科の領域ごとに示す言語活動の指導事項における、「書くこと」の再編成では次の3項目「語と語のつながりなどに注意して正しく文を書くこと」、「身近な場面における出来事や体験したことなどについて、自分の考えや気持ちなどを書くこと」及び「自分の考えや気持ちなどが読み手に正しく伝わるように、文と文のつながりなどに注意して文章を書くこと」が新たに加わった。このことを踏まえ、口頭でのコミュニケーション活動と合わせて、スキット作りによる短文作成による英文作成指導を中心に据えた授業を継続して行った。事後小テストの結果から、英文を書く量の増加が分かり、また事後アンケートの結果から、英語を書くことへの興味が高まっていることが明らかになった。
■講話 15:00~17:30
髙橋 一幸(神奈川大学外国語学部英語英文学科,大学院外国語学研究科教授)
「学力調査もふまえた英語授業改善と言語活動高度化の視点
―成長する英語教師をめざして」
昨年12月に下村文部科学大臣の記者会見で公表された「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」では、小中高英語教育の非常に大きな構造改革計画が示されました。しかし、現場での授業実践には、熱心な試行錯誤の中にも多くの課題が見られます。今回はその中でも「言語活動の高度化」に焦点を当てて、国立教育政策研究所の学力調査結果に見られる生徒の英語学力の現状と課題、それに対応する授業のあり方について、中学校での実践事例も交えて理論と実践の両面からお話しし、望まれる授業改善の視点を明らかにし、併せて英語教師の成長(professional development)について皆さんと共に考えたいと思います。また、資料として、小中高の新「学習指導要領」改訂と「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」の要点を示し、付録として私がこれまでの英語教員人生で「心に刻んだ名言集」もご紹介します。
上越英語教育学会第17回大会
上越英語教育学会第17回大会
日時:2013年7月27日(土)
会場:上越教育大学(人文棟3階マルチメディア語学教室)
1 総会 13:00~13:15
2 研究発表 13:20~14:20
(1) 高橋 駿(上越教育大学大学院)
「日本人英語学習者におけるbeの過剰生成とその終息について」
(2)高橋沙矢香(長野県大町東小学校)
「小学校外国語活動を通した集団ソーシャルスキル教育の効果に関する研究」
3 実践報告 14:30~15:15
(1) 山崎 晃市(上越教育大学大学院・上越市立春日小学校)
「『英語ノート』の題材を応用した「ごっこ遊び」の授業実践とその効果
-言語材料に児童の好きな食材「寿司」を取り扱って-」
(2) 坂田 恵子(上越教育大学大学院・上越市立春日小学校)
「子どもたちがコミュニケーションする楽しさや喜びを実感する外国語活動の授業づくり」
(3) 山﨑 寛己(大阪府松原市立松原中学校)
「コミュニケーション能力を高める帯活動の試み ―ペアワークを取り入れて―」
4 講話 15:25~16:55
加藤京子(元三木市立緑が丘中学校教諭)
「言葉として英語を教える
―学校英語教育の可能性に挑戦する―」
5 閉会の辞 16:55
(敬称略)
<<研究発表・実践報告・講話要旨>>
■研究発表 13:20~14:20
高橋 駿(上越教育大学大学院)
「日本人英語学習者におけるbeの過剰生成とその終息について」
本発表では、日本人英語学習者がTom is get up early every dayのようにbe動詞が過剰に生成され本動詞の前に出てくるエラーの原因について、Fleta(2003)の説を取り上げてその妥当性を検証する。具体的には、beの過剰生成はbeがそれ自体VPを形成する動詞であるという正しい語彙情報が追加されることで終息に繋がっていくという予測が事実と合致するかどうかについて、日本人英語学習者の発話コーパスを用いて調査し、検討した結果を報告する。
高橋沙矢香(長野県大町東小学校)
「小学校外国語活動を通した集団ソーシャルスキル教育の効果に関する研究」
小学校外国語活動では、コミュニケーション活動が中心のため、ソーシャルスキル教育(SSE)を取り入れやすいと考えられる。また、SSEの視点を取り入れることで、児童が相手との心地よい関わりを意識し、コミュニケーションの楽しさを感じる児童が増えると考えられる。そこで、SSEの視点を取り入れた外国語活動の学習プログラムを開発し、その効果を検討した。活動づくりにおいては、単元を通して①繰り返し同じ表現に触れ、児童が自分の言葉として会話する姿を目指した。また、社会的スキルについては②友だちからのフィードバックを受けて③再度リハーサルを行うように構成した。事前事後アンケートの結果より、社会的スキルの向上と外国語活動への動機づけの間には相関があり、本活動の実施によって動機づけが高まることが明らかになった。
■実践報告 14:30~15:15
山崎 晃市(上越教育大学大学院・上越市立春日小学校)
「『英語ノート』の題材を応用した「ごっこ遊び」の授業実践とその効果
- 言語材料に児童の好きな食材「寿司」を取り扱って -」
小学校外国語活動において、学習指導要領に掲げてある3つの柱を効果的に推進するためには、授業に「ごっこ遊び」を取り入れることが有効である、と考えた。なぜなら、子どもは遊びを通じて、コミュニケーションを必然的にとっていると考えたからである。そこで、英語ノートと関連する言語材料であり、かつ、児童になじみの深い食物であるということから、「お寿司屋さんごっこ」を取り入れた。
この授業実践をするにあたり、①児童が目指すゴールの意識化②4時間の単元構成③1校時の授業構成の工夫に着目して授業を展開した。児童の授業後の自己評価アンケートと自由記述を元に分析を行い、外国語活動に「ごっこ遊び」を導入することが有効であるか明らかにした。
坂田 恵子(上越教育大学大学院・上越市立春日小学校)
「子どもたちがコミュニケーションする楽しさや喜びを実感する外国語活動の授業づくり」
子どもたちが学んだ表現やジェスチャーなどを活用して、友達や周りの人と自分の思いや考えを伝える楽しさや喜びを実感する授業を作りたい。そのためには、「聞いてみたい」「伝えたい」という場づくりと、より良いコミュニケーションを図ろうとする場づくりが大切である。前任校では、学びの基盤となるスキルを冊子にまとめ、全校体制で定着を図っていた。そこで,外国語活動においてもこのような観点・実情から授業づくりを進めていくことで、子どもたちがコミュニケーションする楽しさや喜びを実感することができると考えた。コミュニケーション・スキルを身に付けさせようと行った普段の外国語活動、また、外国の人と触れ合う場として設定した学期に一度の総合的な学習の時間の実践について、前任校で取り組んだ内容を紹介する。
山﨑 寛己(大阪府松原市立松原中学校)
「コミュニケーション能力を高める帯活動の試み―ペアワークを取り入れて―」
帯活動で何を行えば生徒の英語力は伸びるかを考える。既習事項と新言語材料、その課のトピック、学校行事に合わせて帯学習を選択することで、座布団を積み上げるだけの授業からの脱却を目指したい。また、ペアワークを中心にした活動を行う中でコミュニケーション継続のためのコツを中期的に指導していく実践も報告する。
■講話 15:25~16:55
加藤京子(元三木市立緑が丘中学校教諭)
「言葉として英語を教える ―学校英語教育の可能性に挑戦する―」
公立学校での英語授業は様々な制限もありまた悪条件もあります。しかし、生徒の個性や創造性、そしてどの生徒も必ず持っている言語や文化の違いへの興味関心を引き出すことによって、伸びやかで自立した英語コミュニケーション能力を育てることができます。また、そのことは文法、語彙、4技能の基礎を身につけることとも入試に対応できる学力をつけることとも矛盾せず行なえます。紹介する生徒のスピーチや作品は生徒たちが3年間の英語学習を楽しみながらどれだけの英語力を持つことが可能かを雄弁に物語るでしょう。最後に学校英語教育が目指すべき方向についても考えます。
上越英語教育学会第16回大会
上越英語教育学会第16回大会
日時:2012年7月21日(土)
会場:上越教育大学(人文棟3階マルチメディア語学教室)
1 総会 13:00~13:15
2 シンポジウム 13:20~14:50
「外国語活動担当教員の育成を目指して
-公立小学校GT活動のラーニング・ブリッジの観点からの検討-
司 会:北條 礼子 (上越教育大学)
助 言 者:粕谷 恭子 (東京学芸大学)
パネリスト:松崎 邦守 (北海道教育大学)
茂木 淳子 (上越教育大学附属小学校)
種岡 真由美(上越教育大学大学院生・上越市立春日小学校)
永島 悠一 (上越教育大学大学院生)
3 実践報告 15:00~15:45
(1) 内山 寿彦(上越教育大学大学院生・上越市立春日小学校)
「コミュニケーション能力を高める授業展開の1つの工夫
-復習を取り入れた指導方法に着目して-」
(2) 佐々木 隆(上越教育大学大学院生・上越市立城北中学校)
「小学校外国語活動から中学校英語への円滑な接続を図る指導の工夫」
(3) 鈴木 有紀子(上越教育大学大学院生・上越市立城北中学校)
「学ぶ意欲を高め、確かな学力を身につけるための中学校英語授業の工夫
-キャリア教育の視点から-」
4 講話 16:00~17:30
粕谷 恭子(東京学芸大学)
「言葉が生きる外国語活動」
5 閉会の辞 17:30
(敬称略)
<<シンポジウム・実践報告・講話要旨>>
■シンポジウム13:20~14:50
「外国語活動担当教員の育成を目指して
-公立小学校GT活動のラーニング・ブリッジの観点からの検討-
J市立O小学校では、外国語活動の一環として実施されるE-Timeにおいて、地域の大学生(大学院生を含む)をゲスト・ティーチャー(以下、GT)として活用するGT活動が継続的に行われてきた。この活動は、外国語活動を担当する教員の育成にこれまで一定の役割を果たしている。本シンポジウムでは、さらに同GT活動をラーニング・ブリッジの観点から検討する。
■実践報告 15:00~15:45
内山 寿彦(上越教育大学大学院生・上越市立春日小学校)
「コミュニケーション能力を高める授業展開の1つの工夫
-復習を取り入れた指導方法に着目して-」
小学校外国語活動が本格実施され、学級担任がメインティーチャーとなった様々な実践が、これまで以上に紹介されるようになってきた。しかし、以前に筆者がアンケートをとってみたところ、児童が英語を用いて活動するときに、進んで英語が言えていないと自己評価することが多かった。担任が望んでいる程度の、より積極的なコミュニケーションを図っていないことの表れである。
そこで、小学校英語活動において、毎時間の活動で絵カードによる単語の復習をさせたうえで本時の内容や会話文に進むか、あるいは、本時の内容をいろいろなやり方で繰り返すかという指導方法の違いによって、児童が積極的にコミュニケーションを図る態度に相違があるか明らかにした。
佐々木 隆(上越教育大学大学院生・上越市立城北中学校)
「小学校外国語活動から中学校英語への円滑な接続を図る指導の工夫」
小学校では平成23年度から、中学校では今年度から、新学習指導要領が本実施となった。本実践は、N市立A中学校で、新学習指導要領の本実施を前に行ったものである。学区内3小学校との情報交換体制を整えつつ、外国語活動の経験を中学校での英語学習に効果的につなげるような、小中の連携・中学校での指導の改善の方策を探った。中学校1年生(入門期)の指導において、教師が小学校での外国語活動の内容を十分理解し、コミュニケーションを基盤として「聞くこと」「話すこと」と「読むこと」「書くこと」を関連付けた言語活動を展開することで、生徒に英語学習への意欲を喚起・持続させながら、4技能の総合的な育成を図りたいと考えた。
鈴木 有紀子(上越教育大学大学院生・上越市立城北中学校)
「学ぶ意欲を高め、確かな学力を身につけるための中学校英語授業の工夫
-キャリア教育の視点から-」
日常生活の中で英語に接する機会が少ない中学生にとって、英語を学ぶ意義や学ぶ楽しさを実感する場面の多くは英語の授業内である。4月入学当初はほとんどの全ての生徒が、意欲的に学習に参加している。しかしながら、授業が進み、定期テストを経験した1学期後半になると、英語学習への苦手意識を持ち始める生徒が徐々に多くなってくるように感じられる。
J市立Y中学校では、昨年度まで「大きな志を抱き、限りなく伸びようとする生徒の育成」を研究主題におき、キャリア教育を教育課程の中核に据えて、教育活動に取り組んできた。そこで、中学校英語授業にキャリア教育の視点を取り入れ、学習教材、学習活動、学習形態を工夫することで、生徒の学ぶ意欲を高め、確かな学力を身に付ける英語授業の実践を報告する。
■講話 16:00~17:30
粕谷 恭子(東京学芸大学)
「言葉が生きる外国語活動」
外国語活動が必修化されて、1年が過ぎました。小学校の現場で奮闘しておられる先生、外国語活動を経験してきた小学生を受け取る中学校の英語の先生、これから教師になることを目指して勉強しておられる学生のみなさん、それぞれの立場で外国語活動と無縁ではいられません。本講演を通して、子どもにも言葉にも敬意を払う授業とはどのようなものかご一緒に考え、「コミュニケーション能力の素地」とは具体的に何なのか、追求したいと思います。
「言葉は大切なものだ」「まず、聞かせることが重要だ」「楽しい授業を目指して」「英語をきらいにさせないように」など、外国語活動の授業をめぐって言い習わされてきたことが、授業という形に具現化されたときの姿についても実践的な活動を通してご一緒に考えたいと思います。
上越英語教育学会第15回大会
上越英語教育学会第15回大会
日時:2011年7月9日(土)
会場:上越教育大学(人文棟3階マルチメディア語学教室)
1 総会 13:00~13:15
2 研究発表 13:20~13:50
本間穣理(柏崎市立田尻小学校)
「小学校外国語活動における文字指導に関する意識調査」
3 実践報告 13:55~14:55
(1) 廣川統(上越教育大学大学院・上越市立城北中学校)
「音読練習を中心とした教科書本文指導の実践
~ピクチャーディスクリプションとミニティーチャー活動を通して~」
(2) 塩澤裕美子(上越教育大学大学院・長野県飯田市立飯田東中学校)
「既習表現を定着させ、活用できる力をつけるための学習
~スキット作りを通して表現できる力を高める~」
(3) 種岡真由美(上越教育大学大学院・上越市立春日小学校)
「子どもたちが主体的に外国語活動に取り組むための工夫
~外国語活動においてプロジェクト型学習の手法を意識した単元の構成~」
(4) 石黒豊(長岡市立山古志中学校)
「「速読練習」を取り入れた読解指導」
4 講話 15:00~17:00
講師: 小林克美(群馬県高崎市立第一中学校)
演題: 「学習ペアを中心とした授業作り
―活動の量的・質的向上を目指して―」
5 閉会の辞 17:05
(敬称略)
上越英語教育学会第14回大会
上越英語教育学会第14回大会
日時:2010年7月3日(土)
会場:上越教育大学(人文棟3階マルチメディア語学教室)
1 総会 13:00~13:15
2 実践報告 13:20~14:00
(1) 栗木健二(上越教育大学大学院)
「学習意欲向上に向けた指導方法の工夫改善」
(2) 矢嶋隆之(上越教育大学大学院)
「小学校外国語活動における英語ノートの活用について」
3 実践研究 14:05~14:35
福島美由紀(群馬県川場村立川場中学校)
「小中5年間を見通した英語科の指導について」
3 研究発表 14:40~15:10
飯島博之(埼玉県立大学)
「非英語専攻大学生の英語力の変化に関する考察」
4 講話 (T-E-Getpora会との共催) 15:15~17:15
講師: 安田昌則(大牟田市教育委員会指導室長、前大牟田市立明治小学校長)
