自由学園 中等科・高等科

オンライン授業の取り組み

生徒、教師、保護者の協力の軌跡をご紹介します。 更新:2020/7/1

オンライン授業までの流れ

2月26日

生徒たちの健康と安全を守ることを第一に考え「閉寮」「休校」を決定。

3月及び春休みの「校外学習」「広報行事」の中止を2/21に決定。
その後も拡大している感染状況と政府の見解や専門家の意見を踏まえ、自由学園としては生徒・学生の健康と安全を守ることを第一に考え、2/29(土)~3/21(土)まで閉寮することにした。
これに合わせ中等科・高等科の生徒は3/2(月)~3/21(土)まで休校(自宅学習)とすることを決定。
生徒の学びを保障するため、男子部はインターネット環境を使った授業課題の提出を、女子部は郵送にて実施した。

休校まであと3日間。なすべきこと。

卒業していく人、今年度のまとめ、次年度に向けての準備のために丁寧に時間を使った3日間。


2月29日 2日間で構築した「自宅学習の方法」。生徒保護者へ発信

2月29日。「自宅学習の方法について」を生徒たちに説明。上下級生が入り混じって教えあう。保護者にも同様のガイドを配信し、インターネットに接続できる環境の確保、使用ルールの丁寧な取り決めの協力をお願いした。

3月1日 全員やってみよう。トライアル課題

3/2からのオンライン学習期末課題の準備として、google driveとgoogle formsを使った学習システムを構築し、全校生徒対象にトライアルを実施。
課題:google driveで課題を確認。簡単な回答をgoogle formsで送信する。
オンラインでの課題のやり取りについて各自の自信についてもアンケートをとった。多くの生徒が「自信に満ち溢れている」と回答。「自律学習」を育むチャンス、電子機器を娯楽用品から学びのツールに変えていくチャンスとして、教員も期待が膨らんだ。

3月2日 オンライン学習スタート

3/7まで行う予定だった授業/期末試験に代わる課題をgoogle driveにアップ。確認して提出するオンライン自宅学習がスタートした。


3月23日 

2019年度修了。


4月1日 家庭学習期間延長に伴い

在校生とご家庭の皆様の健康を第一に考え、4/10~5/9の期間を家庭学習にすることに決定。
自宅でもできるかぎり登校している時と同じように学ぶことができるようオンラインでの学習を検討。ご家庭の機器、インターネット環境、お子さんが電子機器を使用することに対するご家庭の方針などから学習方法を選択するアンケートを実施。


4月6日 家庭学習準備

google classroom、Zoom(あるいはYouTube)の準備開始。生徒一人ひとりにgoogleアカウントを付与し、アカウントの取得とログインをしてもらう。
google classroomのログイン方法は動画を制作してフォロー。
Zoomインストールマニュアル、youtubeのトライアル日も準備して新年度の学習環境を整えていく。


4月9日 新年度スタート

4/9始業式、4/10イースター礼拝、4/11入学式をすべてYouTubeによる配信にて行った。
クラスの集まりは、Zoomを使用。担任との画面ごしの顔合わせ。翌週からのオンライン授業の予行練習にもなった。

4月13日 オンライン授業開始 生徒たちの1日

ほぼ通常通りの時間割にはzoomIDが並ぶ。
8時30分 各学年のホームルーム(classroom)に入り、今日の礼拝から聖句、一言コメントを閲覧。時間割の通りに授業を進めていく。
出席確認とかねて、体調、検温をフォームにUP。毎日日直を立て、日直日誌は1日の終了とともに放課後に提出。翌朝UPしているので、生徒たちが確認して1日を始める。
1~6時間目までの間、それぞれの教科のページに入りそこで提示されている
・「新しい単元の動画」
・動画と同内容の「パワーポイントの資料」
両方を活用しながら学習し、理解する流れ。Q&AはZoomで行う。このZoomには教師やクラスメイトと話したくて入ってくる生徒もいる。理解度チェックとして授業の最後にフォーム(google Form)に回答する。

4月末 1カ月経過して全校生徒対象にアンケート

授業のペース、課題の量についてアンケートを実施。ストレスチェックも兼ねた。約8割の生徒が、ちょうどよい、ないしちょっと多い、早いと感じていることがわかった。基本路線はこのまま進めるが、このままだと厳しいと感じている生徒についても寄り添いバランスをとって進めるよう各教科担当にもフィードバックを行った。

見えてきた課題。

見えてきた可能性。

急速に進んだ学校のICT。試行錯誤して走り続けた数カ月。自由学園のオンライン授業の課題と可能性を整理した。

◯見えてきた課題
・学びが「個別化」しやすい状況でいかに「協同性」を担保するか
・生徒も教員も互いの様子が見えないなかでいかにコミュニケーションの機会を確保するか
・情報リテラシーと操作スキルの学びの必要性

◯見えてきた可能性
・ペースやタイプに応じた学びの「個別最適化」が促進される
・時間割や学年の区分が希釈化される
・能動的に学びに向かう姿勢が育まれる

自由学園は次のステップに進みます。