「本校の校章は、竹の塚中学校の竹にちなんで考案しました。」 すなわち竹は竹の子から、自分の力でしっかり地面に根をはりながら、親 竹を追い越し空高くすくすく伸び、青竹に成長します。このように、生徒 ひとりひとりがすくすく成長するよう念願して作られました。 正三角の形をした三つの頂点のところに三つの竹の子があり、各辺のま んなかに三つの葉がでています。これは学校で知育・徳育・体育の調和の とれた教育計画を立て、教育目標を達成したいという意志とそのために 日々充実した教育活動を行っていくという気力を表したものです。また生 徒ひとりひとりに対して自主性、創造性に富み、高い知識“知”と深い思 いやりの心“情”を備え、物事を最後までやり通す根性“意”があり、社 会の荒波を乗り越えていく立派な社会人に成長するようにとの願いが込 められています。
10周年記念誌「若竹」より
校歌への思い
何と美しく気品のある校歌でしょう。十五年前、私は六十歳でした。親友桧山俊八君の推薦によって校歌を作曲することになり、作詞を東京学芸大学の米津千之先生にたのみました。二人で何回も学校を訪れ、青い空、明るい太陽、清き小川に心をうたれましたが一番気にいったのは「竹の塚」という名称です。
浅黄の空に、若竹の、もえたつみどり、すこやかに、かがやく徽章、竹の葉の、教えの道を、ひたすらに
米津先生からのこの詩をうけとった時、私はわが意を得たとよろこびました。たわみて折れぬ節をもち、あふれる生命、天に向く、われらの母校、竹の塚中学校。
私は心をおどらせ一晩の中に作曲してしまいました。とてもよい曲が出来ました。
あれからもう十五年、この校歌を歌って卒業していった生徒は何人いるのでしょう。校長先生、職員の先生も何人変わったでしょう。私も七十五歳になりました。
然しこの校歌は学校がつづくかぎり、いつまでも歌いつがれ明るく力強く生きているのです。
作曲家 渡辺浦人
(創立二十周年記念誌「若竹」より転載)
【注】 篁 [読み]コウ、たかむら
竹の盛んにしげっているところの意を表す。
[意味]①たかむら。竹やぶ。 ②竹の一種。質がかたく節がつまっている竹。