演題: 「学級担任を中心とした小学校外国語活動の推進」
5 閉会の辞 17:20
6 茶話会 17:30~18:15
(敬称略)
上越英語教育学会第13回大会
上越英語教育学会第14回大会
期日 平成21年7月25日(土)
会場 上越教育大学 人文棟3階マルチメディア語学教室
総会 13:00~13:20
実践報告 13:30~14:10
(1)木村一美(上越教育大学大学院)
「ICTを活用した小学校外国語活動の実践より」
(2)大川有利子(群馬県みなかみ町立新治中学校)
「表現力を高め、自ら進んで学ぶ自律した学習者の育成」
研究発表 14:20~15:20
(1)飯島博之(埼玉県立大学)
「EFL読解に影響を与える諸要因の重要度に関する意識の研究」
(2)大田智郁子(上越教育大学大学院)
「日本人英語学習者による英語のN-N複合語の獲得」
講話 15:30~16:30
演題:『「推測」と「反応」をキーワードとした授業づくり』
講師:渋谷徹(新潟市立新潟小学校)
閉会の辞 16:30~16:40
6 茶話会 16:40~17:30
<<実践報告・研究発表・講話要旨>>
■実践報告 13:30~14:10
木村 一美(上越教育大学大学院)
「ICTを活用した小学校外国語活動の実践より」
平成23年度から施行される新学習指導要領では、第5学年及び第6学年において年間各35時間の外国語活動を行うことが示され、平成21年度4月には全国の小学校に向けて英語ノート及びそれを補助する音声CDや電子教材が配布された。また、それらを有効に活用できるよう平成21年度より各小学校に電子情報ボードが順次配布されることとなり、今後ICT活用に関する研究がますます活発になるものと思われる。
昨年度、筑波大学附属小学校及び練馬区立八坂小学校において、ICTを活用した外国語活動の公開授業を行う機会を得た。その2つの授業実践について報告する。
授業の概略は以下の通りである。
筑波大学附属小学校
東京都練馬区立八坂小学校
学年
第5学年
第6学年
英語ノートとの関連 テーマ
英語ノート1 Lesson3より
How many? 数
英語ノート1 Lesson6より
What do you want? 外来語
ICT活用の
場面
動画に出てくるもの(花火、動物等)を数える活動
キーボードゲーム
絵本ビンゴ
大川 有利子(群馬県みなかみ町立新治中学校)
「表現力を高め、自ら進んで学ぶ自律した学習者の育成」
中学校1年生1学期の英語学習入門期の生徒を対象に,自律した学習習慣,学習方法を身につけ,表現力を高めることを目標に実践を行った。具体的な手だてとしては,授業のゴールの明確化と家庭学習指導に焦点を当てた。
授業のゴールの明確化では,長期目標と,各授業の目標を明確化し,生徒に提示することで,達成感を得ながら意欲的な態度を育み,表現力を高められるようにした。
家庭学習の指導は,家庭学習メニューを与えて具体的な方法を示した上で,授業の中でも時間をとって自学ノートの使い方を指導したり,家庭学習で繰り返し練習すべき表現をまとめたもの(Vocabulary Building)を活用したりして充実を図った。
■研究発表 14:20~15:20
飯島 博之(埼玉県立大学)
「EFL読解に影響を与える諸要因の重要度に関する意識の研究」
本研究は、日本人EFL学習者の読解に影響を与える諸要因の重要度に関する学習者の意識と読解力レベルとの関係について分析したものである。公立大学1年生334名(保健医療福祉関連分野専攻)の5段階尺度形式のアンケートに対する回答を得点化し、分散分析した結果、無生物主語の理解に関する重要度評価において有意差が見られ、読解力が劣る学習者の方が無生物主語をより重要であると認識していることが示された。また、読解という作業が好きであることの重要度評価においても有意差が示され、やはり読解力下位者の方が有意に高く重要度を評価していることが示された。
また、目標言語の知識、構造理解、情報統合、集中力に関係する質問項目に対する重要度評価が高く、日本人EFL学習者がこれらの要因の重要性を認識していることが確認された。
大田 智郁子(上越教育大学大学院)
「日本人英語学習者による英語のN-N複合語の獲得」
本研究の目的は、日本人英語学習者が (i)英語のN-N複合語の右に現れる名詞が複合語全体の範疇を決定するということを理解しているか、(ii)N-N複合語は2つの語が結びついて1つの物を指すということを理解しているか、(iii)形に基づく比喩的複合語と色に基づく比喩的複合語の解釈において難易度の差を示すのか、を明らかにすることである。日本人中学生40名、日本人大学生42名、英語母語話者8名を対象に行った絵選択タスクによる実験の結果を基に、(i), (ii)の問に関しては肯定的な答えが、(iii)の問に関しては否定的な答えが得られたことを報告する。
■講話 15:30~16:30
渋谷 徹(新潟市立新潟小学校)
『「推測」と「反応」をキーワードとした授業づくり』
小学校外国語活動の目標は「コミュニケーション能力の素地」を養うことである。
その中核は「積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成」である。私は「積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度」を次のように定義している。
○ 相手の話す英語を聞いて,それを理解しようとする態度をもつこと(推測)
○ 相手に何らかの反応を示そうとする態度をもつこと(反応)
キーワードは,「推測」と「反応」である。「推測」と「反応」の繰り返しによって授業を組み立てることによって,「コミュニケーション能力の素地」を養うことができる。
上越英語教育学会第12回大会
上越英語教育学会第12回大会
日時:2008年7月12日(土)
会場:上越教育大学(人文棟3階マルチメディア室)
プログラム
1 総会 13:00~13:20
2 実践報告 13:30~14:30
(1)大田亜紀(上越教育大学大学院)
「小学校教育現場の日豪比較 ~海外フィールドスタディを通じて~」
(2)田中健昭(上越教育大学大学院)
「オーストラリアの小学校における日本文化紹介授業の試み」
(3)中村直子(新潟県立高田農業高校)
「活動を多用した授業の実践」
3 研究発表 14:40~15:10
・飯島博之(埼玉県立大学)
「TOEICスコアで見る教養課程における英語教育の効果」
4 講話 15:20~16:20
演題:『中学校における和訳先渡し式授業の試み』
講師:重野準司 先生(上越市教育委員会)
5 閉会の辞 16:20~16:30
6 茶話会 16:30~17:30
<<実践報告・研究発表・講話要旨>>
■実践報告 13:30~14:30
大田 亜紀(上越教育大学大学院)
「小学校教育現場の日豪比較 ~海外フィールドスタディを通じて~」
本大学の研究プログラムである「海外フィールドスタディ」に2007年9月、参加の機会を得た。本プログラムは学生の自律的学習活動(autonomous learning)を主たる柱として考えられている。自分自身が何に課題を持ち、何をそこで観たり、何を実践したりしたいのかは参加学生に全て任せられている。
今回の参加にあたり、小学校教育現場の実際を日本とオーストラリアを比較した場合、何がどのように違うのかこれまでの教員経験と重ねながら現場視察をさせて頂いた。学校・教師・児童の様子、カリキュラムや授業や教材、生活スタイル等様々な面からこれまでの自分を見つめ直す貴重な時間となった。また、現場視察と同時に協力校への支援として、日本語授業のアシスタントや日本文化を伝える授業実践などの場も与えて頂いた。1ヶ月という短い滞在の中での現場実践ではあったが、その中で自分が得た内容について報告する。
田中 健昭(上越教育大学大学院)
「オーストラリアの小学校における日本文化紹介授業の試み」
オーストラリアのMount Brown Primary school で行った日本文化紹介の授業を紹介する。
Mount Brown Primary schoolは国際理解の授業として日本文化を扱っている学校である。現地の教師の話では、英語を母語とする児童は英語が話せればそれでいいという意識を持つ傾向にあり、学校の意識として「英語を母語としない外国人が、自分の文化を伝えようとしている姿を児童に見せてほしい」というものがあった。今回の実践はそうした背景により行われた授業である。主に行った授業は、現地の教師から希望があった日本の地理に関する授業と、自分が用意した日本の文化に関する授業。授業の中でワークシートや模写の活動を行ったので、そうしたものも同時に紹介する。
英語による日本文化紹介の授業であるので、日本の児童に対する英語活動からは少々方針がずれるものであるかもしれないが、参考にしていただければと思う。
中村 直子(新潟県立高田農業高等学校)
「活動を多用した授業の実践」
英語を苦手とする生徒に対して、作業的な活動を多様した実践を報告する。基礎的な英単語を定着させるために、なぞり書きやカタカ
ナ発音を取り入れたプリントに取り組ませたり、ペアでの音読活動を通して「声に出して読める」という自信をつけさせている。ま
た、教科書本文の内容や新出単語等をよりわかりやすく理解させるためのハンドアウトの工夫も紹介する。最後に、自分の言いたいこ
とを英語で表現させる取り組みとして昨年度実施したイラスト描写タスクについて報告する。
■研究発表 14:40~15:10
飯島 博之(埼玉県立大学)
「TOEICスコアで見る教養課程における英語教育の効果」
ある医療系公立大学における教養課程の英語教育の効果について検証する。教養プログラムにおける英語教育の状況について説明するとともに、大学入学直後のTOEICのスコアと、同じ学生が2年次の10月において受験したTOEICのスコアを比較することで、教養プログラムにおける英語教育の効果を確認し、全体的傾向、学力レベルごとの傾向について考察する。
■講話 15:20~16:20
重野 準司(上越市教育委員会)
「中学校における和訳先渡し式授業の試み」
和訳先渡しというと手抜きと思われるかもしれないが、決してそうではない。和訳を先渡しする目的は、そのことで理解にかけなければならない時間を浮かせて、理解した英語を頭中に取り込む作業、使う作業を多くするということである。もっと英語の勉強をたくさんさせるための方便である。そんな授業作りの一事例を紹介する。
上越英語教育学会第11回大会
上越英語教育学会第11回大会
日時:2007年7月21日(土)
会場:上越教育大学(人文棟3階マルチメディア室)
総会 13:00~13:20
実践報告 13:20~14:00
1. 西田克裕(上越教育大学大学院)
「 ‘聞くこと’と‘話すこと’を主体にした糸魚川市立N小学校英語活動の実践報告」
2. 池田 綾(上越教育大学大学院)
「音読指導における量の保障と方策の工夫」
研究発表 14:10~14:40
飯島 博之(埼玉県立大学)
「TOEICにおけるリーディング阻害要因調査票の開発研究」
講話 14:50~16:50
北原 延晃(東京都狛江市立第一中学校)
「目からウロコの指導法」
閉会の辞 17:00~17:10
茶話会 17:10~18:00
<<実践報告・研究発表・講話要旨>>
■実践報告 13:20~14:00
西田 克裕(上越教育大学大学院 M1)
「聞くこと」と「話すこと」を主体にした糸魚川市立N小学校英語活動の実践報告
糸魚川市立N小学校では、平成17年度から3~6年生は年間35時間(45分授業)、1,2年生は20分を1回として、それぞれ20時間、35時間の英語活動を実施している。
N小学校の小学校英語活動・英語教育の目標は、「英語活動をとおして、外国の言語や文化に慣れ親しみ、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、聞くことや話すこと(など)の実践的コミュニケーション能力の基礎を養う。」ことである。
N小学校の特色としては、学級担任が英語活動の授業を行っているという点である。上越教育大学教員と連携して、具体的な授業内容・方法、そしてカリキュラムについて指導をいただき、学級担任が実践を積み重ねている。今回の発表では、その授業の一部を模擬授業という形で紹介し、本取り組みの意義と課題について述べる。
池 田 綾(上越教育大学大学院M1)
「音読指導における量の保障と方策の工夫」
教員評価制度の完全実施を見据えた取り組みとして、個人の授業改善企画書からの授業改善の取り組みを紹介する。
「各教科の課題を個人の授業改善でどのようにいかすか」-昨年度、前任校での取り組みとして「教科の課題に対する改善企画書」と「個人の授業改善企画書」を作成した。それに基づき生徒の変容を見取りながら、全職員で「わかる授業」への取り組みを目指した。
生徒のアンケートから、「教科書が読めない」「英語が読めないからあきらめている」という回答が多かった。それに対する具体的な方策として、「授業中での音読の量を保障し、いかに飽きさせずに自信をもって読めるようにするか」という点に絞り、生徒の取り組みの変容や学力の推移を見取った。その実践例と結果、課題について報告する。
■研究発表 14:10~14:40
飯島博之(埼玉県立大学)
「TOEICにおけるリーディング阻害要因調査票の開発研究」
日本人大学1年生307名を対象とし、TOEICにおけるリーディング部分の阻害要因を明らかにするための調査票の開発研究を実施した。調査票は5段階尺度形式で、飯島(2004)で用いた英語論説文の読解阻害要因に関する調査票を基に、TOEICの内容を考慮するとともに、TOEIC-IP受験者の自由記述アンケートも参考にして原案が作られ実施された。データは得点化され、SPSSを用いて信頼性が測定されたが、分析の結果、その項目を除く他の項目の合計得点との相関係数が低い3項目(0.3未満)を削除した。その上で因子分析を実施し、読解阻害要因となる因子を抽出するとともに、TOEICにおけるリーディングの得点に基づいて、読解力と抽出された阻害要因との関係を考察した。本研究のTOEICテストは旧TOEICに基づくIPであるため、新TOEICに関係する質問項目を新たに3項目追加し、最終的に34項目の調査票を完成させた。
■講話 14:50~16:50
北原延晃(東京都狛江市立第一中学校)
講演内容 「目からウロコの指導法」
英検準2級に週3時間の公立中学3年生の30%が受験し16%が合格した。
高校に進んだ生徒に追跡調査を行った結果、どのレベルの高校でも本校の生徒はトップクラスの成績をあげている。その秘訣の一つである語彙指導を中心にお話します。生徒のパフォーマンス活動の映像もご覧いただきます。
上越英語教育学会第10回大会
上越英語教育学会第10回大会
日時:2006年7月22日(土)
会場:上越教育大学(人文棟3階マルチメディア室)
総会 13:00~13:20
実践報告 13:20~15:10
1. 島袋あゆみ(上越教育大学大学院)
「沖縄県における小学校英語活動の現状と課題」
2. 土田優子(新潟県上越市立中郷小学校)
「歌・ゲームを主体にした英語活動の実践」
3. 小林克美(上越教育大学大学院)
「中・長期的な到達目標と指導計画の立案に基づく授業実践」
4. 門田 愛(新潟県立村上中等教育学校)
「動機付けを高めるライティング活動の充実
~創作スキット活動を通して~」
5. 島田真紀(長野県立軽井沢高等学校)
「英語科のある地域校」
研究発表 15:20~15:50
野地美幸(上越教育大学)・江村健介(東北大学大学院)
公立中学校・高等学校教員を対象とした「英語が使える日本人」に関する意識調査
講話 16:00~17:00
小 倉 弘 之(沼田市教育委員会 学校教育課指導主事)
「小学校への英語導入を視野に入れての沼田市の取組」
閉会の辞 17:00~17:10
茶話会 17:10~18:00
<<実践報告・研究発表・講話要旨>>
■実践報告 13:20~15:10
島袋 あゆみ (上越教育大学大学院 M2)
