課題研究発表
国語科教育研究に求められる新たな「知」
①新たな「知」とはなにか
2024.5.26(Sun)/09:30-12:00
国語科教育研究に求められる新たな「知」
①新たな「知」とはなにか
2024.5.26(Sun)/09:30-12:00
テーマ (文責:研究部門委員 勘米良祐太)
近年の国語教育をめぐっては、今まで以上に大きな社会の変化があるように見える。たとえば生成AIの出現は、わたしたちの「考える」という行為の意味を質的に転換する可能性がある。テクノロジーの急速な進展に対して、教育研究はつねに対応していかなければならない。
このような状況では、国語科教育研究に求められる「知」の意味も変容せざるをえない。「考える」ことの意味が変化すれば、それに伴い「知」の意味も変化していく。このような新たな「知」をわたしたちがどのように受け止め、どのように国語科教育研究の再構築を図るかが求められている。このような経緯から、連続シリーズ「国語科教育研究に求められる新たな『知』」を設定した。
ただし問題となるのは、新たな「知」と思われるものが見えた際、それを見るわたしたちの枠組みも問題となる点である。先に述べた課題についてあらためて見ると、わたしたちが考えるべき問いには次のようなものがある。
・「新たな(あるいは、従来の)」とはどういうことなのか?
・「新たな『知』」を「新たな『知』」ととらえる見方は適切なのか?
・そもそも次々「新たな『知』」を求めるわたしたちの認識に問題はないか?
前企画「国語科教育を見通す」で着目したのは、国語科教育研究がそれぞれの研究者の専門領域・関心に閉じこもることなく、学校全体のカリキュラム・マネジメント、あるいは現実の教員養成といった側面とも連動して問いを立てていく必要性だった。今回は「国語科教育研究に求められる新たな『知』」の第1回として、「新たな『知』とはなにか」を設定したい。これにより、社会の変化に対応するにあたってのそもそものわたしたちの構えについて議論することを目指している。このような問いは、このシリーズについて議論を深めていくうえでの重要な基盤となるであろう。
登 壇 者
コーディネーター