フルミストは、注射ではなく、鼻にスプレーするタイプのインフルエンザワクチンです。生ワクチンを使用しており、自然な感染に近い形で免疫をつけます。
 欧米では小児を中心に広く使用されているワクチンです。日本には2024年から導入されました。
注射ではない:痛みがほとんどなく、針を怖がるお子さまにも接種しやすい
接種回数が1回で済む:通常2回必要な小児の注射ワクチンと異なり、1回で完了
粘膜免疫の獲得:鼻や喉の粘膜で抗体がつくられ、感染そのものを防ぎやすい
短時間で接種可能:数秒で完了し、接種時のストレスが少ない
広い防御効果:ウイルスの型が多少変化しても交差免疫が期待できる
使用できる年齢が限られる(2歳以上〜18歳まで。成人・高齢者は対象外)
喘息・免疫不全などで制限がある
従来の注射ワクチンより費用が高め
37.5℃以上の発熱がある方
重い急性疾患のある方
過去に本ワクチンで重いアレルギー(アナフィラキシー)を起こした方
免疫異常の病気がある方、免疫抑制治療中の方
ステロイド(内服・注射)を使っている方
妊娠している方・妊娠の可能性がある方
医師が不適当と判断した方
一部の解熱鎮痛薬(アスピリンなど)を使用中の方
ゼラチンや卵などに強いアレルギーがある方
2歳未満、または19歳以上の方
心臓・腎臓・肝臓・血液の病気がある方
過去にワクチンで発熱や全身の発疹が出た方
けいれんの既往がある方
免疫不全の方と接触する機会のある方
重い喘息や喘鳴のある方
米国では、喘息または喘鳴の既往歴のある2~4歳児への接種を推奨していません。
 一方で本邦の添付文書上では「重度の喘息を有する者」「喘鳴の症状を呈する者」への接種には注意が必要とされています。
当院では、過去1年以内に喘息発作を起こしていない方については接種可能といたします。
過去1年以内に発作を起こした方には、従来型の不活化ワクチンをおすすめします。
このワクチンは弱毒化した生ワクチンです。体内で増えることで免疫がつき、インフルエンザ感染を予防します。
よくある副反応:鼻づまり・鼻水・せき・のどの痛み・頭痛
まれな重い副反応:ショック・アナフィラキシー(呼吸困難、じんましんなど)、けいれん、脳炎、神経障害(顔面まひなど)、ギラン・バレー症候群、血管炎など
ほとんどが軽度で自然に回復しますが、まれな副反応も他のワクチンと同様に否定はできません。強い呼吸症状や全身反応が出た場合はすぐに医療機関へご連絡ください。
接種後しばらくは、急なアレルギー反応に注意し、すぐに連絡できる体制を整えてください。
当日は激しい運動を避け、体調に変化があればすぐ受診してください。入浴は問題ありません。
妊娠可能な方は、接種後2か月は妊娠を避けてください。
接種後1~2週間は、乳児や重い免疫不全の方との接触をできるだけ控えてください。
他のワクチンとの同時接種について
フルミストは、他のワクチンと同時接種可能です。
このワクチンは生ワクチンですが経鼻での接種ですので、他のワクチンとの間隔は開けなくて大丈夫です。例えば直近にMRワクチンなどの生ワクチンを接種していても接種可能です。
フルミスト(経鼻インフルエンザワクチン)
  7,000円(税込)/1回
  ※接種回数:1回のみ
予診票は、下記のPDFを印刷いただくか、受付で配布しています。
 事前記入にご協力お願いします。
フルミスト(鼻スプレー型)予診票(PDF)
 
フルミストは「注射が苦手なお子さま」や「1回で済ませたい方」に適した選択肢です。
 ただし、年齢や持病によっては接種できない場合がありますので、詳しくは医師にご相談ください。