「沖縄県における小学校英語活動の現状と課題」
小学校における国際理解を進める具体的な学習活動として,「外国語会話」「国際交流活動」「調べ学習」などがある。これらの活動は,いずれも国際理解を進める上で有効な方法であり,相互に有機的な関連を図りながら取り上げていくことが望まれる。そこで,これらを組み入れた「総合的な学習の時間」と「生活科」での1年間のカリキュラムの流れ及び授業実践の報告をする。
また,沖縄県という歴史的にも地理的にも特有な土地柄での英語教育の経緯と,2003年度から急速に広まった沖縄県における各小学校の小学校英語の現状とその課題を報告する。
土田 優子(上越市立中郷小学校)
「歌とゲームを主体とした英語活動の実践」
上越市立中郷小学校では,昨年度から全学年,年間10時間の英語活動を実施している。ねらいは,次の2点である。
○身近なやさしい英語にふれることで児童に外国の文化に対する興味や関心を持たせる。
○遊びを通してやさしい英語を使うことにより,外国の文化や外国人に対して積極的に関わっていこうとする態度を育てる。
中郷小学校の英語活動の特色としては,以下の3点があげられる。
1. 年間(60時間)を見通した年間活動計画を立てたこと
2. 各月ごとの英語活動の内容と言語材料,歌,ゲームを選定したこと
3. 各1時間ごとの活動案を作成したこと
これらの計画にそって,ALTと担任がT-Tで英語活動を実施している。児童は,ALTとふれあう英語活動を毎回とても楽しみにしている。
小林克美(上越教育大学大学院M1)
「中・長期的な到達目標と指導計画の立案に基づく授業実践」
平成16年度末から平成17年度までの,授業改善の取り組みを紹介する。
教員数の削減から,少人数制が廃止になることをきっかけに,「生徒にどのような力をつけたいのか?」「指導方法は?」「授業は?」など,原点に立ち返り,目標,授業等を同僚と共に見直した。
授業改善のスタートは,「英語科は3年間でどのような生徒を育成したいか」というゴールを明確にすることだった。そこから始まり,3年間の指導・到達目標,各学年の指導・到達目標を具体化していった。指導重点項目を確認し,生徒との「学びのテーマ」の共有を目指した。
これらの取り組みを通し,「授業力」とは,まず,明確な目標を持ち,どのようにしてその目標に向けて,生徒と共に歩むかということの大切さに改めて気づいた。常に,生徒がどこに向かい,どの地点にいるかを振り返るためにも,具体的な指導・到達目標を持つことは大切であると考える。そして,何よりその取り組みを英語科全体で取り組み,目標を共有できるということが,学校としての「授業力」につながると考える。
門田 愛(新潟県立村上中等教育学校)
「学習意欲を高めるライティング指導について -創作スキット作成を通して-」
本校では,文部科学省から平成17年度にSELHi(Super English Language High School)の指定を受け,動機付けとライティング能力の関係について実践研究を進めている。1年生から5年生まで一貫したオリジナルライティング活動指導計画を設定し,継続したライティング指導を行うことにより,ライティング能力の育成を目指している。
本発表においては,創作スキット作成活動の具体的な指導について紹介する。中学生の教科書のリーディング部分を和訳先渡しで授業を行い,余剰時間を創作スキット作成にあてた。グループごとに作成したオリジナル台本でスキットを演じ,発表を録画し,学年16グループ分のスキット鑑賞会を行った。中学生へのライティング指導の具体的な内容や方法について提案したい。
島田真紀(長野県軽井沢高等学校)
「英語科のある地域校」
長野県で最初の「英語科」が創設された軽井沢高校に勤務している。学校の規模は生徒数400名ほどの小規模校だ。「進学校」という呼び方があるが,軽井沢高校は「地域校」と言うことになるだろう。進学校と比較すると,進学実績に神経質にならずにすむため,英語の授業に幅をもたせ様々な内容の授業を試みることが可能な環境といえる。また,英語科という特殊科があることで普通科にはない行事や授業の取り組みがある。
新しいことを試す環境にあること自体は良いことだが,それゆえ発生する困難な面も存在する。過去3年間の勤務を振り返り,英語科を抱える地域校ならではのプラス面とマイナス面を考えてみたい。
また,最近では英語科への進学を希望する生徒の減少に悩んでいる。幾つか考えられる原因は;
1) 同じ通学区に「国際教養科」を設置した高校ができた。
2) 「英語科」という名称より学習内容・進路先が限定されることへの不安。
3) 中学生の英語嗜好の減少。
4) 軽井沢の立地。
などがある。
英語科ならではの行事・授業の中から,生徒の作品,実際の様子をご覧いただく予定。
■研究発表 14:25~15:50
野地美幸(上越教育大学)・江村健介(東北大学大学院)
「公立中学校・高等学校教員を対象とした「英語が使える日本人」に関する意識調査」
本研究は,日本人英語学習者の最終到達目標としての「英語が使える日本人」に対して,実際に英語を教えている公立中学校・高等学校の教員はどのようなイメージを抱いているのかを明らかにすることである。英語がコミュニケーションのために「使える」ようになるためには文法能力,社会言語的能力,談話能力,方的能力といったさまざまなコミュニケーション能力が必要とされているが(Canal (1983)),例示した各能力についてその重要度と達成可能性について各21項目,5段階尺度形式でアンケートを実施した。実施期間は平成17年8月~11月,対象者は公立中学校教員67名,公立高等学校教員50名であった。このアンケート結果に基づき,英語教員の抱く「英語が使える日本人」像に迫るとともに,(i)中学校教員と高等学校教員とで違いはあるのか,また,(ii) 昨今文法重視傾向が強まっていると言われているがコミュニケーション能力の下位能力のうち特に文法能力が重視されていると言えるだろうか,等の問いについても考察を加える。
■講話 16:00~17:00
小倉 弘之(群馬県沼田市教育委員会)
「小学校への英語導入を視野に入れた沼田市の取組」
次期学習指導要領の改訂に関わって,小学校での英語必修化について,大学研究者やマスコミ等,意見が賛否両論飛び交っている。
そのような中,沼田市教育委員会では,平成15年度から3年間,「沼田市英語教育推進事業」を推進し,小中9年間のスパンで,実践的コミュニケーション能力の基礎を培っていくためのプランを策定し,その中で小学校英語活動のあるべき姿を明らかにするとともに,小中学校の教員に対しての研修会等を行ってきた。その内容とともに,それらの実践を通して新たに見えてきたもの等について報告する。
また現在,中央教育審議会の教育課程部会及び外国語部会等で小学校における英語教育の導入について審議されている。その審議内容も踏まえ,沼田市教育委員会が今後目指していく方向について提案し,参加者の皆さんからご意見をいただくことで,今後の小学校における英語教育のあり方について探っていきたいと考えている。
上越英語教育学会第9回大会
上越英語教育学会第9回大会
日時:2005年7月23日(土)
会場:上越教育大学(人文棟3階LL教室)
総会 13:00~13:25
実践報告 13:30~14:15
1. 伊藤 久(上越教育大学大学院)
「表現の能力(話すこと、書くこと)の育成を図る授業の取り組み」
2. 茂手木直人(上越教育大学大学院)
「コミュニケーションへの関心・意欲・態度についての指導と評価
-到達度を意識した指導の工夫-」
研究発表 14:25~15:50
1. 新澤 悟 (長岡市立東北中学校教諭)
「日本人中学生にとって音読は英語学力を向上させる活動か」
2. 姉﨑達夫(長岡市立宮内中学校)
「中学生における英単語認知と意味アクセス」
3. 大場浩正(上越教育大学),杉野直樹(立命館大学),
山川健一(安田女子大学), 清水裕子(立命館大学),
中野美知子(早稲田大学)
「How Japanese EFL learners' cue dependencies in sentence comprehension affect their grammaticality judgements of wh-questions」
閉会の辞 15:55~16:10
懇親会 17:00~19:00
<<実践報告・研究発表要旨>>
■実践報告 13:30~14:15
伊藤 久(上越教育大学大学院M1)
「表現の能力(話すこと、書くこと)の育成を図る授業の取り組み」
英語科における目標である「聞くこと、話すこと、読むこと、書くこと」の4技能の習得のうち、表現の能力、特に「話すこと」と「書くこと」に焦点をあてた取り組みを紹介する。
「話すこと」における活動は「中学英語で日常英会話」という自作プリントを活用したペア活動である。既習の文法事項を実際の会話例の中に盛り込むことで、文法指導をコミュニケーション活動につなげたものである。生徒の声量を上げるためにBGMを流すなど工夫をしてみた。授業開始後の雰囲気作りという点でもペア活動を行う利点は大きいと思われる。
「書くこと」においては、最終目標として学年末における英語文集の作成を位置づけた。それに関連させて、授業では「Topic Writing」という活動をALTとのTT時に行った。この活動は、ある話題について自由に英語で書いていくものであるが、その過程でブレインストーミングをアレンジした「枝分かれ図」を活用するなどの工夫をした。学年末には生徒全員の作品をまとめて冊子にしたものを配布した。
本発表では、上記2つの活動それぞれの成果と課題を提示した上で、生徒の表現の能力を高める授業のあり方を考えていきたい。
茂手木直人(上越教育大学大学院M1)
「コミュニケーションへの関心・意欲・態度についての指導と評価
-到達度を意識した指導の工夫-」
多くの英語教師にとって、4つの評価の観点の中で、最も評価が困難なものは、最初に挙げられている「コミュニケーションへの関心・意欲・態度」であろう。何をもって「関心・意欲」があると評価するのか、またどうすればAになるのか、常に教師の頭を悩ませる問題であり、生徒にも何によってどう評価されているのかよく理解されていないのではないだろうか。
そこで、生徒が目標意識をもってコミュニケーション活動に取り組み、教師が具体的な評価を行えるような実践を行った。生徒全員に評価カードを配布し、そのカードに関心・意欲の評価内容をできるだけ盛り込み、自分の学習状況が把握できるようにした。その際カードに、それぞれの活動の目標を記載することで、目標を持って活動に取り組むことができ、生徒は自分の達成度も把握できるようになった。その他にコミュニケーションへの関心・意欲を高める指導として「クラスの生徒全員と話そう」という活動とインプット活動の実践も紹介する。
■研究発表 14:25~15:50
新澤 悟 (長岡市立東北中学校教諭)
「日本人中学生にとって音読は英語学力を向上させる活動か」
日本の中学校の英語授業において音読ほど頻繁に行われている活動はないと思われる。また、音読の有効性を指摘する主張やその効果を示す実証的研究も幾つか存在する。しかしながら、授業での音読の指導の現状を見ると数々の問題が指摘されていることも事実である。その根底には、音読はどのような英語学力の向上を目的として行う活動かが曖昧なことがあると考える。本稿では中学生と対象として、継続的な音読指導がペーパーテストで測る英語学力を向上させるのかを検証した。調査の結果、3ヶ月の音読指導後の英語学力の向上は見られなかったが、学習者には音読の有効性を体感させることができた。
姉﨑達夫(長岡市立宮内中学校)
「中学生における英単語認知と意味アクセス」
近年、リーディングにおける語認知の重要性が指摘されている(Koda, 1996; 赤松, 1999; Akamatsu, 2003; Koda, 2005)。Anezaki(2005)では刺激項目と学年が反応時間に与える影響を調べるため、中学1年生と中学3年生に4種類の呈示項目(アルファベット、英単語、英単語から日本語、日本語から英単語)を順次見せて、反応時間を計測した。本実験はその約4か月後にほぼ同様の手続きで行われた。ただし、呈示順序をランダムにして次の項目が予測できないようにして行われた。分析は刺激項目(4水準)×学年(2水準)の2元配置分散分析を用いた。分析結果と呈示順序をランダムにした影響や意味アクセスなど考察については当日発表する。
大場浩正(上越教育大学),杉野直樹(立命館大学),山川健一(安田女子大学), 清水裕子(立命館大学),中野美知子(早稲田大学)
How Japanese EFL learners' cue dependencies in sentence comprehension affect
their grammaticality judgements of wh-questions
The purpose of the present study is to investigate how adult Japanese EFL learners' cue dependencies in English sentence comprehension might affect their grammaticality judgements of wh-questions. In order to examine their cue dependency, a test was prepared on the basis of the previous studies. And then, a grammaticality judgement task on wh-questions was given to them in order to see if there is any different pattern in judgements among the three cue dependency groups. The results of the grammaticality judgement task clearly showed that as adult Japanese EFL learners began to make use of the cue preferred in English, i.e., the syntactic cue, their interpretation of the wh-questions approximated that of the native speakers of English. That is, the three cue dependency groups judged each of the Subjacency violation categories differently. Interpretation of these different patterns will be discussed.
上越英語教育学会第8回大会
上越英語教育学会第8回大会
総会
13:00-13:25
ワークショップ 13:25-14:25
日吉信秀(上越教育大学大学院M2)
「単語認識研究におけるデータ収集の一方法
~PsyScopeを使用したNaming Taskの実施~」
栗栖博愛(上越教育大学大学院M2)
「外国語教育の目標を見直す
~ホリスティックな教育としてのシュタイナー教育の視点から~」 14:35-15:15
実践報告
1. 鈴木武秀 (上越教育大学大学院M1)
「英語に慣れ親しみ、 実践的コミュニケーション能力の基礎を育む 指導はどうあればよいか一言語材料の定着と言語活動の充実とのバ ランスを図った指導の工夫一」
2. 福田昇(上越教育大学大学院M1)
「導入部におけるBingo、 Flash Cardの提示方法の工夫と背景知識 の効用について」
15:30-16:45
河内健志 (上越教育大学大学院M2)
研究発表
1.
2.
3.
