2024年度 八戸工業大学感性デザイン学部 卒業制作
2024年度 八戸工業大学感性デザイン学部 卒業制作
かんがえて、作る魅力-絵本で遊びながら伝える-
◎2024年度八戸工業大学感性デザイン学部 卒業研究最優秀賞 受賞
絵本は一般的に、教育的な内容や登場するキャラクターを軸とした物語を通じて子どもたちに親しまれているが、それだけに留まらず、より自由に子どもの発想力を掻き立てられる可能性を秘めている。本研究は、絵本を介して「かんがえて、つくる」ことを楽しんでもらいながら、子どもたちの発想力を掻き立てる具体的な手法を探求し、創造的思考力を促進する効果を明らかにすることを目指した。
卒業制作・絵本《さらさらでくるくるでふわふわ》
卒展(八戸市美術館・学外展)の様子
ISSUE 課題
従来の絵本は物語やキャラクターを軸にした受動的な読み物として親しまれているが、
子ども自身が能動的に関わり、発想力や創造性を育む仕組みが不十分。また、創作活動を促すための絵本の設計や提示の方法にも課題がある。
IDEA アイデア
「仕掛け絵本」に注目し、子どもが自ら考えて“つくる”ことを楽しめる絵本のあり方を、
幼稚園での展示発表や、アートギャラリーへの出展などを通して、実際の子どもの反応を観察・分析した。
DESING デザイン
読者が自由に物語の続きを考えたり、キャラクターに変化を加えたりする余地を設け、創造的思考を引き出す絵本の企画・制作を試みた。
物語の結末を読者が自由に描く絵本《さいごはどうなっちゃうの?》や、キャラクターの髪型を描いて遊ぶ《さらさらでくるくるでふわふわ》を制作。
さらに、物語世界に入り込む体験として、ワークショップ空間を小屋型に設計し、絵本の内と外を分けた展示構成で発想の促進と没入感を高めた。
NEXT 展開
描画材や仕掛けの工夫により、子どもたちが自由に表現できる環境を設計し、絵本が“読むもの”から“つくる体験”へと拡張される可能性を提示した。
研究協力(敬称略)|
さくら幼稚園、一般社団法人TOCOL
制作協力|
秋山日眞里、石戸谷海童、大宮康太郎、奥寺彩綺奈、奥瀬茉以、笹森凌、佐藤碧音、下平花歩、中山葵、二木七海、西山大錫、沼口日南、三浦佳大