私のアイデンティティを探る
表現としての衣服の可能性
私のアイデンティティを探る
表現としての衣服の可能性
2025年度 八戸工業大学感性デザイン学部 卒業研究
服飾で表現するアイデンティティの再構築の研究 -素材と身体の関係から探る造形的アプローチ-
多くの情報や他人の意見に左右されがちな現代において、本研究は服飾制作を通した自己表現によって自己のアイデンティティを捉え直すことを目的とした。服飾を自己表現のための制作手法の一つと位置付け、その制作プロセスを考察することで、現代における衣服の表現的価値とその可能性を示した。
作品《lurk》2026年,毛糸、オーガンジー、綿、ほか
ISSUE 課題
SNSやインターネット上の多様な価値観に触れる現代社会において他者比較が常態化し、自分らしさを見失いやすい。
とくに、言語だけでは表しきれない内面の不安や違和感を、どのように自己表現として捉え直すか。
IDEA アイデア
服飾制作を自己表現の手段として用い、「身体」をモチーフに、不安や嫌悪感、不完全さといった内面をあえて造形化した。
また、素材の質感や透過性、密度を活かしながら着用可能な衣服として表現することで、否定的に捉えられがちな感覚を個性や魅力として再解釈し、アイデンティティの再構築につなげた。
DESING デザイン
「身体」をモチーフに、腸・脳・粘菌などを想起させる造形を、タイツ、オーガンジー、毛糸、綿などの素材特性を活かして制作。
最終的には、それらを着用可能な衣服作品《lurk》として構成し、身体内部を思わせる不安定で有機的な形態を、外化された自己表現として提示。
NEXT 展開
服飾表現を通して、内面の不安や嫌悪感を否定するのではなく、個性や魅力として捉え直す視点を示した。
今後は、服飾を単なる装いではなく、自己のアイデンティティを主体的に表現する手段としてさらに発展させることで、現代における衣服の表現的価値や、自己表現の新たな在り方へとつなげていく。