「主語からの前置詞句の外置一項と付加部における非対称性!」 廣瀬浩二 (明倫短期大学)
「日本人英語学習者の心的辞書に関する一考察」 石濱博之 (上越教育大学)
閉会の辞
懇親会
「中学校以前の英語学習経験と聴解力との関係に関する調査報告」
16:45-17:00
17:30-19:30
■ワークショップ
日吉信秀 (上越教育大学大学院M2)
13:25-14:25
「単語認識研究におけるデータ収集の一方法
~PsyScopeを使用したNaming Taskの実施~」
本発表では "PsyScope" を使用した、 Naming Taskの実施方法について紹介していく。
Naming Task (ネーミング課題) とは、メンタルレキシコン内の語彙へのアクセスに関する実験的研究 手法のひとつで、 参加者に刺激文字列の音読を求めるタスクである。 単語認識研究においては、提示された 文字列が単語として実際に存在するか、 非単語 (nonword) であるかの判断を求めるLexical Decision Task (語性判断課) が多くの研究者たちによって実施されている。 発表者が修士論文に向けて取り組んで いる研究において、 Lexical Decision ではなく、 Naming Taskの実施を選択した理由は、参加者が目にした 文字情報から音器情報を取り出すまでの過程に注目したかったからである。
"Psy Scope" とは、インターネット上からフリーダウンロードできる心理学用実験ソフトで、MACパソ コンで使用できる。 現在ユーザーサポートは行われていないが、ホームページ上にはマニュアルがPDF ファイルで用意されており、 多くの心理学研究者たちによって使用されている。 しかし、その活用範囲は心 理学系の実験にとどまらない。
文字を目にしてから声に出すまでの、 いわゆる 「反応潜時」 の計測には、 ポイスキー機能が不可欠であ り、そのためには、MACパソコンと "PsyScope" に加えて、 ButtonBoxという外付けの装置が必要とな る。 発表者はこれらの装置の設定に、 2ヶ月の期間を要した。 本発表ではどのようにして装置をそろえ、 設 定したのかについて説明し、それらの装置によって実施可能となったNaming Taskのプログラム (自身で 作成したもの)を一例として提示する。 そして、 先週までに大学生・中学生参加者に実施したテスト結果の 一部をデータとして紹介する予定である。
- 栗栖博愛 (上越教育大学大学院M2) 「外国語教育の目標を見直す
~ホリスティックな教育としてのシュタイナー教育の視点から~」
中学校学習指導要領 (平成10年12月) では、 外国語教育の 「目標」 は、以下のように設定されている。
「外国語を通じて、 言語や文化に対する理解を深め、 積極的にコミュニケーションを 図ろうとする態度の育成を図り、 聞くことや話すことなどの実践的コミュニケーション 能力の基礎を養う。J
一方、今回のワークショップで、 上に掲げた文科省の 「目標」 と対比させることになるシュタイナー学校 の外国語教育の目的は、次の6点である。
1世界観を創ることに貢献する
2平和教育に資する
3心身のバランスをもたらす
4磨耗された現代人の感覚的鋭さを取り戻す
5精神的世界を豊かにする
6日常生活での身近な目的 試験など) に合致する
一見この目的は、壮大稀有で実行不可能に思われる。 しかし、80年以上の歴史を持ち、 世界的にも評価 されつつある同校の実践から、私たち語学教師やそれを志す者が学べるものは、少なくないと考える。 本ワークショップでは、中学生や現場教師が英語教育の目標として捉えているものと、シュタイナー学校 での外国語教育の目的を、 同校の実践内容や方法、 成果を交えつつ対比させ、 人間を教育するという観点か ら、外国語教育を行うことの目的、 目標について考えて行きたい。
14:35-15:15
2. Bingo
(7) Special combinations=-00- (book), -ee (tree), etc.
(1) clap によるリズム
(3) 目を閉じた状態での発音
(2) 「書く・読む・聞く・話す」 の4技能
(4) zolk を用いた文による確認
3.背景的知識 (1) 文化的なもの (2) 歴史的なもの (3) 即物的なもの 人間の記憶の再生に関しては、刺激が提示された順に並べてみると、 系列のはじめと終わりでいずれも成 僕がよいといわれる。 この効果は、一単語の記憶においても単語の最初と最後の文字にみられると思われ る。従って単語の最初と最後の文字を視覚的に明示したり、 それらに聴覚的に注意を向けさせることは単語 の記憶の定着に有効であると考えた。 本発表では、 実際に授業で行ったものを成功例と失敗例をあわせて紹 介し、 導入部における授業のあり方を考えていきたい。
■実践報告
鈴木武秀 (上越教育大学大学院M1)
「英語に慣れ親しみ、 実践的コミュニケーション能力の基礎を育む指導はどうあれば よいか一言語材料の定着と言語活動の充実とのバランスを図った指導の工夫」
本実践は、 発表者が平成14年4月から平成16年3月まで所属していた地区中学校教育研究会 (英語部会) の指定を受けて行ったものである。
昨今の英語教育は、実践的コミュニケーション能力の基礎を育むことに主眼が置かれている。 学校現場の 英語教師が議論の焦点とし、 また試行錯誤を繰り返してきた点は、 (1) 平成10年 (中学校告示) 及び平 成11年(高等学校告示) の学習指導要領に示された 「実践的コミュニケーション能力」という言葉をどの ように解釈し、また (2) その能力を育む授業をどのように構築していくか、 である。 一方で、各種学校の 入学選抜試験においては、改良は加えられたものの、未だ、試験対策としてテスト・テイキング方略などを 身に付けることによって、ある程度、高得点が取れるようなリスニングテストや複雑な文法的知識を問う 質問などが問題の大部分を占めているという現実がある。
そこで発表者は、実践を進めるにあたり、 「実践的コミュニケーション能力」 とは何か、という問いに対 して自らその解釈に立ち戻ることからはじめた。 授業実践では、ALTの協力を得て作成した英会話教材 (ス キット)を基に授業を展開した。 Classo (言語要素中心) Class (言語使用中心) という2コマを1 セットとしたプログラムを考え、実践的コミュニケーション能力の育成を図る取り組みを行った。 本発表で は、これらの取り組みを紹介し、 生徒たちの意欲を喚起したと考えられる要因 (場面設定、 発表形態、 グ ルーピング、 評価法に関して) フィードバックのタイミングと効果に関する問題点、及びグルーピングに 含まれる考慮すべき問題について考えていきたい。
福田昇 (上越教育大学大学院M1)
「導入部におけるBingo、 Flash Cardの提示方法の工夫と背景知識の効用について
中学校における英語の授業では、基本的な単語を獲得できない生徒が各学級にいつも数名みられるよう である。この理由として、 生徒は単語の書き取りを重視することによって発音を無視したり、発音は正しく できるがつづり字が間違っていたりといったことが挙げられるだろう。 そこで、 単語の記憶保持をできるだ け正確に、また効果的にするために、 次の3つの方法を考えてみた。
1. Flash Card
(1) 最初と最後の文字 (2) 色を変えたカード (3) 英語から日本語
(4) 日本語から英語
clueを与えた質問
(6) Special 'e' =a...e (cake).o....e (home) ,etc.
■ 研究発表
15:30-16:45
河内健志 (上越教育大学大学院M2)
「主語からの前置詞句の外置一項と付加部における非対称性」
生成文法において 「主語からの外面 (extraposition from subject)」 はRoss (1967) 以来、 様々な研究が なされてきた。 しかし、そのほとんどは外の派生の仕方 (Baltin (1983), Johnson (1985), Culicover & Rochemont (1990), Kayne (1994)) や外置に用いられる述語 (Kirkwood (1977), Gueron (1980), Johnson (1985)) に関するものであった。
本稿では、 「主語からの前置詞句の外置 (PP extraposition from subject)」 の考察から、これまで外 に関する研究でほとんど議論がなされていなかった、 前置詞句が (argument) である場合 ((la)) と付加 部 (adjunct) である場合 ((1b)) とでは外の可能性が異なることを示し、その説明を試みる。 (1) a. *A student appeared (of linguistics]. <Argument>
b. A student appeared [with red hair].
<Adjunct>
廣瀬浩二 (明倫短期大学)
「日本人英語学習者の心的辞書に関する一考察」
語の産出に関しては、母語話者は系列的関係 (paradigmatic relations) を基にword associationを産出す る傾向があるが、非母語話者は辞的関係 (syntagmatic relations) を基にword associationを産出する傾 向がある (Coulthard et al., 2000)、 といわれる。
日本人学習者のメンタルレキシコンを探るために、 本研究では、 (1) 簡単なワードアソシエーションテス トを作成し、 (2) 刺激と対象者の反応との関係を調べた。 対象者は新潟県内の中学2年生28名、 高校3年 生34名、 短大生63名、 成人8名の合計133名である。 ワードアソシエーションテストでは、 McCarthy (1990:152) に従って、 8語の刺激から成る語彙リストを作成した。 8語の内訳は、 機能1語、 内容語7 語である。 品詞は、名詞+前置詞 副詞・ 動詞・形容詞を含む。 JACET (1993) の頻度表示では、1~5の 表示 すべてを含む。 意味的側面の分析では、contrast, similarity, subordinate, coordinate,
superordinate (Carter, 1998) 及びaffective, collocations (Sokmen, 1993) をもとに調査結果を分類し
た。
石濱博之 (上越教育大学)
「中学校入学以前の英語学習経験の有無と聴解力との関係」
キーワード: 英語学習経験の有無、 聴解力
本発表は、 アンケート調査の報告である。
[はじめに]
現在、2002年から施行される学習指導要領で 「総合的な学習の時間」の中で国際理解教育の一環として 英語活動が実施されている。 現実には、2002年以前に、既に中学校入学以前に何らかの形で英語を学習 している子どもは多いだろう。
本発表は、 「総合的な学習の時間」 が開始される前に実施した調査報告である。 その調査の意図は、 中学 校において中学校入学以前に英語を学習している学習者が、 英語学習を経験していない学習者と聴解力にお いてどのような相違があるかを提示・検討するものである。
[先行研究]
先行研究の結果によれば、 4技能すべてにおいて早期英語教育を経験した学習者がそうでない学習者より すぐれていると言われている。 具体的には、 児童英語教育学会の研究グループによる 「早期英語学習経験者 の追跡調査 第1報、 第三報、 第川報、 第IV」 (1986,1987, 1988, 1989) 「学習開始年令が言語学習に 及ぼす影響 第報、 第三報、 第川報、 第IV報」 (1990, 1991, 1992, 1993) 調査報告されている。
石 (2000)は、今回の予備調査として同様の形式で公立中学校1年生68名を被験者として調査を実 施した。その結果 「学習経験の有無が中学性の聴解力に影響を及ぼしているだろう」とした。 また、 英語活 動を体験した児童の 「聴解力」 の伸びに関しては、時間の経過と共に子どもの聴解力は伸張する可能性があ るとした (2004)。
[研究主題: 調査の目的]
本研究は、 聴解力に関する追実験として、 中学校入学以前の英語学習経験の有無が聴解力に影響を及ぼし ているかについて調査・検討することを目的としている。
[研究主題の検証: 調査の内容]
1. 素材:
中学1年生用 『CDつき児経験クリアもんだいしゅう』 (成美堂) 模擬試験3級 中学2年生用 『CDつき児童経験クリアもんだいしゅう」 (成美堂) 模擬試験2級
中学3年生用 『児童英検1・2級スーパードリル」 (アルク) 模擬試験1級
2. 留意点 児童が当てずっぽに答えるのを避けるために、 「わからない」 という項目を設けた。
各問に対して、テープを使って2回設問を示した。
3. 実施日:
2000年12月から2001年1月の期間
4.被験者:
秋田県内公立中学校2校、 愛知県内公立中学校2校
中学校1年生から3年生まで、 約 1500名 (各学年500名程度)
5. 処理の方法: 独立した検定
[結果と考察 ]
中学校入学以前に英語学習を経験した学習者が、そうでない学習者より聴解力テストの総合計でよかった
(検定で有意差あり)。 それは、経験の有無と聴解力に関係があるだろうと考えられる。
なお、 聴解力テストの内容や結果についての詳細は、当日提示したい。
上越英語教育学会第7回大会
上越英語教育学会第7回大会
総会 13:30-14:00
セッション1: 「小学校英語教育」
(実践報告) 14:00-16:00
「小学校における英語教育: 私の授業」
6人の現職教員による小学校における英語教育の実践報告と
それに関する全体討論
国元慶子 柿崎町立柿崎小学校教諭
竹内和俊 長野県波田町立波田小学校教諭
竹田正子 上越市立東本町小学校教諭
土田優子 板倉町立山部小学校教諭
中澤照美 上越市立春日小学校教諭
丸田敬根 上越市立春日小学校教諭
(研究発表) 16:15-16:45
「公立小学校における「英会話活動」に関する意識調査」
松崎邦守 千葉県沼南町立高柳中学校
北條礼子 上越教育大学教官
セッション2: 「英語科教育・英語学・文学に関する研究発表」
14:00-16:15
「高等学校におけるロシアとの交流活動実践報告」
渡辺政寿 新潟県立高田北城高等学校
「Education System in General & Teaching English in Saudi Arabia」
Nabeel Samarkandi 上越教育大学大学院留学生
「A Pragmatic Study of English Future Expressions in Discourse:
談話における英語未来表現の語用論的研究」
田地野直子 新潟県立五泉高等学校
「カフカの短編小説について(仮題)」
平野七濤 上越教育大学教官
閉会の辞 17:00-17:20
懇親会 18:00-20:00
セッション1: 「小学校英語教育」
(実践報告) 14:00-16:00
「小学校における英語教育: 私の授業」
(研究発表) 16:15-16:45
「公立小学校における 「英会話活動」に関する意識調査」
セッション2: 「英語科教育・英語学・文学に関する研究発表」
14:00-14:30
「高等学校におけるロシアとの交流活動実践報告
~日露年賀状・クリスマスカード交換〜」
渡辺政寿
新潟県立高田北城高等学校
1. 研究の背景
文部省(現文部科学省)により1990年から始まったREX(Regional and Educational Exchange for Mutual
Understanding) プログラム:「外国教育施設日本語指導教員派遣事業」*1の第10期派遣教員として、新潟県
よりロシア連邦ウラジオストク市に派遣された。派遣期間は1999年9月30日より2001年2月25日までの約1年
5ヶ月。帰国後、本事業の主旨である教育交流を進め、相互理解の増進を図る目的で、派遣先の大学生と帰
国後の勤務校の高校生との年賀状・クリスマスカード交換という交流を思い立つ。これまでに2001年(ロシ
ア在任中、日本における在籍校であった十日町総合高校と)、2002年(十日町総合高校)、
校)と計3回実施することができた。
同活動の目的は(1) 異国の同年代の人間と交流することで、相互理解を深める。(2) アメリカ・イ
ギリスといった英語圏だけでなく、非英語圏にも広く目を向けさせる。(3) 外国語でコミュニケーション
をとることによって得られる喜びを実感させる。以上3点である。
今回の交流に関するロシア側の対象学生は、海洋国立大学(2001年夏、極東国立海洋アカデミーから改
編)日本語履修生37名(ほとんど初級)。ウラジオストク人文商業カレッジ日本語履修生18名(初級)*2。極東
国立総合大学東洋学大学日本語学科1年生23名、2年生2名。極東国立工科大学・みちのく銀行日本語セン
ター31名の計111名である。
一般的な報道からは知り得ないロシアの実情を多くの人に知ってもらうことで、ロシア滞在中にお世話
になった方々に恩返しする意味でも、今後も可能な限りライフワークとして本交流を継続していきたいと考えている。
2. 研究の目的
①本研究の第一の目的は、英語の成績の違いによってこの活動に対する評価に差があるかどうかを明ら
かにすることである。
②本研究の第二の目的は、普通科と生活文化科でこの活動に対する評価に違いがあるかどうかを明らかに
することである。
③ 本研究の第三の目的は、性別の違いによってこの活動に対する評価に差があるかどうかを明らかにす
ることである。
3. 研究の方法
3.1 活動の実施時期 2002年11月~2003年1月
3.2 被験者 新潟県公立高等学校 1年生264名
(内訳は普通科186名、生活文化科78名である)
3.3 測定具
3.4 手順
ARCS理論モデルに基づく5段階尺度形成の6項目と、同活動について
「良かった点」 「悪かった点」 「感想」 についての自由記述から成る アンケート。
以下の内容、 条件に従って年賀状を作成させた。
1.生徒自身の英語学習のため、英文を3文以上書く。 正月、 高校生活、家族、趣味などについて。
2.デザインは自由。 絵を描く、 雑誌の切り抜きやパソコンから取り込んだ画像等を貼るなど工夫す る。
3. ロシア人学生の日本語学習のため、簡単な日本語で少し書く。
4. 異文化を実感するため、 名前をキリル文字で書き、 可能なら簡単な表現もロシア語を使ってみる。 (キリル文字で書かれた50音表とロシア語で書かれた挨拶等の表現を載せたプリントを配布。)
5. 葉
市販の年賀状にする。 の紙に下書きをし、担当者の確認を受けた者から、
なお、興味関心を高めるのではないかという配慮から、原則として、 カード交換の相手が異性に なるように調整し、 名簿を作成した。 人数の都合により、 1対1の交換が成立した場合と、1対複 数の交換にならざるを得ない場合が生じた。
2学期末考査後、普通科はOCBで、 生活文化科は英語の授業の中で、3時間で作成に取り組む。 (普通科のOCB*4ではALTとの1対1の口頭試験を1教室で行う間に、 その他の生徒は別教室で年 賀状書きをした。)
11月初旬
Eメールで海洋国立大学勤務の日本人教師2名 (日露青年交流センター派遣者、現地採用者) と連絡を取り、双方の科で同僚の協力を得て、本行事を実施することで合意。
11月中旬
Eメールでロシア側参加者名簿が送付される。
12月初旬
Eメールで海洋大学へ名簿を送付。 (後から様々な所属の日本語学習者が集まり、当初の 予定より大幅に増加。)
授業で年賀状作成。
12月中旬
ロシアからは海洋大学勤務の日本人の知人 (新潟市役所国際課派遣者 *3)が年末一時帰国す るので、その方に持参してもらい、 新潟空港から宅急便で勤務校に配達する段取りをつけ てもらう。 (ロシアの郵便事情を考慮。)
海洋大学からのクリスマスカードが勤務校に届く。
12月20日
最終集約。
12月26日
1月3日
1月12日
Eメールで海洋大学から受取確認あり。
1月14日
3.5 分析方法
4. 結果と考察
当日発表
年賀状を一時帰国していた新潟市役所国際課派遣者に渡し、ロシアに持って行ってもら う。
ロシアからのクリスマスカードを生徒達に配布。 カード配布時にアンケートを実施。 自分が受け取ったカード以外にも、他のカード、 年賀状が閲覧できるように、 スキャナー で読み込んで、 カラー印刷し、 ファイルに綴じたものを教務室入り口に展示。
分散分析
*1: 海外で高まりつつある中等教育レベルの日本語教育への協力要請に応えて、姉妹都市提携等による交流 (地 域間交流 Regional Exchange) を行っている自治体と協力して中・高等学校教員を派遣し、日本語教育等に 従事することにより教育交流 (Educational Exchange)を進め、 相互理解 (Mutual Understanding) の増進 を図るという本事業の主旨を生かし、 上記の英文名称となっている。
44
*2: 海洋国立大学、 ウラジオストク人文商業カレッジの学生は副専攻として日本語を履修している。
*3 新潟市ではウラジオストク市との姉妹関係により、 1991年より1.0ヶ月任期でウラジオストク市第51番学校 へ日本語教師を派遣している。
4:Oral Communication Bの
14:30-15:00
「Education in Saudi Arabia」
Nabeel Samarkandi
Joetsu University of Education, Graduate Course
The Kingdom of Saudi Arabia was founded in 1932, Saudi Arabia is an Islamic state, in which the Shari'ah (Islamic holy law) serves as both constitution and legal framework. Education in Saudi Arabia is separated by sex and divided into three separately administered systems: general education for boys, education for girls and traditional Islamic education (for boys). To gain a full picture of educatior in Saudi Arabia I have to appreciate that until 1949/50 education system did not exit. That system was later established through the active support and encouragement of Prince, which is now King, Fahd Ibn Abdel Aziz, who later took over the ministry of education and Higher Council for Education as the supreme educational body in the kingdom. The Ministry of Education, established in 1952, leads over general education for boys and education for girls comes under the authority of the General Presidency for Girls' Education. Both sexes follow the same curriculum and take the same annual examinations.
PRIMARY EDUCATION
I.
II.
Primary School: Six years (ages 6 to 12)
Intermediate School: Three years (ages 12 to 15)
SECONDARY EDUCATION
エ.
II.
General Secondary School: Three years (ages 15 to 18)
Compulsory Subjects: Scoring 60% in all first-year subjects may choose between the scientific or literary streams. Scoring under 60% must go for the literary stream.
Religious Secondary School: Three years (ages 15 to 18 )
III. Technical Secondary School: vocational/technical, commercial and agricultural schools.
HIGHER EDUCATION
Higher education is provided by eight universities, several colleges for women, an institute of public administration and 18 teacher-training colleges.
UNIVERSITY HIGHER EDUCATION
Programs and Degrees: The bachelor degree, the master's degree and the doctorate degree Women's Colleges: The 12 women's colleges offer four-year bachelor degrees. Some of these schools offer master's degrees in education, science, humanities and social work, and a doctorate in all majors.
NON-UNIVERSITY HIGHER EDUCATION
Postsecondary technical and vocational education is available at technical colleges, higher technical institutes and higher institutions for financial and commercial sciences..
TEACHER TRAINING
Primary & Intermediate school teachers are trained at one of the 17 teacher colleges. Secondary-school teachers are trained in the education faculties. These programs offer a Bachelor of Arts degree in education.
Higher-education teachers are trained at King Abdul Aziz University's Center for Teacher Training and Learning Development.
The school day usually starts at (6:45am summer, 7:15am winter). Each period takes 45 minutes. They usually have seven periods with two brakes, School finishes (at 1:30pm summer, 2:00pm winter).
Teaching English in Saudi Arabia starts all together with the general education. At early times, the student may choose between English and French. At first, Ministry of Education brought foreign teacher from different countries which were not enough. Recently English is the only foreign language to be taught in general education. The ministry recent and future plan is to change all the foreign teachers and replace them with Saudi teachers. It i good to have such a well trained teacher from the same country who knows the culture and the custom very well to teach our students. To walk side by side with the fast environment and technology around the world, the government realizes that teaching English in earlier ages is more convenient to the understanding of the language. In this case the ministry of education will start teaching English for students aged 10 and over.
15:00-15:15 <<休憩>>
15:15-15:45
'A Pragmatic Study of English Future Expressions in Discourse : 談話における英語未来表現の語用論的研究」
4結果:
・英語母語話者は場面に応じて未来表現を使い分けている。
・出来事・事態への関わり方に応じて未来表現を使い分けている。
5考察: 結果から、 英語母語話者は出来事事態に直接的に関与しているか間接的に関与して いるかによって未来表現を使い分けているという仮説が立てられた。 さらに、 これを発展させ て、「未来表現の選択には発話者のコミットメントが関与している」 という仮説に集約するこ とができる。
(2) 調査2
1対象者: 学士以上の号を持つ英語母語話者47名
(国籍: Australia, Canada, England, Scotland, UK, USA)
2材料: 調査1の結果を基に筆者が作成した。
3手続き 2002年9月にe-mailやインタビューを通じて実施した。
4結果 :
・英語母語話者は人称の違いに応じて未来表現を使い分けている。
・出来事・種類に関しては、ほとんどの英語母語話者が現在進行形を選んでいた。
5 考察 以上の結果から、 英語母語話者は場面や人称の違いによって未来表現を適切に使い分 けており、 未来表現の選択には、 出来事 事態に対する発話者のコミットメントが開与してい ると結論することができる。
3 考察と今後の課題
二度の調査から、英語母語話者は場面に応じて未来表現を使い分けていることや、その選択の 際には出来事・事態に対する発話者のコミットメントという概念が関与しているのではないかと いう仮説が立てられた。 本研究では調査項目を作成する際、いくつか改良すべき点があったが、 それらを改善し、今回立てた仮説をより深く研究することが今後の課題である。
15:45-16:15
田地野直子
「カフカの短編小説について」
新潟県立五泉高等学校
平野七 上越教育大学教官
1 はじめに
私はmust have to can be able toのように、 同じ意味を持つといわれる表現に興味がある。 こ れらの表現は、形が違うわけだから本来それぞれ独自の意味を持っている。 しかし、学校現場で は同じ意味だとして違いを説明されないのが現状である。
本研究で取り上げた未来表現 (will be going to、 現在進行形、 単純現在形) は、 未来という不 確実であいまいな事柄を述べる表現であり、それゆえにどういう場面でどの表現を選択すべきか とても難しい領域である。 したがって4つの未来表現の特性をそれぞれ調べ、それをもとに英語 母語話者を対象として未来表現をどのように選択しているのかを調査した。
2 調査
(1)調査1
1対象者: 学士以上の号を持つ英語母語話者 33名
国籍: Australia, Canada, England, New Zealand, Scotland, UK, USA)
2材料: このアンケートは未来表現の選択に関して以下の2点を基に筆者が作成した。
・ある発話(文)に対する話し手 (書き手)の責任の度合い
・先行文脈とのつながり
3手続き : 2002年9月にe-mailやインタビューを通じて実施した。
上越英語教育学会第6回大会
上越英語教育学会第6回大会
とき : 2002年7月27日 (土)
会場: 上越教育大学 (人文棟LL教室)
実践報告 (13:20-14:45)
堀田誠 上越教育大学大学院1年生、 竜王町立竜王南小学校
「音楽科と組み合わせた小学校英語活動の記録」
濱中直宏 上越教育大学大学院1年生、 鳳至郡柳田村立柳田中学校
「積極的にコミュニケーションを取ろうとする生徒の育成を目指した授業実践 感情を込めた表現活動の工夫を通して
新井謙司・上越教育大学大学院1年生、 小坂町立小坂中学校
「カナダ研修を題材とした国際理解教育
地域のALTとの International Day 活動を通して・・」
古閑晶子 上越市立大町小学校
「コミュニケーションをつくる姿から英会話を再考する
・一上越教育大学附属小学校での実践から...」
JTE 日本人 EFL 高校生の外国語学習についての信念と不安に関する比較研究
A Comparative Study of Beliefs and Anxiety about Foreign Language Learning between JTES and Japanese EFL Senior High School Students 三嶋 達也 (Mishima Tatsuya)
石川県立咋高等学校
研究発表 (15:00-16:30)
Competition in Syntax: Marked and Unmarked Word Orders
Wakayama Masayuki Joetsu University of Education
Languages vary in the degree of permissible word order. Spanish and Italian enjoy more freedom in word order than more rigidly structured languages like English. Moreover, logically 6 word orders are found in Russian and Polish.
Chomskyan linguists assume that the above-mentioned phenomenon is connected with "free" inversion, out of range of pure syntax, On the contrary, typologists and linguists of pragmatics have made another approach to this matter: The unmarked order is the one that is preferred when no discourse context is provided; The marked order or "free" inversion is not literally "free", but it reflects certain discourse contexts.
I will claim, based on the latter approach, that the flexibility of word order (e.g. the presentational focus construction) depends upon the degree of satisfying relevant constraints on syntax, semantics, and pragmatics. If a certain syntactic constraint is preferred over its rival constraints, then the word order tends to be rigid like English, while a pragmatic constraint is ranked higher than syntactic and semantic constraints in languages like Russian and Polish. It will be shown further that the difference between Spanish/Italian and Russian/Polish can be reduced to the interaction semantic and pragmatic constraints.
1 研究の背景
言語学習に関する信念研究は、Horwitz (1988)、 Wenden(1986)が、この分野における草分け 的存在であり (Kalaja, 1995)、 以後この種の研究は増加している。 さらに、 近年、一般的な言語 学習に関する信念研究だけでなく、より具体的なEFL学習活動の有益性に対する信念研究な ど、言語学習信念研究の分野が細分化されつつある。 一般的な言語学習に関する信念研究分野 で、 Horwitz (1988)、 Kern (1995)、 Mantle-Bromley (1995)、 Peacock (1999) などが共通して指摘して いることは、学生の信念は、教師が考えている認識とは異なる場合があるということである。 さらに、Nunan (1988)、 Green (1993)、 MaCargar (1993)、 Peacock (1998) などの、言語学習活動 の有益性に関する信念研究では、学生は伝統的な学習活動を支持し、 教師はコミュニカティブ な活動を支持しているという結果が報告されている。
一方、Horwitz, Howitz, and Cope (1986) は、学習者の誤った言語学習信念が言語学習不安を引 き起こす場合があると述べ、その関係の重要性を指摘している。 また、 多くの先行研究では、 言語学習不安と学習成果の間には負の相関があると報告されている(e.g. Young. 1986 : Macintyre and Gardner, 1989; Phillips, 1992: Aida, 1994; Saito and Samimy, 1996).
日本においては、日本人大学生を対象にしてSakui and Gaies (1999)が言語学習信念研究を行っ ているが、日本人EFL高校生を対象にした研究はあまり見当たらないのが現状である。 また欧 米においては、 学生と言語教師の信念や不安を直接比較したものは少なく (Kern, 1995 Peacock, 1998)、 日本では同種の研究はほとんど見当たらない。 そこで、両者の外国語学習に ついての信念と不安について比較研究する余地があるのではないかと思われる。
2 研究の目的
本研究の目的は、 (1)高校生、JTE JTEの推測する高校生の言語学習信念の特徴の違いを明ら かにすること、(2)高校生、 JTE、JTEの推測する高校生の言語学習活動の有益性に関する信念の 特徴の違いを明らかにすること、 (3) 高校生とJTEの推測する高校生の言語学習不安の違いを明 らかにすることである
研究の方法
3.1 対象者: 石川県内の公立高等学校2年生194名、 石川県の公立高等学校 JTE 112名 3.2 測定具: 高校生に対する言語学習信念に関しては、予備調査の結果と、 Horwitz (1988)、 Sakui and Gaies (1999) などの先行研究を参考にした、 最終的に24項目から成る 5段階尺度形式のアンケートを使用した。 また、 言語学習活動の有益性に関 する信念については、予備調査の結果と、 Peacock (1998)、 Sasaki (1993)などの 教室活動を参考にした、最終的に44項目から成る5段階尺度形式のアンケート を使用した。 最後に、 言語学習不安に関しては、予備調査の結果とHowitz, Horwitz, and Cope (1986) などの先行研究を参考にし、 最終的に26項目から成る 5段階尺度形式のアンケートを使用した。 またJTEに対しては高校生版を一部 修正し、 さらに、 各項目に対する高校生の回答を推測して記入する欄を設け
た。
3.3 実施時期 高校生は2001年6月下旬。 JTEについては7月上旬。
3.4 手続き 高校生には回答時間30分でLH時に学年一斉に集団実施した。 JTEについては 各高校に郵送して英語科主任を通じて記入依頼した。
3.5 データ分析 因子分析、分散分析。
本発表では、 研究の結果と考察を詳細に報告した。
言語理論と第二言語習得 日本人英語学習者のwh移動の習得
Linguistic Theory and Second Language Acquisition: The Acquisition of Wh- movement by Native Speakers of Japanese
大場浩正(Ohba Hiromasa)
上越教育大学
Within the Minimalist Program (Chomsky, 1995, 1998), overt movement is only allowed when it is motivated by the presence of a formal feature. In wh- question formation
and relativisation, it is assumed that English and Japanese vary in the feature specification of functional category C determining how their properties are realised. In English, wh-questions have the features [+wh, +Q] and relative clauses the feature [+R] in C. In Japanese, there is no feature-driven movement due to the lack of such features (Takeda, 1999).
Given these differences, a question in (adult) second language acquisition (SLA) research is whether or not Japanese speakers can acquire different feature specifications of functional category C in English on the basis of the evidence they receive from the input. Previous studies have suggested that speakers of Japanese or Chinese may acquire them because some are sensitive to subjacency violations on wh-movement, but the results are mixed.
This study examines the extent to which Japanese speakers are sensitive to subjacency violations to see if they can acquire feature-driven movement, considering the nature of the operator (wh-Q or relative) and the island from which it has been extracted (complex NP, adjunct etc). Participants, as well as native English controls, performed a grammaticality judgement task. To test the potential effect of the experimental subjects' L1, another grammaticality judgement task with equivalent sentences in Japanese was given to a different group of native speakers of Japanese.
The results showed that advanced Japanese learners acquired wh- movement in English because they could correctly interpret the morphological properties of questions and relative clauses and were sensitive to local violations on wh-movement in the same way as native English speakers.
上越英語教育学会第5回大会
上越英語教育学会第5回大会
日時: 2001年7月28日 (土) 午後13時00分より
会場: 上越教育大学 人文棟3階LL教室
総会 (13:00-13:20)
実践報告 (13:20-14:20)
1. 松村敏以 上越教育大学大学院、 調布市立第四中学校)
「JTE二人によるTeam Teachingの進め方 その可能性と課題 一調布市立第四中学校での実践を通して!」
2. 佐藤彰子 (上越教育大学大学院、 上越市立城北中学校)
「ALTとTTをどう促進していくか一頸北教育研究会英語部の試み―」
3. Caloryn Kaltenbach (上越教育大学教官 )
"Developing Elementary English Curriculum: Bridging the Gap between
Community and the Ivory Tower"
研究発表 (14:30-16:00)
1. 渡邉由紀子、 北條礼子、 熊井信弘
「小学校への英語導入に関する調査研究」
2. 酒井英樹 (上越教育大学教官)
「誤りの種類と気づき
~フィードバックの役割と第2言語学習者の発話修正~」
3. 齋藤九一 (上越教育大学教官)
「ディケンズとトロロプ」
講話 (16:10-16:50)
植木哲夫 (上越教育大学教務部学生課 就職相談室)
「まだ地についていない国際理解教育
~小学校への英語教育導入に際して」
上越英語教育学会第5回大会閉会の言葉
実践報告
「JTE二人によるTeamTeachingの進め方:その可能性と課題
一調布市立第四中学校での実践を通してー」
松村 敏以(上越教育大学大学院、 東京都調布市立第四中学校)
1. はじめに
平成5年度から6か年の計画で、当時の文部省は 「第6次公立義務教育諸学校教職員配 改善計画」 を実施して、 学級編成及び教職員定数の標準を定め、小・中学校における 指導方法等の質的改善を図ろうとした。 本計画は、 現行の指導要領の趣旨に沿って、教 育の個性化を推進しようとするものであり、これを受けて各校は、 日本人教員2人による テイームティーチング (以下TT)等を策定した。
本校では、平成7年度より2名の教員が加配されて、 英語科と数学科の2教科で日本人 教師2人によるTTが導入された。 英語科では、 全学年、 すべてのクラスで週1単位時間を TTに充て、 通年で実施することにした。 一斉授業を基本的な授業形態として、 他の3単 位時間の授業と併行して、 教科書の指導を中心に進めた。 勿論、2人の教師が存在するこ とを最大限に活用しようとしたことは言うまでもない。 基本的には、1人がメイン・テ イーチャーとなり全体指導を進め、 別の1人はサブ・ティーチャーとなって支援の必要な 生徒に個別に対応する形をとった。 本稿は、 英語科の授業実践とその評価、及び今後の 課題等を報告するものである.
2. 授業実践の概要
本校では、JETプログラムの導入以来、 外国語指導助手(以下ALT)とのTTは複数年来 の実績があり、 日本人英語教師 (以下JTE)2人によるTTの導人を考える際には、その扱用 をまず考えることにした。 つまり、2人の教師がいるという利点を活用して、 (1) 音声 視の授業、 (2) 一人一人との対話、 (3) 苦手意識が先行する生徒への個別の対応、 といっ た3項目をTTでの基本方針として設定した。 勿論、 ALTとのTTやJTE 1人で行う授業と の連携を図りながら、 授業を展開しようとしたことは言うまでもない。
新出文型の導入に際しては、JTE2人でスキットを演じて、ことばの使用される場面や 機能を配慮に入れた指導を心がけた。 また対話練習の場面では、2人の教師でクラスを2 分して、一人一人の生徒と一対一の対応を心がけ、生徒に発話の機会を与えることにし た。 さらに、 英語学習に苦手意識が先行する生徒には、個別に対応して、生徒とのラ ポートに配慮しながら、 受容的な態度で接するように心がけた。
3.評価と今後の課題
JTE2人によるTTは、 生徒、 保護者、 英語教師の3者の目から総合的に評価してみる と きめ細かな指導」 という観点に収束して考察してみても、いずれからも好評で、 今後も可能な限り継続していきたい指導形態と言える。 今後は、一斉授業のTTに加え さて、習熟度や興味・関心別に分けられたグループ学習への対応や、 異なる教科とのTTも 考えていければと期待している。
「ALTとTTをどう促進していくか一頸北教育研究会英語部の試み」
1. はじめに
佐藤彰子 (上越教育大学大学院、 上越市立城北中学校)
最近はほぼすべての中学校でALTとのTTが実施され、 ALTは英語の授業のみならず、 授業時間外での生徒との交流や小学校訪問、あるいは地域での英会話教室など、幅広く 活動している。 しかしながら、経験が十分ではないALTの指導は、かなりの部分が各学 校の個々の英語担当教員にゆだねられているのが現状である。 新潟県中頸城郡の柿崎町・ 大潟町 吉川町の三町では、JETプログラムによって各町に名ずつALTが配属されてい る。 三町とも中学校が一枚しかないので、 ALTは中学校を活動の拠点としている。 頸北 教育研究会 (三町の小中学校で構成) 英語部では、各中学校単独ではなく、 三校が協力し ながら、ALTの資質向上と英語担当教員の研修に努め、 最終的には生徒にその成果が するよう努めている。 平成 10-12年度の3年間、 従来の方針を踏襲しつつ活動内容を改善 して実践に努めてきた。以下はその実践の概要である。
2. 実践の概要 (詳細は当日配布の資料に掲載)
(1) 平成10年度までの活動
○11月中旬に、 三校のALTが1日他校を訪問して3時間ほど授業を行った。
3. 成果と課題
(1) 成果
1ALTやITEは、他校のTEやALTと授業をすることで、 英語の授業における様々な方
法や技術を学ぶことができた。 ALTは公開授業を参観することで、 授業中の指示や生徒. との接し方などについて具体的な研修をすることができた。
2生徒は、 他校のALTと授業をすることで、普段とは異なる形のTTで英語の活動がで き、また、そのALTとの交流を深めることができた。 また、 交換授業当日だけではな く、その後も授業を通して手紙の交換など、交流を続けることができた。 3平成10年度より年度末に研修記録を冊子として残すことで、 他校の活動内容やTTの 状況、課題などについて情報交換ができた。
(2) 今後の課題
OALT相互交換授業の内容を類型化させないためにはどうすればよいか。
OAL-丁相互交換授業を英科内の行事だけにとどめず、 他の職員との交流など学校と しての行事に発展させていくかどうか。
○相互交換授業半口だけではなく、その後の牛徒とALTの交流をどのように体系化して いくか。
○相互交換授業日や授業公開以外の、 ALT どうしやJTE どうしの日常的な交流や情報 交換をどのように図るか。
DEVELOPING ELEMENTARY ENGLISH CURRICULUM; BRIDGING THE GAP BETWEEN COMMUNITY AND THE IVORY TOWER
(ALT交歓会またはALT相互交換授業と呼ばれる)
(2) 平成11年度の活動
OALT相互交換授業を2回 (7月、 11月) 実施した。.
→生徒は他の2校のALT両方と交流することができた。
→ALTが7月末に交代しても、 新しいALTが相互交換授業に参加できた。
(3) 平成12年度の活動
7月にALT相互交換授業を実施した。
211月にTTの公開授業を実施し、 ALTとJTE全員による協議会を実施した。 →ALTは他のALTのTTを初めて参観した。
Synopsis
Carolyn Kaltenbach
Joetsu University of Education
With the implementation of a new program for teachers to teach English in elementary schools, there is a growing need for developing elementary English curriculum. After interviewing real teachers in the community, I discovered that many elementary school teachers feel intimidated by having to teach English and are at a loss as to how to approach this task. As a foreign teacher new to Joetsu University ofpractical and applicable for students so that they would feel prepared to teach English when they become teachers. I thought there was no better way to do this than to provide them with real tools that are currently being used. So I went to the Joetsu Board of Education and asked them how they approach elementary English education. What they presented me with was a handbook they had created full of activities that are currently being used in Joetsu schools. The handbook provides instructions in Japanese for Japanese teachers as well as in English for visiting ALT's. With permission from the Board of Education, I have been using this handbook as a text for my class, giving students a "real" guide. I also required my students to create their own teaching activities and share them with the class. In this way, we have been expanding the pool of practical activities available to them. Likewise, I would like to share these activities with the Board of Education and Joetsu teachers. Thus, I hope to compile a new English handbook for elementary school. teachers, which combines the creative ideas of my students with those that are already being used.
研究発表
「小学校への英語導入に関する調査研究」
「誤りの種類と気づき
渡邊由紀子、 北條礼子、 熊井信弘
~フィードバックの役割と第2言語学習者の発話修正~」
酒井英樹 (上越教育大学)
第2言語獲得において、目標言語を獲得するためには気づきが生じなければならない といわれている (Long, 1996; Schmidt, 1990, 1995)。 気づきには、 (a) インプットの中 で言語形式に気づくこと (noticing a form in the input), (b) 学習者の能力では 「言え ないこと」に気づくこと (noticing a hole)、 そして、 (c) 目標言語との違いに気づくこ と (noticing the gap) に分けられる (Doughty & Williams, 1998; Swain, 1998)。 本研 究は、これらの気づきを促進すると考えられているアウトプットとフィードバックの役.
"
究は、これらの気づきを促進すると考えられているアウトプットとフィードバックの役 割を明らかにしようとするものである。 特に、 誤りの種類 (語彙、文法形態素、 統語) と、学習者の気づき方 (noticing a hole と noticing the gap)、 そして、 その後の学習効 果 (発話修正、 repalr と needs-repair) の関係について調べた結果を発表する。
大学1年生16名が個別に実験に参加した。課題は絵描写タスク (Task 1) であった。 また、タスクの後で、気づきについて言語報告した (retrospective interview)。 Recast Group (n8) には、 Task 1 の時にフィードバックとして言い直し (recast) が与えられ た。 Model Group (n=8) に対しては、 Task1の時にフィードバックが与えられなかっ た。 その後で実施された絵特定タスクの中でフィードバックとしてモデルが与えられ た。 両グループともに、 言語報告の前に、 Task2として Task1 で描写した絵について もう一度英語で説明するように求められた。 Task 1 と Task 2 の発話データと、 retrospective interview における言語報告が分析された。
主な結果は、次の5点であった。
(a) 文法形態素の誤りが最も多く、学習者はそのほとんどに気づかなかった。
(b) 「言えないこと」に気づいた場合、 直後にインプットを与えられた方
(Recast Group) が、 しばらくしてからインプットを与えられた場合 (Model
Group) よりも、 特に文法形態素の誤りについて学習効果が高かった。(c) フィードバックによって「目標言語との違い」に気づいた場合、 発話してから すぐフィードバックが与えられた時 (Recast Group) と、 発話後しばらくしてか
らフィードバックが与えられた場合 (Model Group) では、学習効果に差がみら れなかった。 ただし、 気づきの頻度は言い直し (recast) によるものの方が多 かった。
(d) 「言えないこと」に気づいた場合とフィードバックによって 「目標言語との 違い」に気づいた場合、 誤りの種類の分布には差が見られなかった。 (e) 「言え ないこと」に気づいた場合とフィードバックによって「目標言語との違い」に 気づいた場合の学習効果について、 後者の方が文法形態素の誤りに関する学習 効果が高かった。
これらの結果から、
(a)語の誤りに比べて文法形態素の誤りは気づかれにくいこと、
(b) アウトプットとフィードバックは気づきを促進していること、
(c)しかし、 学習効果の点からはフィードバックの方が効果的であること、
(d) 特に、文法形態素の誤りにおいては言い直し (recast) が効果的であることな どが示唆された。
「ディケンズとトロロプ」
1874 Phineas Redux
齋藤九一(上越教育大学)
1) ディケンズとトロロブ, 2) 二人の関係、3) 『リトル・ドリット』 とトロロプ:
Circumlocution Office (繁文礼局) 4) 『リトル・ドリット』 と 『我々の現在の生 き方』:
Mr.Merdle and Mr.Melmotte
<主要作品年 (トロロプは一部のみ) >
1875 The Way We Live Now
1876 The Prime Minister
1879 John Caldigate
1880 The Duke's Children
1883 An Autobiography
Dickens (1812-1870)
1836 Pickwick Papers
1837 Oliver Twist
Trollope (1815-1882)
1838 Nicholas Nickleby
1840 The Old Curiosity Shop
1841 Barnaby Rudge
1843 Martin Chuzzlewit; A Christmas Carol
1846 Dombey and Son
1849 David Copperfield
1847 The Macdermots of Ballycloran
1848 The Kellys and the O'Kellys
1850 La Vendee
1852 Bleak House
1854 Hard Times
1855 Little Dorrit
1859 A Tale of Two Cities 1860 Great Expectations
1864 Our Mutual Friend
1870 The Mystery of Edwin Drood
1855 The Warden
1857 Barchester Towers
1858 The Three Clerks; Doctor Thorne
1861 Framley Parsonage 1864 The Small House at Allington
1864 Can You Forgive Her? 1867 The Last Chronicle of Barset 1869 Phineas Finn
1873 The Eustace Diamonds
上越英語教育学会第4回大会
上越英語教育学会第4回大会
日時: 2000年7月22日 (土) 午後13時00分より
会場: 上越教育大学 講義棟202教室
総会(13:00-13:20)
1. 学会長挨拶
2. 平成11年度会計報告および平成12年度予算案
3. 学会名称及び学会誌について
4. 第5回大会の日程について
実践報告 (13:20-14:20)
1. 田村一郎 (上越教育大学大学院、 玉村町立玉村中学校 )
「音声表現の改善につながる、 良質な音声モデル提示の工夫」
2. 藤森千尋(上越教育大学大学院 東京都立小平南高等学校) 「動機づけを重視した”. 話し合い” の指導
-ディベート的ディスカッションの段階的試みー」
3. 熊井信弘(上越教育大学教官)
(東京都立小平南高等学校)
「総合的学習を視野に入れたマルチメディア・プロジェクトの
実践-Multimedia Cultural Exchange Project-」
研究発表 (14:30-16:00)
1. 島田真紀(上越教育大学大学院)
「日本人EFL高校生のListening Comprehension Anxiety に関す る研究」
2. 矢吹洋子 (上越教育大学大学院修了生)
「日本人高校生の英語語彙学習方略に関する研究(2)」
3.野美幸 (上越教育大学教官)
「日英語の主格照合について」
講話(16:10-17:10)
アレン玉井光江 (文京女子大学人間学部)
「日本における児童英語教育の現状とこれから」
上越教育大学英語教育学会第4回大会閉会の言葉
懇親会 (18:00-20:00)
上越教育大学英語教育学会第4回大会資料
実践報告・研究発表要旨
実践報告(13:20-14:20)
1. 「音声表現の改善につながる、良質な音声モデル提示の工夫」
田村一郎(上越教育大学大学院、玉村町立玉村中学校)
1. はじめに
中学生は、様々な表現を学び、それを使って外国の人たちとコミュニケーションを図り
たいという願いを持ち、英語学習に取り組む。しかし実際の授業では、文法事項
のドリル練習や暗記・・暗唱が多く行われ、時間をかけて学習する割には、後で学
習したことを使う時に、多くの障害に遮られるという実態が存在する。その原因
の第一は、学習活動の進め方や学習課題の提示方法が教師中心であり、指導の重
点事項を中心に、画一的なモデルを示して、練習・定着を図ろうとしていたから
である。同じ題材を学習する場合でも生徒個々の学習の要求(願い) は異なると
いう視点に立ち、できる限り一人一人の学習の願いに応えるように学習を支援し
ていく必要がある。また生徒は実際のコミュニケーション 場面で一番伝えたいメッセージ
を、適切な音声表現で伝える練習機会をなかなか持てない。情報を受け手に効果
的に伝えるためには、日頃から多様な表現モデルに接する必要があるし、送り手
の意図が十分に反映された音声表現となるためには、同じ内容の英語を用いる場
合でも、異なった言い回しを用意しておかなければならない。さらにこれまでの
授業では、唯一のモデルを万能なものとして与え、メッセージの伝え方よりも、
内容をいかに伝えるかということに重点を置いた学習指導を進めてきた。この状
況を転換し、生徒が用いる表現を活きたものにするために、指導者はもっと音声
指導に気を遣っていく必要があると考え、本実践を進めることにした。
2. 実践の概要
1) 生徒たちの自主的な活動を促すために
学習前に、積極的に学びたい事項や表現活動についてアンケートを実施し、グ
ループ活動を行った。また学習し・利用する表現を予めデータベース化
して用意し、提示した。
2) 英語で表現する時に何を言ったらよいのかわからないという生徒のために
① ALTとの協同授業の活用
対話によるスキットを行い、本時の目標文として新出の表現を扱い、ペ
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アー練習やQ&Aなどを行って、利用できる表現を増やせるように工夫し
た。
② コンピュータ (ワープロソフト)の活用
モデル表現を予め用意しておき、フロッピーディスクの中に蓄積しておいて、
生徒がこれらの表現の中から自由に取捨選択し、自分自身のメッセージ
を創れるようにした。
③ LLの活用
モデル表現をテープで聞かせ、同じ内容をちがった言い回しで表現した
ものも聴く練習を行った。また録音する人を換え、様々な特徴を持つ音声
に触れさせた。
3) 音声表現が下手だと考えている生徒のために
① 音読指導の工夫
教科書音読の際感情移入して読ませたり、強調する語を変えて読む工夫
をさせた。
② 歌の活用
レーザーディスクカラオケを利用し、各授業時間に積極的に歌唱を取り
上げるようにした。
③ ビデオ映像の活用
可能な限り多数のスピーチモデルを用意し、映像と音声で理解させ模倣させ
た。
3. 成果と課題
上記のような手立てを用いて、1年生1学期の後半に「自分の一番伝えたい内
容が聞き手に十分伝わるということに注意して、自己紹介をしてみよう」という
課題で表現活動を行った。生徒は意欲的かつ活発に活動して、音声表現に気を
遣った自己紹介を行えた。しかし一方で、ALTが交代すると、同じ表現で話さ
れるのにもかかわらず、初期の授業では、メッセージの内容がよく伝わらないと
いう現象も見られた。この状態を解消する為、一層多様なモデルに触れさせ、自
信を深めさせたい。またこの支援を積み上
げていくために、活動の評価についても研鑽を積み、指導の改善を図りたい。
2. 「動機づけを重視した”話し合い”の指導
--ディベート的ディスカッションの段階的試み・・・」
藤森千尋(上越教育大学大学院、東京都立小平南高等学校)
1. はじめに
学校の英語授業でのコミュニケーションは、 pseudo communication(疑似コ ミュニケーション) の場であるといわれる。 確かに、 実社会で英語を使う場面に 備えての練習の場、という側面はある。 しかし、 授業そのものが、練習ではな い、 本物のコミュニケーションの場になる必要があるのではないだろうか。 で は、そもそも学校における自然なコミュニケーションとはどういうものか。 教師 と生徒がいて、 参加したいしたくないにかかわらず生徒は、教師の課したタスク に取り組むという枠組みから離れては考えがたい。 その枠組みの中で、 生徒が意 欲的に自然な形での 「コミュニケーション」に取り組める活動とは何かと考えた とき、ディベートは、疑似コミュニケーションから本物のコミュニケーションへ の橋渡しとして、今後、大いに開発利用される余地があるだろう。
ディベートには、次のような利点があると判断した。
(1)
(2)
(3)
(4)
話の目的 方向性がある程度決まっているため、 内容がつかみや すい。
一種のロールプレイなので、 自分の言葉に対し自意識過剰な生徒 にとっては、精神的負担を軽くできる。
グループ活動で協力し合えるため、 英語力の不足を補い合える。 論理的・多角的に物事を考える訓練になり、 知的満足感を得られ る。
実際に行うにあたっては様々な不安材料があり、必ずしも思い通りに実践でき たわけではないが、 今回、その試みの一部について報告したい。
*対象となったのは、 東京都立高校2年生~3年生。
*1998年7月から1999年11月にかけて、大きく分けて3つのタ イプを実施。
2. 実践報告 (詳細は当日配付資料に掲載)
2.1
日本語でのディベート的ディスカッション
2.2
英語でのディベート
2.3
簡易英語ディベート的ディスカッション
3. 今回、 特に取り上げたいこと
英語が得意な生徒も得意ではない生徒もいて、 動機も様々な必修の英語の授業 において、40人の生徒すべてを活動させるのは難しいことである。 高校生とも なると、 何のためにやるのか、それによってどういう成果が自分の中に得られる のかが、イメージできないと行動に移らない。 そこで今回は特に、”話し合い”
82
の動機づけになるようにと取り上げた題材に焦点を当てて報告する。
3.
「総合的学習を視野に入れたマルチメディアプロジェクトの 実践-Multimedia Cultural Exchange Project-」
熊井信弘 (上越教育大学教官)
本実践研究ではコンピュータを用いて、 英語を実際に使いながら他国の人たち と積極的にコミュニケーションを行い、 世界や我が国の生活や文化についての理 解を深めるとともに、 言語や文化に対する関心を高めこれらを尊重する態度を育 成するため、 「マルチメディアを用いたプロジェクト学習」 を行う。 そしてそれ が英語の技能の伸長度、異文化理解やコミュニケーションに対する態度の変容お よび情意的な側面に与える効果について調査・研究を行うことを目的とする。 「マルチメディアを用いたプロジェクト学習」 では、まずグループ毎に自らの 興味・関心に基づいてテーマを決定し、 それについてテレビ、ビデオ、 事典、イ ンターネットなどの様々なメディアを活用して調べ学習を行い、 グループ内で議 論しながら最終的に完結したマルチメディア作品 (本研究の場合クイックタイ ムムービー)を作成する。 そして、 それをクラスの前でプレゼンテーションし 適切なフィードバックを得たのち、 海外の交流校にインターネットを通して送る という活動を行う。 また海外の相手校でもこれと同様の学習活動を行い、お互い にクイックタイム・ムービーを交換し文化交流を行う。 ムービーの交換後、 e- mailによりそれぞれのテーマについて討論を行う。この一連の学習過程におい て、 マルチメディア機能を持つコンピュータを道具として活用しながら、 英語で 「聞く、話す、読む、書く」 という英語の4技能を統合的に伸ばすとともに、 異 文化を体験し理解する態度を涵養する。
実際には自己紹介、 学校紹介、 上越という雪国の地域紹介、 年中行事紹介、 日 本文化紹介、あるいは現在興味をもっていることなどについて、 グループで協同 作業をしながら動画のクイックタイム・ムービーを作成し、 海外の相手校と交換 することになる。
なお、ここで述べた学習方法はすでにアメリカで 「マルチメディアを用いたプ ロジェクト学習法 (Project Based Learning with Multimedia)」 として、 実際に行 われている学習活動であるが、 本研究の場合、プロジェクト学習を行う過程で英 語の4技能を統合的に用いて英語による自己表現能力を高めることもあわせて目 標にしているため、 「マルチメディアを用いたプロジェクト言語学習 (Project Based Language Learning with Multimedia)」 となる。 数年後に学校現場に導入される「総合的な学習の時間」においても、この学習方法が何らかの形で行われ
ることが期待される。
研究発表 (14:30-16:00)
日本人EFL高校生の Listening Comprehension Anxiety に関す
る研究
島田真紀 (上越教育大学大学院)
1. 研究の背景
近年日本の英語教育において、学習者のコミュニケーション能力を養うことに
注目が寄せられ始めた。とりわけ、言語学習にかかわる4技能のうち、音を介する
聞くこと話すことの力を伸ばすことがその中核をなしているといえる。外国語学
習は不安を掻き立てる学習科目という指摘があるように (Horwitz, Horwitz, and
Cope, 1986)、これまでに、外国語学習における不安の研究は数多く実施されて
いるが、その多くはスピーキングとのかかわりで検討されているものが多い。英
語の運用能力を伸ばすため小学校への英語教育の導入も検討されている現在の英
語教育を取り巻く状況を考えると、比較的資料が少ないといえるリスニング時の
不安について調査を実施することは、今後の日本の英語教育へ何らかの示唆を提
供する一助となると考える。
2. 研究の目的
本研究の第一の目的は、タスクを伴う英語の聴解時に学習者が感じる不安 (LC
anxiety) にはどのようなものがあるかを明らかにすることである。第二の目的
は、リスニングテストでの成績の上位者、中位者、下位者の抱くリスニング不安
はどのように異なっているかを明らかにすることである。第三の目的は、第一、
第二の目的より明らかになったリスニング不安のタイプと、学習者が使用したリ
スニング方略との間にはどのような関連が存在するのかを明らかにすることであ
る。
3. 研究の方法
3. 1 実験実施時期:1999年9月上旬
3.2 被験者: 新潟県内の公立高校2年生96名
3.3 手続き: 財団法人日本英語検定協会により実施されている実用英語技能検
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定試験(英検)の三級、準二級の面接試験用の試験問題を参考に作
成したリスニングタスクを行ない、その直後に、そのリスニング
タスクに取り組んでいた時に感じた不安、使用したリスニング方
略について5段階で回答するアンケートを実施。最後に、リスニ
ングの力を測る目的で、英検準2級で使用されたリスニングテス
トを実施した。
3.4 データ分析:分散分析、因子分析、回帰分析。
4. 結果
因子分析の結果、リスニングの際に感じられた不安について4因子が抽出された
(因子1-事前情報不足不安、因子2-授業場面リスニング不安、因子3-記憶力
理解度関連不安、因子4-対人関連不安)。リスニング中に使用した方略について
は3因子が抽出された(因子1-トップダウン型、因子2-セレクティヴ型、因子3
ーボトムアップ型)。分散分析の結果からは、因子2-授業場面リスニング不安と
因子4-対人関連不安において有意差がみられ、 LSD法を用いた多重比較の結
果、リスニングの成績上位群と中位群の間で、上位群の得点が有意に低かった。
しかしながら、他の成績群との間に有意差は認められなかった。回帰分析の結果
からは、因子3-記憶力理解度関連不安と3つの方略因子との間に負の相関が認め
られた。
5. 考察
成績上位者が中位者よりも学習環境や授業形態に起因する不安を感じないこと
から、リスニング力がつくことにより学習者にもたらされると思われる学習に対
する自信がそれらの不安を弱める働きをしているのではないかと推察される。し
たがって、英語教師は学習者が外国語学習に対する自信を喪失しないような学習
環境を提供する配慮をする必要があるだろう。また、リスニング方略の使用によ
り、不安が軽減できるのであれば、方略指導の重要性を認識し、適宜指導の中に
組み込む必要もあると思われる。
2. 日本人高校生の英語語彙学習方略に関する研究 (2)
品部洋子 (上越教育大学大学院修了生)
1. 研究の背景
近年、語彙に関する重要性はReadingの分野を中心に高まっているが、現場における語彙指導は Oxford & Scarcella (1994)によれば学習者任せであることが多い
ようである。また、毛利 (1992) では、学習者の英語のつまずきは単語学習にある
と示されている。しかしながら、日本人高校生の英語学習者に関して、体系的
に語彙学習方略を捉えようとした研究は少ない。このような現状をふまえ、学習
者を取り巻く要因が、方略の使用や学習到達度とどのように関連づけられている
かについて考えてみることは重要であろう。
本研究では、Ellis (1996) で示された学習方略に関するモデルから、特に学習者の
個人差と状況的社会的要因を取り上げ、語彙学習方略との関係と、語彙学習方略
と学習到達度との関係を検討する。
2. 研究の目的
第1の目的は、高校生の語彙学習方略と学習者の個人差[学習者の個人特性(動機
づけ、性格、学習スタイル)、学習経験(学年差)] 及び状況的社会的要因 (性差)と
の関係を明らかにすることである。第2の目的は、語彙学習方略と語彙レベルと
の関係を明らかにすることである。第3の目的は、語彙学習方略の使用が学年に
よって差があるのかを明らかにすることである。第4の目的は、語彙学習方略の
使用が性差の影響を受けているのかを明らかにすることである。
3. 研究の方法
1)
対象者: 公立高校1年生158名、3年生88名
2)
測定具: 語彙学習方略: Gu & Johnson (1996) を参考に一部修正
し予備調査を経た32項目から成るアンケート。内容は、メタ認知
の利用、推測方略、辞書方略、メモ方略、記憶方略[rehearsal、
encoding]、活動方略に関する項目。
学習者特性: 動機づけ、性格、学習スタイルに関する29項目から
成る北條 (1999)。
3)
語彙レベルテスト: Nation (1990)、山内 (1996) を参考にし、
West (1953), Thorndike & Lorge (1944) の語彙リストを基に修正を加
えて作成され、予備調査を経た計54項目から成るテスト。
4)
調査実施時期: 1999年7月
手続き: 語彙レベルテストの解答時間は10分、アンケートの回答時
間は約20分。語彙レベル
テストは各項目の正答を1点として、各レベルごと、及び各レベ
ルの合計得点で算出した。アンケートの回答は5段階尺度形式で
1~5点の得点化を行った。
86
5)
分析方法: 因子分析、回帰分析、分散分析
4. 結果
1)
語彙学習方略が6つ抽出された。
特に方略使用を促していると思われる因子が性格因子と動機づけ因子に
1つずつみられた。
2)
語調査に関する2つの語彙学習
方略が、語彙レベルテストと関連が強い事が示された。一方、いくつかの
語彙学習方略因子で、語彙テストに基づくレベルの違いにより、使用頻度
の違いが見られた。
3)
学年により方略使用に違いが見られたのは1方略であった。
4)
性差により方略使用に違いが見られたのは3方略であった。
結果の詳細及び考察については、発表で行う。
3. 「日英語の主格照合について」
野地美幸 (上越教育大学教官)
本発表では、主格名詞句の現れ方が日英語間で異なる現象を提示し、それはい
かなる理由によるものなのかを検討する。
日本語には「象が鼻が長い」のような多重主語構文が存在するが英語には存在
しないことから、単一の時制節内において日本語は英語とは異なり複数の主格照
合 (主格名詞句の認可) が可能であるとされる。本発表では、これが主格照合に
関して日英語間に見られる唯一の違いではなく、主格照合が英語では義務的であ
るのに対して日本語では随意的であるという違いもあることを主張する。これに
より、英語には見られない格の交替が日本語で可能となること、例えば「太郎は
花子の洋服がとても素敵だと思った」と並んで「太郎は花子の洋服をとても素敵
だと思った」が可能であることなど、が説明されることを見る。
・また、上記の日英語の違いから日本語を母語とする英語学習者に起こりうる問
題につ
いても触れたい。なお、こうした意図から、考察の対象とする日英語の現象はい
ずれも、日本人に英語を教える際に踏まえておきたい言語事実を中心に選択を
行っている。
上越英語教育学会第3回大会
上越英語教育学会第3回大会
上越教育大学英語教育学会第3回大会記録
日時: 1999年7月24日 (土) 午後12時40分より
会場: 上越教育大学 講義棟202教室
総会 (12:40-13:10)
1. 学会長挨拶
2. 平成10年度会計報告および平成11年度予算案
3. 学会誌について
4. 第4回大会の日程について
実践報告 (13:10-14:10)
1. Brian Goldsmith
(司会: 赤松信彦)
"Problems of Team Teaching and the Potential of the JET program"
2. 齋藤宣明(M1院生)
「小学校における英会話活動の可能性と課題
長岡市立大島小学校での研究・実践を通してー」
3. 重野準司 (上越市立城西中学校、 修了生)
「英語科としてTeam Teaching の授業をどう進めるか
一共通実践とALTの活用の視点から:上越市立城西中学校の試み--」
研究発表 (14:20-16:00)
1. 土田優子 (M2院生)
(司会: 熊井信弘)
「公立小学校英語クラブ活動に関する基礎的研究:
関心・意欲・態度の変容を目指して」
2. 若山真幸 (本学教官)
「動詞移動の消失における非人称動詞 心理動詞の特異性」
3. 平野七溝 (本学教官)
「ドイツ文学における" 聖なるもの”ーヘルダーリンの場合」
講話 (16:10-16:40)
(司会: 加藤雅啓)
高橋健男 (新潟大学人間科学部附属長岡中学校副校長) 「これからの英語教師」
閉会の言葉
懇親会 (17:20-19:20)
上越教育大学英語教育学会第3回大会資料 実践報告 研究発表要旨
実践報告 (13:10-14:10)
1. "Problems of Team Teaching and the Potential of the JET program"
Brian Goldsmith
I will discuss the problems that I and other ALTS have faced in Japan, such as culture shock, under-work, and racism. I will also examine the problems JTEs working with ALTs have, such as differing levels of ALT ability, a high turn-over, and apathy.
Finally I willexplain how I feel that JTES and ALTs can easily fix some of these
problems. By working together, ALTS and JTES can improve overall education and make the best JET program ever.
2.
「小学校における英会話活動の可能性と課題
長岡市立大島小学校での研究・実践を通して-」
上越教育大学大学院1年 齋藤宣明
1. はじめに
2002年の教育課程の改変に伴い、 小学校においても総合的学習の時間の中で国際理解教育の 一部として英語の学習をすることが可能になる。 その準備段階として、文部省は全国にいくつ かの研究開発校を指定し、 小学校英語学習の可能性と課題を提示することを求めてきた。 前任 校、 長岡市立大島小学校はそれらの学校の一つであり、 平成8年度から10年度までの3年間 「自ら対象に働きかける児童の育成~進んでいろいろな人とかかわり、コミュニケーションを 図る子ども~」 という研究テーマ及び副題のもと研究及び実践を行ったきた。
2.研究・実践の概要
(1) 目指していたもの 相手のことを分かろうとしたり、 自分のことを工夫しながら伝えよ うとしたりするなど 「双方向のコミュニケーションを図ろうとする子ども」
(2) 主な研究内容
1英会話等を用いて楽しく表現する活動の推進
2進んでいろいろな人とかかわる交流活動の推進
(3) 実践の概要
3英語やいろいろな文化に触れる活動の推進
4充実した英会話活動を支える諸条件の整備
(1~3を支えるものとして)
1a. 子どもの願いに基づいた活動-0時間目の設定 -
b. 多様な方法を生かした双方向の意思疎通ができる活動
a. アメリカ大学生や10カ国の先生方との交流
b. 英語を使った集会活動
3a. 英語やいろいろな文化に触れ、楽しんだり親しんだりする活動
b. 英語や外国の文化に触れる活動を支える環境
4a. 子どもの実態、 教師の特性に適した指導体制
b. 次の活動に生きる評価
実践2 ショートスキットの作成と発表
(2) 対象生徒
(3) 実施時期
城西中学校 1.2年生 全員
実践1
平成10年度 2学期
実践2 平成10年度 3学期
3. 考察と課題
c. 中学校との連携
d. 職員の研修
多くの児童が英会話活動を楽しいと感じているとともに、ほとんどの保護者も小学校で英会 話活動を行うことに賛成している。 早い時期に外国語や外国人に触れることは言語習得の面や 国際人を育てるという面で大変有効であると思われる。一方、 現段階での小学校の英語学習は あくまでも総合的学習の中の一つであるという点で様々な課題が残っている。
3.
「英語科としてTeam Teachingをどう進めるかー共通実践とALT活用の視点から: 上越市立城西中学校の試み-」
1. はじめに
上越市立城西中学校 重野準司
本校には上越市雇用のALT 1名が在籍し、 昨年度の2学期から月、火、水、金の週4日本校 で指導にあたる体制が整った。 これによって、原則として毎週必ず1、2年生のすべての学級 Team Teaching (以下T-T)の授業を1時間ずつ実施することが可能になった。 同時に、この 恵まれた状況をどう授業に反映させるかに関して、事前の慎重な検討が求められることになっ た。
それまでのT-Tの授業内容は、個々のJTEの創意に任されていた。 個別にALTと打ち合わせ をして、内容を検討し、実施してきた。 つまり、 教科担任が異なれば、 授業内容も異なるとい う状況であった。 しかし、 それではクラス間に取り組みの差が生じ、 しかも計画的、系統的な 指導という視点からは、不十分と言わざるをえなかった。
しかし、新たに原則として毎週1時間どのクラスもT-Tの授業を実施できるようになったこ とから、計画的にT-Tを運用し、 学年ごとに、各クラスで共通実践に取り組むことにした。 以 上のことから、この発表は、 学年ごとの共通実践とALT活用の視点から、 英語科としてT-Tを どう進めるべきかを課題として、 昨年度本校で試みたT-Tの実践報告である。
2.実践
(1) 活動内容
実践1 ALT によるインタビューテスト
3. 反省点と今後の課題
実践の結果、 以下のような問題点が明かとなった。
実践 1 インタビューテスト
・質問に対する応答練習は各クラスとも同様に取り組めたが、 あらかじめ用意した答 を膨らませるために更に文を付け加える指導にクラス差がでたため、積極的な態度の
評価項目にクラス間の差が大きかった。
・出張や年休など様々な事情で、 インタビューテストの実施時期にクラスによって差 が出た。 また、 2学期中に実施する都合上、 クラスによっては、 事前準備が不十分な ままテストをせざるを得ない状況があった。
実践2 ショートスキット
・ALTの役割として、原稿や発声時のリズム・イントネーションのネイティブチェッ クを重視していたが、これも予想以上に原稿作成に時間を要したため、生徒の発話の リズム・イントネーションのネイティブチェックがほとんど実施できないまま、 発表 (ビデオ録画) に至らざるを得なかった。
本来ならリハーサルとして、一度録画をし、各グループで改善点を確認した後、再 度本番のビデオ録画をするという流れが妥当だったと思うが、 時数の関係でぶっつけ 本番で録画をおこなってしまった。
この2つの実践は、 内容は異なるものの、 どちらも生徒の口頭でのコミュニケーション能力 の育成を主たる目的とした。 そして、指導に際し、JTEとALT双方の役割を明確にし、それぞ れの背景的特色が生かせるような指導のあり方を工夫した。 我々としても初めての試みであっ たことから、 実施後の反省点は少なからずあったが、 生徒の取り組み姿勢は予想以上に積極的 で、言葉としての英語を意識できるこのような活動への関心の高さを再認識することとなっ た。指導を始めた当初はモーティベーションの低かった生徒も、 目標に向けた段階的な指導を 通じて徐々に主体的な態度を見せ始め、 最終的には全体として熱心な活動ぶりであった。 活動 の目的や意義をよく理解した結果であると思われる。 今後も更に多様で、 しかも生徒が成就 感を得られるような活動を工夫し、実践的コミュニケーション能力の育成に向けて英語科とし て共通実践に取り組みたいと考える。
"Show and Tell"にチャレンジしよう!
1 ねらい 自分の言い表したいことを、 英語で表す。
2 Show and Tell とは?
研究発表 (14:20-16:00)
1. 公立小学校英語クラブ活動に関する基礎的研究
1. 研究の背景
上越教育大学大学院 土田優子
数年前から 『国際理解教育』の枠組みの中で全国各地の公立小学校において英語が教えられ てきている。 文部省の研究開発校として今年度までに平成4年より62の公立小学校で英語教育 に関する研究が行われてきた。 2002年からの新指導要領では、新設される 「総合的な学習の 時間』で国際理解の一環として英会話や外国の生活・文化に親しむことがねらいとして掲げら れた。 新しい教育課程で英語教育を実施するかどうかは各学校の裁量に委ねられるが、 最近の 自治体の動きに見られるように大部分の学校で英語に親しむ活動を導入するであろうと予想さ れる。 多くの研究開発校の報告によると児童は、 英語学習を楽しいと感じ、 外国や外国人に対 する関心・態度も向上する傾向がみられる。 しかしこれら児童の英語学習に対する感じ方は、 必ずしも数値化されているわけではない。 そこで現在行われている公立小学校の英語クラブ児 の関心・態度・意欲と聞く・話す能力の変容を検討することは、 意義のあることと考えられ る。
2.研究の目的
本研究の第1の目的は、英語クラブを経験した児童の外国や外国の文化に対する関心意 欲・態度が変化するかどうかを明らかにするための調査票を作成することである。 第2の目 的は、英語クラブを経験した児童の英語を聞く話す能力が向上するかどうか
を明らかにするための調査票を作成することである。
3. 研究の方法
(1) 調査: 対象者は、上越市公立小学校児童15名。 測定具は、 数校の研究開発紀要を 参考にし、 修正を加えた計36項目からなるアンケート。 調査時期は、1999年2月~3 月。 調査手順は、 協力校に依頼し12分の回答時間で集団調査を実施。 分析方法はカイ 二乗検定、 分散分析。
(2) 実験 : 被験者は、 同じ児童。 測定具は児童英語検定3級予想問題を参考にし修正を 加えた計20項目からなる聞き取りテスト。 実施時期は、 1999年3月。 実験手順は同じ 協力校に依頼し、10分の回答時間で集団調査を実施。 Speakingテストは抽出児童3 名を対象に10分で実施。 分析方法は、 項目分析。
4. 結果と考察
(1) カイニ乗検定の結果、 英語クラブの時間を多くの児童は楽しいと感じ、 特にゲーム や外国人の先生と話すことを楽しいと感じていた。 また、 英語が好きで将来自分に とって必要であり、話せるようになりたいと感じていた。 更に外国人に話しかけられたら自分で話しを聞くと答えた児童が多かった。
(2) 分散分析の結果, F (7,98) 10.44で1%レベルであった。 ここから児童は、誰 かに進められたからではなく、 自主的理由によりクラブに入ったことが明らかになっ た。
(3) 項目分析の結果、 3肢選択20項目のテスト中、 3項目がかなり良く、 8項目が非常 に良い項目として選ばれた。 4項目が不良項目であることがわかり、選択肢を修正する ことにした。
2. 「動詞移動の消失における非人称動詞 心理動詞の特異性」
上越教育大学 岩山真幸
英語史における動詞移動の変化をコーパスを使って調査し、 移動の消失に関して動詞の種類 によって偏りがあることを指摘する。 それらは、 主語位置に経験者項の主題役割が与えられ、 与格を付与される非人称 (心理) 動詞である。
なぜ非人称動詞が移動の消失に抵抗したかに関して: Faithfullness (lexical Case) と Markedness (Structural Case) との競合によって格付与方法、語順が決定されると提案す る。この二つに関する制約を使えば、 初期近代英語以前ではFaithfullnessが優先されたが、 そ れ以降、 現代英語に至るまで、 Markednessを優先するように変化したと説明できる。この制 約の階層関係の変化によって直接影響を受けるのが非人称動詞を含む構文であり、他の影響を 受けない通常の他動詞構文に比べ、 変化の速度が遅くなったと主張する。
従来から論じられているように、 動詞移動の要因が 「屈折接辞変化の豊かさ」 に還元できる ならば、 英語が次第にMarkedness (構造格) に関わる制約を重視するようになると考えるの は妥当である。
3. 「ドイツ文学における 聖なるもの’-ヘルダーリンの場合-」
上越教育大学 平野七濤
ヨーロッパにおけるドイツの政治的、社会的かつ経済的な後進性は、 思想や文学に分野にお いてはむしろ逆に、ある種の先取性、 あるいは観念の肥大性をもたらした。 このようないわば 現実と理想、実際と夢の間のアンバランスな関係を、 ヘルダーは既に1777年に 「われわれの 古典文学は極楽鳥だ。 色どり豊かに、 お行儀よく、 空飛ぶばかりで、まったく高尚だが、 ドイ ツの地を踏む足をもたない」 と鋭く指摘しているが、両者の間のこの隔たりこそが、 近代ドイ ツのさまざまの側面での困難点、 問題点の源であった。
たとえば、 1789年、 すなわち隣国フランスでは、民衆が自由、 平等、 博愛を求めて革命を 起こしたとき、 ドイツは「ドイツ人という言葉が誇りをもって語られるのを、私はかって聞い た覚えがない。 ザクセンの、バイエルンの、 フランクフルトの愛国者はいる。 しかし帝国を自 分の祖国として愛するドイツ愛国者がどこにいるだろうか」 と、 作家ヴィーラントをして嘆かしめたような、 いまだ40数国の封建的小領邦国家がひしめきあう前近代的な政治状況にあった。
そしてこのような政治状況は当然の事ながら、 経済の発展を阻害する。 イギリスにおいては1760年代に既に産業革命が始まったが、ドイツにおいて産業革命が始まり、ともかく も国民経済と呼びうる一つの経済圏が形成され得たのは、 その100年後の1850年以降のことで あった。 政治・経済、 そして社会のこのような立ち遅れは更にまた、一国の思想や文学を本来 になうべき市民社会、 中産階級が健全な発展を遂げるだけの余裕を与えず、従ってドイツにお ける思想や文学は、 少数の先鋭な天才たちが孤軍奮闘しつつ開拓し、支える、という状況をも たらしたのである。 そして現実的基盤を欠きがちなその内容は、冒頭に述べたとおり、 内面化 されやすく、観念的な色彩の濃いものとなる。
つまり現実の貧しさと惨めさは、 ドイツのエリートたちをしてむしろ観念の王国での壮大な 夢と理想を構築することへと向かわしめたのである。 ドイツ観念論哲学、 あるいは古典主義、 ロマン主義文学は、このような状況の産物である、とも言える。 カントの 「純性理性批判」は 1781年、 ヘーゲルの 「精神現象学」 は1807年に世に出ている。 すなわちそれは、 近代ドイツ の現実の貧しさのただ中において生まれたものなのであり、これらの古典哲学の輝かしい成果 は、従ってドイツの栄光であるとともにその悲惨のしるしでもある。 フリードリッヒ ヘルダ ーリン(1770~1843) もまさにこのようなドイツの栄光と悲惨を身をもって生きた詩人のひと りである。
第2回、第1回については、旧ホームページを参照